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対策することは目標でありモチベである

最近は運動不足解消のためにダンスダンスレボリューション(以下、DDR)を遊んでいます。ごらんのすですこんにちは。
もちろん全然高難易度には歯が立たないので、ほどほどの難易度(12くらい)でエンジョイプレイしてます。だいぶ歳を重ねてしまったので動きにキレなんかはまったくありませんが、プレイを重ねることで上手くなっているのを実感できるのは楽しいものです。

さて、先日Twitterでソロコンテンツに対するぼやきのようなものを書いてみました。内容はこんな感じ。

今あるソロコンテンツが、私の求めているものとはちょっと違うよねぇ、という趣旨ではあるのですが、、、じゃあ求めているソロコンテンツってどんなものなのよ、と。
仮に、仮にですよ。運営側が私の発言をくみ取ってくれて絆魂ハードの続きが実装されたとしたとしましょう。するとたぶん私は文句言うんじゃないかなと思いますw
こんなの実装した側からすると不条理極まりない。絆魂ハードが楽しかったといわれたから続きを作ったのに、結局文句言うんかーい、ってw

大切なのはどのコンテンツが面白かったのかということよりも、なぜそのコンテンツが面白かったのかだと思うわけです。そこを理解しないでうわべだけくみ取っても、いわゆる「顧客が本当に欲しかったもの」状態になるしかないよね。

有名なアレ

で、話は冒頭のDDRに戻ります。DDRで絶賛開催中のイベントであるBABY-LON'S GALAXY。これがDDR初心者に毛が生えた程度の私にとってはとても面白かったわけです。
音ゲーってひとりで黙々とプレイするのが基本なので、ソロコンテンツと通じるところ多いよね。というわけで、なんでBABY-LON'S GALAXYが面白いと感じたのか。今日はそれを考えてみることにします。

アシュテとDDR、おそらく両方をプレイしている人なんてものすごーく狭いので需要がどこにあるんだよ、と言われたらそりゃまあそうなんですが。
いいんだよ書きたいから書くんだよ!

What's BABY-LON'S GALAXY?

そもそもDDRについて。DDRは1998年に登場したコナミの音楽ゲーム(いわゆる音ゲー)です。当時はそこそこ人気があった(と思う)ので、いまの30代、40代の人なら一度くらいはプレイしたことあるんじゃないでしょうか。
音ゲーの多様化も進んでおり、筐体の大きさやとっつきづらさから今となっては設置店舗は多くはありません。なので若い人のほうが知らないかもしれませんね。

矢印が判定エァリアに重なるタァーイミングでパァーノゥを踏むゲーム

そんなDDRのBABY-LON'S GALAXY。ざっくりまとめると以下のようなイベントです。

・3クレ(9曲プレイ)で1回イベントに挑戦できる
・イベント専用の新規楽曲をプレイ
・イベント楽曲をクリアしたら次のイベント楽曲が解禁される
・「フレアゲージ」という専用の体力ゲージを使用

要するに、一定回数プレイすると新曲に挑戦できて、クリアすると解禁できる。それを繰り返していくというタイプの楽曲解禁イベントですね。

さて、上述の「フレアゲージ」というものについて、ここで少し補足しておきます。

DDRでは体力ゲージが存在しており、楽曲の最後までゲージがゼロにならずに維持できればクリアです。良い判定を出すとゲージが増え、ミスするとゲージが減ります。ミスを続けてゲージがなくなるとその時点でゲームオーバー。楽曲も強制的に終了します。
フレアゲージとはこの体力ゲージの変形版。ミスをするとゲージが減るのはもちろんですが、良い判定をいくら出してもゲージは回復しません。しかもミスした時のゲージの減り方は通常のゲージよりも大きくなっています。
ミスをしなくともGREAT判定(コンボはつながっているが少しタイミングがずれている判定)でもゲージは減っていくので、体感としては4回ミスしたらもう死亡ですね。
ものすごく雑にまとめると、通常ゲージと比べてかなり難しくなっている体力ゲージ、と思っていればよいでしょう。

