ハリルホジッチ会見で明らかになった問題の人のこと
会見を終えて、明らかになったことが、いくつかあった。でも、もうたくさんの人が、新しい事実や予想などを書いてしまっているだろう。
だから、おそらくみんな忘れてしまっていることを、ここに少し書こうと思う。
ブラジル大会の結果は惨敗だった。
もう記憶の彼方にうっすらとしかないけれど。
ハメス・ロドリゲスが笑顔で日本車に乗っていた映像の方がまだ記憶に残っているかもしれない。
期待も大きかっただけに、余計にひどい負け方だった。
でも、もう思い出せない。
サッカー関係者だけでなく、サポーターまでもが、このままではいけない、変わらなければと思った。そのぐらいの衝撃的な負けだったはずなのに。
思わなかっただろうか。次のワールド杯まであと4年。この悔しさを忘れてはいけないと。新しい1歩を踏み出さなければと。
けれど、僕はずっと忘れていた。1歩踏み出したつもりだったけど、まったく進んでいなかったことにも気付かなかった。
ハリルホジッチが解任されてしまったのはその結果だと思っている。
なぜあのとき声をあげなかったのか。ずっと後悔している。
みんな気付いていたはず。日本サッカー協会がただの役立たずだと言うことを。その中には責任を取らずに逃げ回っているやつがいることを。
ある人は次のように言った。
「どんな企業でも10億円規模の事業を企画して実行すれば、その結果を分析して公表するのが普通なのですが、残念ながらJFAはまったくそれをしていません。現時点ではっきり言えることは『何も残らず、10億円は無駄金だった』ということと、その責任を誰も取らなかったという事実だけです。」
この発言はマスコミやジャーナリストのものではありません。
発言者は岡野俊一郎、元サッカー協会会長です。
その責任を取らなかった人がいまや会長になり、この訳のわからない騒動を引き起こしている。岡野さんは空の上でどのように思っているでしょうか。
岡野さんはハリルホジッチも高く評価していました。デスクを要求した監督は初めてで、その姿勢は高く評価出来ると。技術委員会はなぜ今まで提案しなかったのかと。分け隔てなくひとつのテーブルで食事をしたりしながら、チームマネジメントをしようとしていることなどをあげ、大陸系の監督として大いに期待をしていることが分かります。
ハリルホジッチ会見で明らかになった問題点の全ては既にこの4年前に顕在化していました。岡野さんの遺言とも言うべきこの記事が証拠です。
それを放置したのは、僕たちの責任だと思います。
それをただ書きたかった。ハリルごめんなさい。ただそれだけです。
発言内容は以下から引用しました。まだAmazonでも読めます。号数と見出しだけ抜粋しました。岡野さんの遺言、読んでみてください。
■サッカー批評1号
選手が錯覚していたのが日本代表の問題だった
日本人のメンタリティーをアギーレは理解して欲しい
ザッケローニのチームはマネージメント
不足だった
9月の代表戦をうんぬんする意味はない
いまこそ考え直す必要がある『JFA2005年宣言』
大仁会長の任期は残り2年 後任の人材育成が急務
技術委員会は代表OBの意見を反映させていくべき
■サッカー批評2号
U-16の試合を見て唖然 ここから代表選手は育たない
メディアは選手の問題点を躊躇なく指摘すべき
役員報酬の慣例化はJFA会長時代の反省点
JFAの問題解決に向けて大仁会長は早急な改革を
日本には友達がいないから国際団体の役員を出せない
■サッカー批評4号
分析があまりにも表面的なW杯『テクニカルレポート』
問題点を明らかにし、改善策を提示するのが技術委員会の仕事
会長が会見で頭を下げた事実を理事や委員は重く受け止めるべき
JFAの理事会と技術委員会は規約通りの運営がされているのか
技術委員会がやるべき仕事は代表監督選びだけではない
■サッカー批評5号
代表監督選任の理由が十分に説明されていない
今後への期待を抱かせるハリルホジッチの情熱
3月にJFAを訪問し幹部と会談の機会を設けた