NovelJam2019' 参戦記⑨
2019年12月19日。11月2~3日に行われたNovelJamのグランプリアワードが開催されました。いつものとおり、アイコンがわりにギターを背負って、三鷹の地に降り立ちます。1階で仲俣さんと式さんと出会い、産業会館7階までエレベータにのります。
「今回って仲俣さんの役割は何だったんですか?」
「んーとね、先達としてのアドバイザー的な」なるほど
7階会場はまだ準備中だったので、先についていたふくださん、もりたさんと談笑しつつ待ちます。式さんは体調不良をおして来たらしく、ソファーで死んでいました。高井ホアンさんがいちばんのりだったようです。
さて、開場します。
フェローズのひとり、ほさかさんにチェックイン確認してもらい入場。
いつも以上にシズル感あふれるロゴ! S太郎さんのお仕事でしょうか。見事!
平日木曜の18時半スタートin三鷹ということで来場者もなかなか集まりづらい条件でしたが、どんどんと参加者が増えてまいり、波野Pの司会でアワードがスタートします。
いつもですと、飲食するのは最後の懇親会からなのですが、今回は、まず乾杯からしましょう、とのことではじめから飲食開始モードです。個人的にはほどよくリラックスできるし、交流できるのでよかったかなと思います(チームEの編集片塚さんから裏話きいたりとか、ホアンさんの著書見せてもらったりとか)。一方交流に集中しすぎて、話や大事なシーンを見落とす、ということもありましたが、一長一短。
今回本大会中は「ギターが弾けないなら現地で描かないぞ!」(後述の有料ページでいろいろ裏話をします)というスタイルだったので、今回会場ではじめましての人ばかりでした。リピーター組には「まいど~」くらいな感じでしたが。チームメイトのP.Katoさん、森きいこさん、こばじさんともはじめまして、でした。みなさんYoutube越しで見るよりもまじでチャーミングでした。
まずは「NovelJam2019'振り返り」からスライドとともにスタートします。
みんなでいろいろやってきたなあ、と、しみじみします。大会当日二日間だけでも、完走するにはメチャクチャ大変でしたが、そこから約1か月半のロングダートがありました。いや、ロングダートなんて道なんぞなく、荒野が広がっていた感じですね。
チームKOSMOS(チームC)はフィクサー兼フロントラインのP.katoさんを筆頭に、「いわゆるいままでの当日賞である個人賞、優秀賞、最優秀賞は狙わずに、GPを目指す!」をスローガンに(いいだしっぺはきいこ女王)走りました。
もちろん当日の作品も全力でがんばりましたが、その作品を起点として、さまざまな活動を効率よく、そして「楽しく」とりくみました。
P.Katoさんとわたしの思想が(音楽性含め)たいへんフィットしておりまして(フィットしてくれまして)、すげーやりやすかったです。なにをやってきたのかは過去の参戦記をご覧いただくとして、「楽しくないことはいっさいやるな」とキッチリ言い切るP.Katoさんがオトコマエでした。怖いけど。たしかにおっしゃるとおりで、すべての表現は創る当人たちが最も楽しんでこそ、ユーザーの心に届くと思います。まさに真理。どんなにうまくても、つまんなそーに弾くギタリストはステージから降りろよ、ということです。
さて、表彰がはじまります。
まずは「米光一成賞」
『多頭少女(左から三番目)の憂鬱』
著者:式さん
編集者:ふくだりょうこ
デザイナー:岸端優奈
(チームI:くま式)
式さんは前述のとおり死んでおり、壇上でも死んでおりました。しかし、一方で細やかな議事録をアワード中につぶやいており、タフでいいひとだなと思いました(死んでるけど)。多頭少女については、たいへん内容的にも視点的にもおもしろく、なんらかの賞は獲るだろうと思っていたので納得です。おめでとうございます
二作品目内藤みか賞
『We’re Men’s Dream』
著者:澤俊之
編集者:加藤晃生
デザイナー:こばじ
(チームC:KOSMOS)
は? だれそれ? 前回NovelJam2018秋で「鈴木みそ賞」をいただいた時とおんなじぐらいのサプライズにおそわれます。サプライズだよね? いえ、サプライズではなく現実でした。すみません、わたしです。
個人賞はぜったいにないと思っていたのですが(前回も)ありました。
望外のご評価、とてもうれしかったです。主に女性向けの作品を注視していると思われる(女性陣も内藤みか賞を狙っている)内藤みか先生に男子として表彰されたのはわたしが初ではないでしょうか。NovelJam 2018では渡鳥右子さんの『味噌汁とパン・オ・ショコラ』。NovelJam 2018秋では最堂四期さんの『みんな釘のせいだ』でした。
まず著者参加三回目の古参として、貴重な個人賞のチャンスを新規参入の方から奪ってしまったことについて申し訳なさが先行しました。たいへん失礼な考え方なのですが、しょうがないです、人間だもの。ただ、一方で受賞するというのはいろんなメッセージが込められているのも知っております。
「映像化楽しみにしてます!」「はい! ありがとうございます!」
