旨ッ！揚げたてアツッアツの天ぷらを食べた。㏌博多

2021年6月17日 22:36

夫は定年退職後、知り合いに頼まれて月に一度数日間だけ、博多へ仕事に出かけるのです。仕事といってもそれほど重要とも思えないのだけれども、
その知り合いが博多に呼んでくれるのは、有難いことに定年退職後の私たちの生活が金銭的に苦労しているのではないかと慮ってのことなのです。

夫が定年退職した後、毎月振り込まれていたお給料がなくなりました。
分かっていた事だけど、この当り前がなくなったという事実の重さに
今更ながらショックを受けるのでした。

年金が６５歳からとして、この５年間を世の皆様はどのようにお過ごしか？　
貯えが一方的に減っていく厳然たる事実に対して。
そして、今までは会社が半分支払ってくれていた健康保険料も全額負担となり、あぁ～会社とは何て有難い存在だったとしみじみ思うのであります。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

さて、
今回は、その知り合いに私もご挨拶をと夫に同行したのです。
博多と言えば、屋台などで食べる細麺で濃厚豚骨スープの博多ラーメンが有名ですが、博多はラーメンだけでなく、玄界灘が近いため、玄界灘の荒波にもまれた新鮮な魚が安くて、それはそれは美味しいのです。

鯖(さば)も関西に比べてとても大きかったように思います。
にぎり寿司はもちろんのこと。ずいぶん前に食べたキスやアナゴなどの
天麩羅の美味しさが未だに脳裏から離れないのです。

『一見さんお断り』

ところで、
大阪に『一見さんお断り』で有名な天麩羅の店があります。

一見さんとは、店と何の繋がりもなく、得意客からの紹介もない客のこと。

随分前のことなので名前は忘れましたが（二度と行く気もない為）、
食通の友人が紹介してもらったのと大喜びして、私も誘ってくれたのです。
ランチで１万円のコース。（ディナーなら、１万５千円～２万円）

高ッ！！

遠慮しておくと言うと、友人が滅多に食べられないんだよ！！と
うるさいので、渋々お供したのでした。

のれんをくぐると、高級料亭の如く着物の女性が案内してくれました。
先ずは、カウンターのある座席に通されたあと、数人の強面の板前さんがご挨拶をされました。カウンター奥には、真っ新の透き通った数種の油がたっぷり注がれた、美しくも輝く銅鍋がいくつも並んでおりました。
熟練した職人の板前さんが、私たちの為にだけ、目の前で次々と天麩羅を揚げてくれるのです。

そして、
立派な陶器のお皿に、揚げたての天麩羅がのせられ、先の板前さんが目で食べるように促すのでした。
『はい。イ、イマ食べるのですね。かしこまりました。』と心で思いながら
いよいよ丁寧に揚げられた天麩羅を食べようとすると、
コレにはレモンを。コレコレには塩を。と
先の板前さんが渋～い押しの強い声で、いろいろご指導くださるのです。
はぁ～。
年配の板前さんの前で緊張しながら食べる天麩羅って。。。

一通り済んだ後は、お庭の見えるゆったりとした座敷に通されて、
今度はお寿司がでてきました。お寿司のあとはデザートとなり、
やっと御ひらきになりました。
値段が高いのだから美味しいのは当り前。
しかし、その居心地の悪さと言ったら何とも言えない。。。（私だけかな）