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或るゴリラの話 後編

Hello! I'm gorilla.I'm gorilla in the sky.Are you gorilla or people?

近頃ゴリ活なるものが流行しているのは周知の事実だろう。
巷の女は、ゴリラのたくましさったらないワ、という具合にゴリ夢中状態なのである。ゴリラの腕にぶら下がって街中を闊歩することは女のステータスとも言えた。
ある大安の日、ゴリラの元に青年がやってきてこう捲し立てた。
「お師匠さん、お頼み申す。どうか、どうか、私めにモテテクを伝授してはくれませぬか」
彼は不幸にも人間であった。
「ウホ」
どんと来い、という意味でゴリラは胸をひと叩きした。すると青年が聞き齧ったゴリラ語で、
「ウヒホッ」
と返答した。“深く感謝申し上げます”の意で使ったつもりが、ウヒホッの微妙な発音間違いにより「このクソブタゴリラめが」と異なった意味で伝わってしまった。
しかし心の広いゴリラは怒らなかった。自らの新人ゴリラ時代を思えば、似たようなミステイクはいくらでもあったからだ。
ゴリラはコラッ、と笑いながら軽い気持ちで青年にデコピンを喰らわせた。ゴリラは己の力(ひとウホ=100t)を見誤り、青年のでこを陥没させてしまった。彼は2日後に死んだ。
ゴリラはゴリラ詰所に収監され、悪党ゴリラとして生きざるを得なくなってしまった。
両手にメスゴリラ抱き、そのフェロモンに国中のゴリラ及び人間が卒倒していたウホウホな生活は、もう戻ってこないのであった。

ハマショーの『MONEY』がすきです。