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(医療関係者向け)ロナセンテープの特徴と使用感

2019年9月に発売されたロナセンテープの勉強会で学んだ内容をシェアしとこうと思います

ロナセンテープとロナセン錠の比較

ロナセンテープは、抗精神病薬ロナセン錠の徐放型貼付剤で20mg・30mg・40mgの3規格が準備されており、ロナセン錠の維持量である8mg・12mg.16mg(一日量)と対応しています。

経皮吸収型製剤であり、初回通過効果を受けないロナセンテープの方が錠剤と比較して用量が多い理由は、24時間貼付後のテープに95%の有効成分が残存するからであり、20mgであれば実質1mgのロナセンが体内へと移行していると考えられます(錠剤8mgでも初回通過効果などにより同程度が体内へ移行)


ロナセンテープのメリット・デメリット

ロナセンテープはロナセン錠と同様にドパミンD2.3受容体、セロトニン5HT2A受容体のアンタゴニストとして働く抗精神病薬ですが、錠剤に比べて血中濃度のピークとトラムの幅が少なく安定した効果が得られるメリットがあります。

他にも消化器系の副作用軽減・嚥下困難の患者への使用・老人施設での活用などメリットがありますが、貼付による赤みや痒み・不快感や剥がし忘れなど使用上のデメリット、薬価が錠剤の2倍程度かかる経済的デメリットがあります。

ロナセンテープの貼付部位・使用感

ロナセンテープの貼付部位は、胸部・腹部・背部です。これは光線過敏症の対策であり、日に当たりにくい体幹への貼付が推奨されています。ちなみに臀部への貼付は吸収率が5%低下するので推奨されていません。

製剤見本を実際に貼付してみましたが、伸縮性のあまりないクリアフィルムなので、可動部位・曲線部への貼付は不快感を伴いますので、腹部・関節部への貼付はおすすめできません。また密閉性が強いので発汗すると痒みが強く出そうなので脇付近への貼付もやめておいたほうがよいと感じました。


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