コックピット設計1(SIMCUBE2対応版)
レースシミュレータ用アルミフレーム製コックピットを設計しました。いくつかのパターンで設計をして、十分な性能を確保し、効率よくカスタマイズ可能な設計を模索します。
今回は、私がいずれ手に入れたいと考えている SIMCUBE 2 Sport と Sim Pedals Sprint の性能を十分に発揮できる設計を目指します。
※この設計は実際に組み上げて検証したものではありません。参考にされる際は、注意ください。
対応機種
ハンコン:SIMCUBE 2 Sport
ペダル:Sim Pedals Sprint
※ステアリングベースを交換することで、Fanatec podium DD1、Club Sport、Logitech、Thrustmaster、AccuForce等のハンコンを取り付けることが可能です。
※ペダルは、Sim Pedals Sprint 以外はそのまま装着することはできません。
設計方針
・SIMCUBE 2 Sport と Sim Pedals Sprint の性能を十分に発揮できる
・剛性を優先
・後で補強が簡単にできる
・画面部分は含めない
・40×40、40×80のアルミフレーム(HFS標準)を組み合わせる
・後入れダブルジョイント(QCジョイント)を積極的に使用
設計環境
・MISUMI-VONAのアルミフレーム設計ソフト「MISUMI FRAMES」(ダウンロード無料)を使用
各部名称
※名前がないと説明しにくいので勝手にそれらしい名前をつけました。
ベースフレーム
全体の土台となる部分。40×80のアルミフレームで、全長1400mm全幅600mm。ラダー構造です。主に後入れダブルジョイント(QCジョイント)で接合します。
※ステアリンタワー部のみ全幅680mmとなります。
ステアリングタワー
ステアリングベースを取り付ける部分。40×80のアルミフレーム。高さ700mmです。強い力を発生させるステアリングを支えるので特に剛性が必要です。ベースフレームの外側に取り付け、内側に水平方向の補強を取り付けることにより、横方向の力に強い構造となっています。
ステアリングベース
ステアリングを取り付ける部分。ステアリングを直接取り付けるので特に剛性が必要です。40×80のアルミフレームでステアリングタワーを結合、その中央部分に40×40を前後方向に取り付け、ステアリングの強固な土台としました。SIMCUBEの取付には、別途 SIM LAB「Servo motor holder – Adjustable version」を使用します。
※角度調整は「Servo motor holder – Adjustable version」で行います。
※ステアリングベースは、SIM LAB の600mm幅の各種ステアリングベースと差し替え可能。
ペダルベース
ペダルを取り付ける部分。40×40と40×80のアルミフレームを後入れダブルジョイント(QCジョイント)で直接ベースフレームに取り付けます。前と中央のフレームには、 Sim Pedals Sprint を直接取り付けます。中央と後ろのフレームには、5mm厚のアルミ板を取り付け、ヒールプレートとします。角度調整は Sim Pedals Sprint 側で行います。
アルミ板は MISUMI-VONA でオーダーできます。大きさ、穴の位置、皿ねじ穴が指定でき、約7,000円で手に入ります。ボルト、ナット等も同じように注文できます。
※ Sim Pedals Sprint の取付にはM5のボルト、ナット等が必要です。
シートベース
シートを取り付ける部分。40×80のアルミフレームをベースフレームにシートレールとシートブラケット、バケットシートを取り付けます。頻繁に位置を調整しない場合はシートレールは不要です。
※別途アルミフレーム用のナットが必要です。
各部サイズ
パーツリスト
ここまでで、参考価格45,050円
上記リストのほかに必要なもの (2020年8月現在の参考価格)
・ステアリング取付金具
SIM LAB[Servo motor holder – Adjustable version]€ 39.00
対応:SimuCube 2、Mige 130ST、Bodnar Sim Steering System
・ヒールプレート(アルミ板)、ボルト、ナット
アルミ板(518x160x5mm 6皿穴M8)
[PAAL6H-518-160-5-F240-G120-P8]6,970円
※下のリンクは、アルミパネルのサイズ、穴あけ指定済み
皿ボルト(M8 12mm)[SHFBS8-12]6個 600円
先入れナット (M8)[HNTT8-8]6個 222円
・ペダル取付ボルト、ナット
座金組込み六角穴付ボルト[HCBST5-12]12個 480円
先入れナット (M5)[HNTT8-5]12個 444円
・シートレール(なくてもよい)
SIM LAB[Sparco seat slider] € 39.00(代替可能)
先入れナット (M8)[HNTT8-8]4個 148円
・シートブラケット
SIM LAB[Bucket seat bracket set](ボルト、ナット付)€ 39.00(代替可能)
・バケットシート
お好きなものをご用意ください。
カスタマイズ
・ステアリングベースは、SIM LAB の600mm幅の各種ステアリングベースと差し替え可能。
[Front mounting bracket set]€ 119.00
対応:SimuCube 2、Fanatec CSW、他
[Wheel deck Bracket]€ 99.00
対応:Fanatec Club Sport、Logitech、Thrustmaster、AccuForce
[Fanatec DD Podium mounting bracket (P1-X)]€ 79.00
対応:Fanatec podium DD1
※詳細な対応状況は、SIM LAB ウェブページでご確認ください。
まとめ
今回は、SIMCUBE 2 Sport と Sim Pedals Sprint の性能を十分に発揮できることに主眼を置き、できるだけ単純な構造を心掛け、ステアリング周辺を中心に剛性を確保した設計としました。角度調整などは本体や専用マウントで行う形としました。
次回は、今回の設計をベースに、角度調整機能を持たないペダルへの対応を考慮した設計を考えていきたいと思います。
この記事についてアドバイスをくださる方、疑問、質問のある方は、TwitterでDMをいただけましたらありがたいです。
以上、ありがとうございました。
FAQ
Q:後入れダブルジョイント(QCジョイント)を積極的に使用するのはなぜですか?
A:L型ブラケットに比べ、フレームの密着性が高い
両側にL型ブラケットを取り付けた場合に近いモーメント荷重に耐える
省スペースで取付が容易
フレームに加工が必要なため後から取り付けることができない
強度不足の場合、L型ブラケット追加することができる