高卒でのクラブ選び

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

さて、今年最初の記事です。

選手権が今年も終わりました。

大会の日程問題がやっと表立って議論になってきており、一過性で終わることなく、大会にメスを入れてもらいたいとこです(高校サッカーの問題はそれだけじゃないけど)。

さて、選手権になると注目されるのが「プロ内定」の選手。

プロ内定者は、いわばその大会の「スター的存在」。

全国大会というレベルの高い舞台中でも、際立った活躍をする選手に観客は心躍ります。

しかし、プロになってしまうと、その存在すら忘れられてしまう選手もいます。

そこで、昨年同じようにスター的存在であった2017年シーズンに高卒で入った選手の試合出場記録をまとめてみようと思いました。

(選手の並び順は、高卒入団を調べた際に参考にしたゲキサカのHPの上から順番通りになっています。)

(記事には出場試合数しか書いていません。出場時間数は書いていません。試合数が多ければいいというわけではありません(1分でも出ればカウントされるので)。気になった選手については、試合出場数のところにリンクを張りましたので、そちらのページで確認してもらえればと思います。)



コンサドーレ札幌U-18

・濱大耀(コンサドーレ札幌)

出場時間なし

・菅大輝(コンサドーレ札幌)

出場時間なし


札幌大谷高

・大山武蔵(セレッソ大阪、セレッソ大阪U-23)

出場時間なし(セレッソ大阪)

25試合出場(セレッソ大阪U-23)


青森山田高

・廣末陸(FC東京、FC東京U-23)

出場時間なし(FC東京)

12試合出場(FC東京U-23)

・高橋壱晟(ジェフユナイテッド千葉)

23試合出場


ブラウブリッツ秋田U-18

・小野敬輔(ブラウブリッツ秋田)

出場時間なし


モンテディオ山形ユース

・高橋成樹(モンテディオ山形)

出場時間なし


水戸ホーリーホックユース

・中川洋介(水戸ホーリーホック)

出場時間なし


浦和レッズユース

・川上エドオジョン智慧(徳島ヴォルティス)

2試合出場


大宮アルディージャユース

・山田陸(大宮アルディージャ)

1試合出場


昌平高

・針谷岳晃(ジュビロ磐田)

3試合出場

・松本泰志(サンフレッチェ広島)

4試合出場


本庄一高

・小林祐太(ザスパクサツ群馬)

出場時間なし


柏レイソルU-18

・古賀太陽(柏レイソル)

14試合出場


市立船橋高

・杉岡大暉(湘南ベルマーレ)

37試合出場

・原輝綺(アルビレックス新潟)

20試合出場

・高宇洋(ガンバ大阪、ガンバ大阪U-23)

出場時間なし(ガンバ大阪)

28試合出場(ガンバ大阪U-23)


FC東京U-18

・波多野豪(FC東京、FC東京U-23)

1試合出場(FC東京)

15試合出場(FC東京U-23)

・岡崎慎(FC東京、FC東京U-23)

出場時間なし(FC東京)

20試合出場(FC東京U-23)

・鈴木喜丈(FC東京、FC東京U-23)

出場時間なし(FC東京)

31試合出場(FC東京U-23)

・内田宅哉(FC東京、FC東京U-23)

1試合(FC東京)

27試合(FC東京U-23)


東京ヴェルディユース

・渡辺皓太(東京ヴェルディ)

27試合出場


川崎フロンターレU-18

・田中碧(川崎フロンターレ)

出場時間なし


横浜FMユース

・原田岳(横浜Fマリノス)

出場時間なし

・吉尾海夏(横浜Fマリノス)

5試合出場


横浜FCユース

・山本凌太郎(横浜FC)

出場時間なし


湘南ベルマーレユース

・石原広教(湘南ベルマーレ)

10試合出場


Y.S.C.C.横浜U-18

・上田航平(Y.S.C.C.横浜)

出場時間なし

・金子大晟(Y.S.C.C.横浜)

出場時間なし


桐光学園高

・茂木秀(セレッソ大阪、セレッソ大阪U-23)

出場時間なし(セレッソ大阪)

10試合出場(セレッソ大阪U-23)

・タビナス・ジェファーソン(川崎フロンターレ)

出場時間なし


星槎国際高湘南

・市川暉記(横浜FC)

