吐露

彼が映る動画を見せたり彼の話聞いてもらったりしている時に周囲から、「彼のことめっちゃ好きやん笑」と言われて初めて私本当に彼の事好きだったのかもなって気付いて
好きな人に好きと、何からの制限もなく真っ直ぐに伝えられる人、関係性的にも性格的にも ちゃんと愛嬌もってして好意を見せられる人、そして好意を受け取ってもらえる人、好きな人との縁が続いてる人、羨ましい心の底から

歳を重ねて色んな痛い経験をしてきて、この感覚直感、それが当たるかどうかも何となく場数で分かってきてしまってて
どうせこの人じゃないと駄目な事なんか誰もなくて、彼が終わってももっと良い人は余裕で現れて 上書きされて 「か」(彼の苗字)と打った予測変換の最上位候補に彼の名前が出てくる事も無くなってって 
どうせまた幸せになれる事もう分かってるし
どうせ何とかなるからただ進めばいい話なんだけど

何とかなってしまうのが嫌だ、何とかなる、そんな事は分かっとる、次行きなよ、も都合良いのも 全部全部分かった上で縋ってたいし浸ってたい恋だってある。沢山の「どうせ」の中で足掻いていたい。
自分の過去も傷も自分だけのもの、自分しかどうにかしてあげられないし次に進めさせてあげられない。 私は賀中くんが好きだったんだろうし完全燃焼したかった。月に3回は会いたかった。LINEは次の日には返ってきて欲しかったし、もっと相談したかったし近くで部活の応援もしたかった。付き合いたいとか以前に、もっと素直に好きとかいう気持ちを気を遣うことなく出したかったぶつけたかった歳上やし斜に構えとる人やしとかバイト先であのセフレが~を枕詞に、また彼のネタとして売られるとか御託保身考えずに私のために 逆に、どうせ何とかなる事が潜在的に分かってるからこそ人は足掻きたくなるんかもしれない

あの心地良さ安心感愛おしさ幼稚さうざったさを、
私 この人の事が好きなんだと認めてしまいたかった 半年と言わず縁が続いて欲しかった でも本当に これだけはまじで経験のお陰で彼が良くも悪くも素直で本当に私を蔑ろにするような事が出来ない人ということも 期待ではなくただ何となく、それこそ何とかなっていけてしまうんだろうなこの人とは、と腑に落ちるぐらい合う人という事も分かるし信じられてしまう、縁とは良し悪し問わず本当に不思議なもので、私たち人間の力ではどうにもならない程の威力があるのだ。まあだからこそ、流れのまま導かれたら良いだけなのかもしれないけれど

とはいえ彼は、幼い一面を見せながらも本当に達観した、長けた面も持つ不思議な人だった
私の、女性性にありがちな深読み、思ってもない事予防線で言うところ、思い込み激しい、自分語り、強がり、言葉足らず、変わった所、物事や俗世に冷めてる所、尽くしたがりな所、感謝しがちなキャラ、受け止める気は更々無いから自分のこと愛してるんだろうなって分かってたけど、やっぱり受け止めてもらえないとこっちも分かってるから強がって好意を見せまいと藻掻いてた所、全て分かった上で、読みとってくれていた上でそんな面倒も受け容れて一緒に居てくれて 
私はその居心地があまりにも、しっくりときていて好きに直結しがちなドキドキの要素が少なくて、恋愛としての好きと認識するのに時間かかったけど本当に色んな意味合いを込めて好きだと思う、けど散々書いたけど何とかなると信じている、
自分はこうなると自分で決めたから

でも彼のその受け容れてくれた姿勢は、私たちが見下していた大学生あるあるの「浅い恋愛ごっこ」や軽い「好き」こそ違うんだろうけど、愛までとはいかないけれどそれを超えた深い何かではなかったのだろうか、

それでも私が唯一彼に優れたと思うことは、
「都合が良くてなんぼ」のセフレの関係性を超えて
「都合が悪い女」になれたことだと思う。
都合が悪いこと、見たくない一面、自分の思い通りにならないこと、それらに目を瞑れなくなるということは、ただ単にセフレという関係が終わることを意味する以上に それだけ相手の心の中に占める自分の割合が増やせたということだとも思うのだ。
都合良い解釈で結構、それだけ相手が自分に対して関心を抱き、「考えてしまう」存在になったということではないだろうか。

大人になった私は、見返してやりたいとも復讐してやりたいとも痛い目見ろとももう、精神力体力的にも思えないし思わない。彼は本当に幼稚だった、だけど私にも幼稚な時が3年前には確実にあった。
だから彼には、もっと世界を見て幸せになって欲しい、心から誠実に生きられるような経験出逢いを経て周りの人達のお陰で、と思えるまで成長出来た私のように今の場所よりもっと素敵な世界を目に映してほしいと、本気でそう思っている。

別れた直後人は、やはり憎い面、やるせなかった場面、マイナスな要素ばかり思い浮かんでしまうが
しっかりとした関係性こそ築けなかったが 本気で打ち込みたいこと夢がある中でも 時間を割いて会いに来てくれたこと、適当に扱おうと最初は思いつつどこかのタイミングから揺れ動いてくれたこと、ありのままの私でも関係を続けてくれたこと 
捉え方次第で、その相手に対して有難かったなと思える瞬間はきっと数多く、感謝すべき存在に変換出来ると思う。
その作業は他の誰でもない「自分のため」なのだ。
過去の恋愛を悲観して、自分を悲劇のヒロインに仕上げてしまわないように。自分を自分で蔑ろにしてしまわないように。過去を消化、昇華して未来に繋げてあげられるかどうかは自分の手にかかっている。


昔は自分にばかり矢印が向いていたから 相手がどうにか後悔してくれと懇願していたけれど 歳を重ね、自尊心のなんだるかが少し分かり始めた今は
世界で一番大切な自分が大切に思っていた人だからこそどうか幸せに生きて欲しいとも思うのだ。
でもそれは、誰彼に抱くものではなく未熟で不誠実ながらも、どこかでやはり通ずるものがあると感じる、真っ直ぐすぎる彼だからこそ思えるのかもしれないが

どの流れだったのかはもう思い出せないけど甘いの大好きです、と出逢って2日目の夜話してくれた事ふと思い出して旅行先でのお土産だけが渡しそびれたまま今も家に残っている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?