意味無し芳一
師「芳一、お前は鬼に魅入られてしまった。お経を書かなければお前はあの世へ連れ去られてしまうだろう。鬼の目に映らぬようにお経を書いてやるからじっとしていなさい。大丈夫だ、すぐ終わる。」
芳一「いやです」
師「どれどれ…え?」
芳一「いやです」
師「え?いや芳一、お前、書かなければあの世へ行ってしまうんだぞ?」
芳一「いやですよ、めんどいし」
師「めんどい?」
芳一「あと肌荒れそうじゃないですか」
師「肌荒れ!?そんなもの気にしておる場合か!?」
芳一「これでいいじゃないですかぁ」
芳一 お経を書いた雨合羽を着る
師「いや…確かに全身覆えておるが」
芳一「やっぱ世の中コスパとタイパですから」
師「お前、本当にわしの知っている芳一か?」
芳一「もち」
翌日
芳一は件の雨合羽を着て、縁側に座っている
鬼「芳一…芳一…お前の琵琶の音を聴かせておくれ…芳一…どこだ」
芳一「…あっつ!!蒸れるわ!」
雨合羽を脱ぎ捨てる芳一
鬼「あ」
芳一「あ」
鬼「…」
芳一(琵琶を無言で取り出し、演奏を始める)
鬼「ああ無理無理」