4月19日

熱ぎゅいーん。鼻ずびっ。喉からから。
インフルではなかっただけマシなのだろうか。いや、インフルであった方がきちんとした理由を持って会社を休めたからよかったのかもしれない。
これを運がいいと捉えるかどうか、それは松下幸之助にも分からないのである。

職場によく風邪を引く男の子がいる。
もっさりとした覇気のない子で、2ヶ月に1回くらいのペースで引いている。
自分は同じ部門なのでよく顔を合わせるし、たまにお昼を一緒に食べたり帰りの電車が一緒になる。特に仲がいいわけでもないのだが、彼はこれでもかというタイミングで、風邪をうつしてくる。
旅行前、試験前、ライブ前、飲み会……。
正直数えられないほどだ。
悪気はないと分かっている。だからこそ余計にタチが悪いのだ。
こんなことで人を責めてはいけない。そんな心の狭い人間になっちゃあいけない。
だけどもだっけぇど、だ。
対策はばっちりしている。手洗いうがい、マスク、加湿器、ビタミンC、R-1ヨーグルト、体幹トレーニング、水をよく飲む、早寝早起き、定期的に耳鼻咽喉科に行く、など。
しかしヤツの菌は凄まじく、それを飛び越えてやってくる。こんなに毎回うつされたのではもう、血の繋がりを疑ってしまう。遺伝子レベルの話である。だが自分から彼にうつったことはなく、これまた腹立ちポイントの1つだ。なんなん、この片思い的な、一方通行の感じ。
「体調悪そうですけど大丈夫ですか?」
呑気そうにきょとん顔で尋ねられると、スペシャルローリングサンダーをかましたい気分になる。

お前のせいじゃ、ボケ!!!!!!

                                                                               自分はおそらく、よく風邪を引くヤツというレッテルを貼られている。
もうたくさんだ。
朝目が覚めたら、菌が金になり、恵みの雨が降るよう祈るばかりだ。

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北村らすく
ハマショーの『MONEY』がすきです。