生真面目チューリップ
「全員黙れ!私が一番!彼のことを!好きなんだ!」
静まる教室。
「ごめん、俺はあんたに興味持てない」
「え……」
流川似の好きピにふられた16時13分。
私は5分後、8万円するチューリップ型のコップを買っていた。しかもペアのやつ。
誰と使うん。
右耳のピアスホールに50円玉をぶち込んで、横浜のジャズ喫茶へ出掛けた。
気晴らしは人類の特権。
先週行った偽健康センターでセルフ洗脳をかけてからというもの、チャーハン娘(長女)としての生活を余儀なくされている。
デュポンのライターを鳴らして、
ケーキの蝋燭に火をつける。
「陰謀論に沈んだ髭もじゃを救いタイガー」
「ツッコミタイガー」
「ガーマルチョバ」
「チョリソー」
「しめ鯖」
「何故」
取り止めのない話。
空想遊びが好きな私にとって、未来への衝動は突然やってくる。
他人を否定するエネルギーが私にはない。
肯定する勇気もない。
私は私を肯定できない!
「コロナがある。戦争がある。だけど嬉しいこともあったんだよ。ここに集まったじゃない、あなた方。それが嬉しいんじゃない。集まって盛り上がってるのが嬉しいんじゃないよ。あなた方が生まれてきたことが嬉しいんだーーー」
脳内を駆け巡るドーパミンが訴えかけた、
答え。舞う花束。きみとぼく。
サンボマスターボーカルのツイートは、しっかり本人の声で再生されるから不思議だ。
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