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川口クルド人問題(1)~難民条約~

 1951年に国連で採択された「難民の地位に関する条約」の目的は第二次世界大戦の戦後処理だった。戦争で大移動した人々の居住権をいったん認め、戦後の混乱を収めなければならなかった。
 一方、これは特例的なものにしなければならなかった。
 常にどこにでも争いはあるので、抽象的な理由で包括的に国を超えた人の移動を認めると、危険であることは理解していたようだ。小さな国であれば、あっという間に乗っ取られてしまう。
 そこで第1条A(2)に「1951年1月1日前に生じた事件の結果として」という条件がつけられた。時限的に役割を終えたこの条約が再び活用されるまで、16年が経過する。