日本vsトルクメニスタン

とうとう始まったアジアカップ。

特にレビュー書こうとかは思ってなかったけど、なんか失点シーンについていろいろな意見が出ていたようなので、個人的な見解は残してもいいかと思った。

なので、今回は失点シーンのみ触れていきます。


ロティーナ曰く、失点には3種類あるらしい。

避けることのできない失点(例:ゴラッソ)

ヒューマンエラーによる失点(例:GKのパンチングミス、CBのクリアミス)

避けることのできる失点(例:ポジショニングミス、カバーリングの遅れなどに起因するもので、守備の戦術コンセプトを知っていれば、実行していれば避けられたゴール)

これを頭に入れた上で、失点シーンを振り返りたい。


1失点目:本当に権田のミスなのか?

(失点シーン:31:41~)

失点シーンのシュートが遠いことと、権田がボールに触れていることから「これは止められたシュートなんじゃないの?」となったように思う。

私個人の意見としては、このシュートがゴラッソなのかという微妙なところだと思う(すごいシュートではあるが)。

止めることが不可能なシュートではないと思うので、権田の責任がないかといえば「NO」だと思う。

しかし、この失点における権田の責任は重いかといえば「NO」だと思う。

今回の失点は、ヒューマンエラーによる失点と避けることのできた失点の要素が重なって起きたものだと思う。

その理由を説明していきます。

まず失点のきっかけとなるのは堂安のパスミスからです(ヒューマンエラー)。

しかし、このミスはあくまで敵陣ゴール前であり、相手にボールが渡った地点もアタッキングサードとミドルサードのちょうど中間あたりなことと、日本とトルクメニスタンの個の質の差を考えれば、このミスが失点に大きく関わっているかというとそうではないと思います。

一番の問題はこのときの最終ラインのポジショニングだと思います。

映像だと全員映らないので、推測するとたぶんこんな感じ。

なぜ、これほどまで2列目と最終ラインとの間にスペースがあるのか?

選手の質で上回り、かつ数的有利なのになぜ撤退するという選択をしたのか(この地点でなぜ誰もボールホルダーにアタックしなかったのか)?

本来ならここで余裕をもって潰せていたのではと思います。

ゴールをすることになる7番が最初にボールを受けてから

シュートするまでボールホルダーにプレッシャーをかけることは皆無でした。

たぶん、これは単純にトルクメニスタンの選手のことを甘く見ていたのだと思います。

ソンフンミンがだったら、誰かが死ぬ気でプレッシャーかけていたはずです。

ただ、25分過ぎなので、トルクメニスタンが弱い相手ではないということはピッチ上で感じていたと思うので、このプレーは本当に反省しないといけないプレーだったと思います(勝って反省できてよかった)。


2失点目:PKを与えた権田に責任はあるのか?

(2失点目:1:40:26~)

これまた権田が目立つ失点シーン。

1失点目同様権田の責任が全くないかといったら、「NO」だと思う(責任はないという人がいても不思議じゃないくらいのグレーなところ)。

ただ、1失点目よりも責任の重さはさらに軽いと思う。

「こうすれば止めれたんじゃ?」と個人の反省が必要なくらいのことで「1対1止めろよ!何やっとんじゃ!!」みたいなことではないプレーです。

そもそも、1本のパスでミドルサードから、一番危険な中央のレーンでのスルーパスを許し、権田と1対1の状況にしたことの方が1万倍ほど責任が重いです。

それではプレーを振り返っていきましょう。

スローインでリスタートし、北川に渡りました。

ここで北川はターンをしようとするのですが、相手が後ろから来ていることに気づかず、相手とぶつかってしまいます。

ぶつかりながらも一時はキープすることに成功しましたが、カバーに入っていた相手を外そうとしているうちにもう一人ヘルプに来てしまい、ボールは奪われてしまいました。

この一連の流れは、北川のミスかなと思いました(ヒューマンエラー)。

ターンをしたときも、決して四方八方囲まれているわけではなく、ボールを受ける前に周りの状況を確認していれば、全く問題なく対処できたのではないかと思いました。

さて、一番の問題はこの後です。

これは先ほどの画像と同じなのですが、何がまずいって、一番危険な中央のレーンでゴール前へスルーパスを許したこと。

ディフェンダーが揃っている状態でミドルサードから一発のスルーパスで中央を破られるというのはそうあることじゃないです。

先ほどの画像を図にするとこんな感じ。

こう破られたわけです。

で、このシーンを観たときに「気の利くところに常にポジションをとれる中盤がほしい...」となったわけです。

すごい初歩的なことなのですが、どこを守っているのかという話になります。

もちろん守っているのはゴールです。

ただ、柴崎の動きを見ていると、どうもその意識は感じられない。

この時点で絞っても遅いので、北川がボールを受けた段階で絞っておかないといけなかったと思う。

なぜかというと、攻撃をしている際も守備を考えておかないといけないからだ(その逆もしかり)。

どこにいることが相手にとって一番嫌なのか。

今回だと、それは人でなくスペースを埋めることでした。

ここにいればスルーパスを出された可能性は低いと思う。

柴崎がマークしていた選手の近くには吉田がいるため、問題ない。

今回のように守備時に「そこにいてよー」というところにいない中盤の選手が日本人には多い(というかほとんど)。

未だにゾーンディフェンスが全国的に普及しないことも関係があるのだろう。

(槙野についても書こうと思ったがライターの清水さんが書いていたので、省略します。ちなみに柴崎についても私とほぼ同意見なのだけど、こちらは個人的に書いておきたいと思ったので書きました。)


雑感

決まったテレビ以外ほとんど見ることもなくなり、テレビで失点シーンについてどんなことを言われたのかはわからない。

ただ、ネットだと「権田なにしてんの?」みたいな意見もあるようで、それはいくらなんでもないだろうと思い今回の記事を書きました。

先ほども書きましたが、どちらの失点も責任が0とは思わないけど、周りがワーワー騒ぐほどの責任は権田にない失点だったなと思います。

サッカーは振り返るとどうしてもたらればで語れてしまうところがある。

1失点目でいえば、「もっと早く反応していれば弾けたのでは?」とか暴論だと「クルトワなら止めていた」みたいなやつです。

今回の失点について議論するのであれば、権田のところより前の部分で議論しないと意味がないです。

そして、解説者やテレビによく出る元プロサッカー選手はそういうところに言及できるようにならないと、権田やロシアの川島のようなGK叩きはなくならないでしょう。

しつこいですが、権田の責任が0だと全く思いません。

でも、責任に対しての議論が健全でないなと思いました。

それでは。

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余談

磐田の伊藤洋輝が名古屋に移籍しました。

サイズがあり、キックも上手で非常にポテンシャルの高い選手です。

彼こそが今後の日本代表の中盤を支える。

そのためには中盤のポジショニングをガッツリと指導してくれる監督に早く出会わなければいけない(名波さんでは学べない)。

そう思っていたら、風間さんの下にいってしまいました。

残念です。

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