出場時間なし


アルビレックス新潟U-18

・長谷川巧(アルビレックス新潟)

4試合出場


カターレ富山U-18

・西晃佑(カターレ富山)

出場時間なし


JFAアカデミー福島U18

・下口稚葉(ファジアーノ岡山)

出場時間なし


清水エスパルスユース

・立田悠悟(清水エスパルス)

3試合出場


静岡学園高

・山ノ井拓己(アビスパ福岡)

出場時間なし


名古屋グランパスU18

・梶山幹太(名古屋グランパス)

出場時間なし

・深堀隼平(名古屋グランパス)

2試合出場


三重高

・紀藤隆翔(ギラヴァンツ北九州)

出場時間なし


京都サンガF.C.U-18

・麻田将吾(京都サンガ)

4試合出場

・島村拓弥(京都サンガ)

出場時間なし


京都橘高

・岩崎悠人(京都サンガ)

35試合出場


ガンバ大阪ユース

・渡辺健太(町田ゼルビア)

出場時間なし

・食野亮太郎(ガンバ大阪、ガンバ大阪U-23)

出場時間なし(ガンバ大阪)

20試合出場(ガンバ大阪U-23)

・小西雄大(徳島ヴォルティス)

13試合出場


セレッソ大阪U-18

・舩木翔(セレッソ大阪、セレッソ大阪U-23)

5試合出場(セレッソ大阪)

12試合出場(セレッソ大阪U-23)

・森下怜哉(セレッソ大阪、セレッソ大阪U-23)

出場時間なし(セレッソ大阪)

32試合出場(セレッソ大阪U-23)

・斧澤隼輝(セレッソ大阪、セレッソ大阪U-23)

5試合出場(セレッソ大阪)

27試合出場(セレッソ大阪U-23)


ヴィッセル神戸U-18

・野田樹(ヴィッセル神戸、FC今治

出場時間なし(ヴィッセル神戸)

まとめデータが見つからないため不明(FC今治)

・安井拓也(ヴィッセル神戸)

2試合出場

・向井章人(ヴィッセル神戸、FC今治)

出場時間なし(ヴィッセル神戸)

まとめデータが見つからないため不明(FC今治)


ガイナーレ鳥取U-18

・細田歩夢(ガイナーレ鳥取)

出場時間なし


ファジアーノ岡山U-18

・石川隆汰(ファジアーノ岡山)

出場時間なし


サンフレッチェ広島ユース

・イヨハ理ヘンリー(サンフレッチェ広島)

出場時間なし

・山根永遠(セレッソ大阪、セレッソ大阪U-23)

出場時間なし(セレッソ大阪)

27試合出場(セレッソ大阪U-23)


瀬戸内高

・安部裕葵(鹿島アントラーズ)

14試合出場


アビスパ福岡U-18

・崎村祐丞(アビスパ福岡)

出場時間なし


東福岡高

・小田逸稀(鹿島アントラーズ)

出場時間なし

・高江麗央(ガンバ大阪、ガンバ大阪U-23)

出場時間なし(ガンバ大阪)

30試合出場(ガンバ大阪U-23)

・藤川虎太朗(ジュビロ磐田)

1試合出場


サガン鳥栖U-18

・石川啓人(サガン鳥栖)

5試合出場

・田川亨介(サガン鳥栖)

28試合出場


V・ファーレン長崎U-18

・林田隆介(V・ファーレン長崎)

出場時間なし


ロアッソ熊本ユース

・米原秀亮(ロアッソ熊本)

3試合出場


大分トリニータU-18

・野上拓哉(大分トリニータ、ヴェルスパ大分)

1試合出場(大分トリニータ)

13試合出場(ヴェルスパ大分)


柳ヶ浦高

・キム・ビョンボム(FC琉球)

出場時間なし



雑感

高卒入団1年目から試合に絡むのは、やはり厳しいというのが率直な感想。

ただ、U-23を所持しているクラブの選手は、一年目から多くの試合に絡めている。

公式戦に出れないよりは出た方がいい。

特に若い時期は、公式戦を経験すればするほど成長できる時期なだけに「1年目だから出れなくてもしょうがないか。」と思わずに出れるように努力しなければいけないし、出るのが厳しいなら移籍も考えないといけない。