ゲージが通常よりも厳しいものになっていて、新曲も専用楽曲となっておりなんか難しそう。これはもう初心者お断りのイベントに聞こえます。実際私もイベント解禁直後はイベントガン無視で全く手を付けていませんでした。
なんですが、いざやってみると意外とこれが初心者向けのイベントでもあったんだなぁ、というところだったのです。

クリアできるようになる仕組み

前述の「フレアゲージ」。実はこれにはもうひとつ特徴があります。それは楽曲クリアに失敗すると、再挑戦時にゲージの減り方が少し緩くなるというものです。
具体的な数値で示すと、初回プレイ時ではミスすると16%ゲージが減りますが、次回再挑戦する時はミスしても14%しかゲージが減りません。数値で見ても微々たる差ですが、体感としては4回ミスしてもまだ死なないぐらいかと思います。それでもなおクリア失敗した場合、再々挑戦時はさらにミスした際のゲージの減り方が緩くなります。
クリアできなかったとしても、何度も挑戦していれば自然と難易度が下がっていくシステム。そのためにクリアができるようになって先に進めるようになるわけです。

このフレアゲージの易化もクリアに向けての大切な要素ではあるのですが、実は初心者の観点では「9曲プレイで1回挑戦」というほうが重要だったと考えています。

なにかと言うと、初心者は1曲1曲で得るものが大きく、少ない曲数のプレイでの上達量が大きいからです。9曲プレイしたあとの再挑戦ではそもそもの地力が向上しているため、いつまでもクリアできなくて先に進めない、といった事態が回避されやすいように思います。
「この前までできなかったやつができるようになっている」というのは成長を実感できてとても楽しいやつなのです。

というわけで、地力向上とフレアゲージ易化の仕様により、徐々に楽曲がクリアできるようになるシステムが用意されている。達成感が得られやすいようにできているんだなぁ、、、とそれはそうなんですが、話はこれで終わりではないのです。

クセのある楽曲たち

DDRの譜面は、他の音ゲーにない特徴を持っています。なにはともあれ、今回のイベントで私が苦労した楽曲の譜面をご覧ください。
(左右はハイスピード設定(矢印の流れてくる速度)が同じだけで、同じ譜面が流れてきています)

おそらくは、ちょっと音ゲーをかじったことのある人からすると譜面の密度としてはたいしたことないと思います。だけどこの速度変化はどうよ!!
思い出してください、DDRは足でやるゲームだということを。速度変化食らってバランスを崩した際の立て直しはほかの音ゲーの比ではありません。なにせ体重乗ってるもんね。

こんな状態でミスを4回したら死亡です。そりゃ死ぬわ。

じゃあクリアのために何をするか。それは楽曲を何度も聴いて、譜面を何度も見て、ある程度要所を覚えて挑むというプロセスを踏むことになります。

速度変化は最低限頭に入れておきますが、それで終わりなんてことはありません。そもそもの譜面のタイミングや、このパネルをどちらの足で踏むか、など。いわゆる譜面研究というやつですね。
もちろん譜面研究したらそれで攻略できるかといえばそんなことはありません。頭で理解してても身体は言うことを聞かないのは誰もがどこかで経験しているはず。覚えて理解したからと言って、じゃあその通りにできるかと言われたら、それはまた別の話なのです。

BABY-LON'S GALAXYのイベント楽曲は、どれもほどほどに対策が必要で、適正レベルの人であれば対策によって乗り越えることができるギリギリのレベル感。
フレアゲージによる難易度緩和も重要ではあるのですが、それよりも譜面研究の必要性と、それが結果に繋がるということを体感するという意味で、とてもよいイベントだったというわけです。

3つの分類

ここまで述べてきた「クリアするために必要な要素」について、大きく3つに分類分けすることができます。ちょっと整理してみましょう。

1. 基礎

いわゆる地力というやつです。譜面を問わずに求められる力となります。
具体的には、譜面認識力や、それの捌き方。効率的な足運び。基本的な体力などです。
このカテゴリの要素は一朝一夕に身につくものではなく、成長には比較的長いスパンが必要となります。