要するにあらたな責任が生じる訳です。賞とはたたえるものでありながら、また、ひとつの結果なのですが、なにかのスタートラインに強制的に乗っけられるという側面もあるのです。がんばります。書面にはしません
三作品目
小浜徹也賞
『絶対にはじめから二度読む恋愛小説』
著者:原里実
編集者:川崎昌平
デザイナー:藤沢チヒロ
(チームA:漂流社 三鷹編集局)
きました。実験作品。これは思いついても絶対に自分にはできない作品です。漂流社 三鷹編集局は特別チーム賞もダブル受賞するのですが、作品にとどまらず実験的な試みを実践していて、とてもアイデアにあふれておりました。たのもしいです。おめでとうございます
四作品目
有田真代賞
『失せものは夕凪に』
著者:戸森くま
編集者:ふくだりょうこ
デザイナー:岸端優奈
(チームI:くま式)
こちらもすばらしい作品でした。ミステリ? と思わせてファンタジー? いやハートウォーミングな家族もの? と読んでいてはらはらしました。が、読後感もオチのひとこともとてもよく、表紙もすばらしかったです。おめでとうございます
五作品目
藤井太洋賞
『キボウの村』
著者:おおくままなみ
編集者:片塚垂帆
デザイナー:なかじまひろみ
(チームE:Eヨ)
きました。例の「ふたつでひとつの表紙」。仮面ライダーWのフィリップと左です。ホアンさんの「キノウの村」も「つづく」で終わっていたので、今後この作品(等)が、どのように絡んでいくのかが楽しみです。世界観も想像しやすく読みやすかったです。そこはかとなくロシア文学の薫りがしました。おめでとうございます
さて優秀賞はありませんでした。
そして最優秀賞!
『ふれる』
著者:紀野しずく
編集者:つきぬけ
デザイナー:nao
(チームF:ゆきどけなしずく)
きました。泣けるやつ。わがチームKOSMOSのP.Katoさんが大会当日から「最優秀賞はぜったいコレ」と予言していました。おそろしい。内容としては血肉が通っているもので、文体もたいへんきれいで素晴らしい作品でした。おめでとうございます
そしてデザイナ賞。今回は数多くの作品が受賞されました。
とてもいいことだと思います。回を重ねるごとに表紙やその他装丁デザインのレベルが上がっていて、そこらの商業作品よりもはるかに出来がいいと思っています。
優秀デザイン賞
『人狼ファルファッレの最期』
デザイナー:新月ゆき
著者:琴柱遥
編集者:くぬぎ
(チームD:奪取)
うつくしくもステキなイラストでした。いちばん幻想感を感じました。おめでとうございます
『失せものは夕凪に』
デザイナー:岸端優奈
著者:戸森くま
編集者:ふくだりょうこ
(チームI:くま式)
これはデザイン賞獲れると思っていました。おめでとうございます
『スワンプガール』
デザイナー:mori_______
著者2:霞弥佳2
編集者:大里耕平
(チームH:ばらばらQP人形)
文芸感あふれるデザインで、内容ともマッチしておりすばらしかったです。おめでとうございます
長瀬浩明賞
『バラの棘に憧れて』
デザイナー:nao
著者:柳田知雪
編集者:つきぬけ
(チームF:ゆきどけなしずく)
印象的な作品タイトルを見事に絵で表現できていたと思います。おめでとうございます
山家由希賞
『気配』
デザイナー:fmyk
著者2:Saaara
編集者:柿崎俊道
(チームK:NVJ チームK)
こちらも文芸感あふれる表紙だったと思います。個人的にはすげー計算されているなと感じました。おめでとうございます
和氣正幸賞『キボウの村』/『キノウの村』
デザイナー:なかじまひろみ
著者:おおくままなみ(『キボウの村』)
著者:髙井ホアン(『キノウの村』)
編集者:片塚垂帆
(チームE:Eヨ)
はい、これが獲れないはずはないと思っていました。どこかで述べたかと思いますが「やられた」としか思えなかったです。おめでとうございます
特別チーム賞 ※ダブル受賞
漂流社 三鷹編集局
・編集者:川崎昌平
・著者:加茂野もか『変な女の書いた101行の小説』
・著者:原里実 『絶対にはじめから二度読む恋愛小説』
・デザイナー:藤沢チヒロ
もはやNJには欠かせない古豪チヒロさん。デザイナの枠にとどまらず、八面六臂の活躍。作品と直接関係ありませんが、かいがいしく審査員の方々へ飲み物や食べ物を供給する、などの気配りっぷりな姿が美しかったです。おめでとうございます
グッドデザイナー賞こばじ
(チームC:KOSMOS)
『We’re Men’s Dream』(著者:澤俊之)
『天籟日記』(著者:森きいこ)
われらがこばじ神。獲りました。おめでとうございます。かしこみ~
デザイン奨励賞ハセガワ
(チームJ:モノクロラジオ)
『輪が廻る』(著者:篠田すみれ)
個人的にはこの表紙がいちばん好きです。タイポの使い方を見て、やべえ、天才がここにもいる、と思いました。おめでとうございます
さて、思っていたより長くなってきてしまったので、有料記事含むGP総括については次回描きます。
そんなわけでつづく
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