これについては、フロント側もしっかりと考えてほしい。

加入させてからの即レンタルがもっと増えていいと思う。

ここで、湘南ベルマーレの監督であるチョウさんがホッフェンハイムvsライプツィヒの解説をしていたときに言っていた言葉を紹介したい。

「(ホッフェンハイムのガイガー(19歳)を観ながら)日本には若手には結果の責任を負わせずに、ベテランや中堅が負うみたいな風潮があるけど、こっちだと10代にして選手が背負ってるもんね。」

そして、最近出た山田直樹のインタビュー記事からも抜粋。

「湘南の3年間で一番学んだのは、チームを勝たせる責任を負ってプレーさせてもらって、勝ちに対する貪欲さを持ってチームを引っ張ること。やっとプロのサッカー選手として勝つためにサッカーができるようになったので、そこを見てもらえたら。

していいプレー、してはいけないプレー、ミスではないけどチームにとってマイナスのプレーがあるとか、そういう目に見えない部分をすごく曹(貴裁)さんは教えてくれる監督だった。これはミスじゃないけど、俺にとってミスだと。

(浦和では)それに気づいていなかったですし、上の選手たちがたくさんいて、自分はまだ若手という感覚もあって、チームを引っ張るとかそういうことは考えずにプレーしていた。今になってみると、上の選手たちはこういう責任を負ってプレーしていたんだと、申し訳なかったなという気持ちもあります。寡黙な先輩たちでもあったので、なかなか言葉で表現してくれなかったですけどね」(記事より引用)

19歳にして結果について責任を背負っているガイガー。

27歳にして、そのことの大切さに気付いた山田直樹。

経験が少ない若手を助けるために先輩が負担を軽くしてあげることは悪いことではないと思う。

しかし、そのことと結果について責任を背負わせないことがイコールなのかといったら、それも違うように思う。

J1のクラブでやっていた方がチームの競争相手や対戦相手のレベルは高い。

しかし、練習でいかに厳しい環境に身を置いても、試合に出れないと飛躍するのは難しい。

J1でレベルの高い練習はしているけど、試合に出れないのなら、J2やJ3でレギュラーとしての地位を築いて、結果の責任を背負いながらプレーした方が飛躍的に成長できると思う。

今回データをまとめていて、U-23のクラブを所持しているクラブは、確かに出場機会は多かった。

しかし、私がそこで単純にいいことだと思えないのは、U-23で先ほどから言っているような責任を背負えるのかということ。

公式戦の経験は確かに積める。

積めているけど、積んでるだけで、その質はどうなの?と思ってしまうのである。

U-23の選手たちの目標は、あくまでトップに上がること。

もちろんチームを勝たせようと思っているだろうけど、U-23以外のクラブほど本気になれるかといったら、疑問に思ってしまう。

U-23は始動したばかりなので、その存在がいい悪いの判断はまだできない。

今年、来年あたりにU-23で経験を積んだ選手がトップで何人か絡むようになるのか、U-23にいるより他のクラブでやりたいという選手が現れたときにどう対応するのか、トップに上がれずに他クラブに移籍する選手がどれほどの人数になるのか。

U-23については、所属選手たちのキャリアをもう少し見届けてから、判断する必要がある。

杉岡や岩崎は、J2のクラブで主力として30試合以上に絡んだ。

一方、出場機会なしに終わった選手もいる。

どの選手もユース年代まではちやほやされた存在であっただろう。

外野もその世代でのスター選手として持ち上げようとしてくるだろう。

しかし、選手本人、監督、コーチ、そして親といった身近な関係の人たちは、どうか落ち着いて将来を考えてほしい。

最近では、出場機会に第一に考える選手も増えてきて、大変いい傾向ではあるが、全員がそうかというそうでもないと思う。

もし、プロを目指しているユース以下の年代の選手がこの記事を読んだら、今回まとめた高卒1年目の選手たちの状況を見て、少しでも参考になればいいなと思います。

一番最初のクラブ選びはすごい大事です。

いい監督、コーチ、選手に出会えるかというのは、結構運に左右される部分でもあるけど、入団を決断する前にやれることはすべてやっておいた方がいい。

選手だけでそれを判断できる人は少ないと思うので、それを大人がきっちりサポートできる環境が整えばいいなと思います。

それでは。

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