2. 対策

いわゆる譜面研究というやつです。攻略するべきターゲットが明確な時、不足している地力を補う役目を果たします。
具体的には、譜面の配置や運足の確認。速度変化ポイントの把握。そもそもの楽曲を聴き込む、などです。
このカテゴリの要素は知識によるところが大きいため、比較的短時間で習得できるのが特徴的です。ただし、ターゲットを絞って特化している分、別の譜面に対しては役に立たないことが多かったりします。

3. 環境

自身の力では干渉できない、もしくはしづらい要素です。外的要因と言ってもいいかもしれませんね。
具体的には、フレアゲージの易化。それとこのエントリでは触れませんが、筐体のメンテや文字通りプレイ環境などです。
このカテゴリの要素は、基本的には自身の力ではどうすることもできません。筐体のメンテなんかは「メンテの良い店舗を選ぶ」という対処はできますが、これによって本来のプレイの力が上がるわけではないので、ここでは環境という扱いにします。

必要なのは何なのか?

基礎、対策、環境。
要素を3つに分類してみましたが、こう考えると長く遊べるゲームって、基礎と対策のバランスが良いんですよね。
環境はうまく機能すればそれに越したことはないですが、必須の要素ではないと思います。

ちょっと考えてみましょう。たとえば、ゲームを構成する要素から基礎と対策のうち片方が欠けた場合にどうなるのか。

基礎が欠けて対策だけがあるとします。それは底が浅いゲームです。
基礎が不要なので誰でもすぐにマスターできます。なのでとっつきやすいという点はありますが、長期的に遊んだ場合の成長は感じられません。おそらくすぐに飽きてしまうんじゃないでしょうか。

逆に、対策が欠けて基礎だけがあるとします。それは漫然とプレイするゲームです。
短期的な目標とそれに向けての対策。それが欠けている場合、自身の行動に対するフィードバックがなくなり、手応えがない状態となってしまいます。すなわち達成感が薄くなり、やはり飽きてしまうと思います。

対策がない状態でゲームを続けていることを、悪い言葉を用いて表現すると「惰性」でしょうね。惰性で続けていることがすべて悪いことだとは思いません。そういったものは、日常生活では多くみられます。ジョギングとかはこの類のものと言っていいでしょう。
しかし、それはもはや「活動」であって、「ゲーム」ではないのです。

基礎と対策の関係

もうお気づきかもしれませんが、基礎と対策には強い関係性があります。
対策とは、特定の狭い領域をターゲットとして、短期で目標を達成するために講じることです。確かに汎用性は少ないのですが、基礎に与える影響は皆無ではありません。

基礎と対策の関係を考えるのに、ひとつ誰もが通ってきた事柄を例に考えてみましょう。それは学校のテスト勉強です

そういえば学校の勉強には、中間テストや期末テストなんてものがありましたね。みなさん、それに向けてのテスト勉強もやっていたはずです。
テスト勉強は、今回の話で言うと「対策」の部分。試験範囲が明確に限られていて、狭い領域をターゲットとしています。我々は、その狭い領域を攻略するべくテスト勉強をしていたのです。

さて、中間テストが終わると次は期末テストが待っています。当然試験範囲は中間テストとは異なるので、また違う領域に対する対策が求められます。ここで重要なのは、前の中間テストでやったことは、既に基礎として扱われていること。対策で培った知識や技術は基礎となり、その上で更なる対策に臨むこととなるのです。

要するに、短期的な目標を達成するために対策があり、その対策を行うことで基礎の力が増す。そうして基礎が高くなったことによってまた新しい目標にチャレンジできて、それを攻略するためにまた対策をする。
このサイクルができているゲームは、そりゃ長く遊べるわけだよなぁ。

話は続くよどこまでも

じゃあアッシュテイルではこの3つの区分はどうなのよ。絆魂ハードが楽しかった理由はこの3つの区分で説明できるの?他のコンテンツはどう考えたらよい?
などなど、このあたりを深掘りしていこうと思ったのですが、あいにくここまでで文章が長くなってしまいました。なので今回はここまで。出るのか後編!?

後編を書くんだったら、多分触れるやつ

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