プリフロップレンジの覚え方
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今回は初心者から中級者へ向けて、
6maxにおけるプリフロップレンジの覚え方を
書いていきたいと思います。
プリフロップのレンジ表というものは非常に多くあり、
初心者向けに簡略化されたものから、
均衡的にmonker solverなどの計算機を用いて算出されたものまでいろいろあります。
よく、ポーカーを上手くなるには何を勉強すればいいか?
という質問がされますが多くの場合
「プリフロを覚えましょう」
ということになるでしょう。
しかしながらPFレンジというのはポジションによって変わるので
ある程度効率よく暗記できる方法がないとかなり厳しいかなと個人的に思います。
さらに教えている側もPFの暗記が怪しい場合も多いのではないでしょうか?
そこで当記事はPF暗記の教科書を目指し
「PFはこのnoteを読んでいったん覚えよう」
とできることを目指します。
PFを覚えるだけでレンジで考える能力や、相手のリークを推定する能力など、多くの力が養われるので、地道な作業ですが是非取り組んでいきましょう!!
当記事では
GTOWizard 6max 100bb 50nl GTO-GTO
を採用しています。
具体的には
rake がそこそこ高く(5% 4bbのハズ)
2bb openや5倍以上のraiseも行う
というsolutionです。
ちなみにAnteがあると本当に違うので気を付けてください。
bet sizing
まずは各シチュエーションにおけるアクションの呼ばれ方と、その時に適切なraiseの額について説明していきます。
厳密に守る必要もないですが大まかな均衡サイズを確認しておきましょう。
・ブラインド
SB BBはブラインドを支払いますがこれはポスト,ブラインドと呼ばれます。
・open
次に誰かがレイズ初めてする場合のレイズをopenと呼びます。
openの適正は
UTG HJ =2bb
CO = 2.3bb
BTN = 2.5bb
SB = 3bb
です。
ライブなどで2.3bb出せないときは2.5出してます。
・ColdCall
openに対しBB以外がcallすることをCold Call(CC)と呼びます。
(Coldというのは関係ない人がという意味合い)
・3bet
openに対しraiseを被せる事を3betといいます。
3betはopenのposition と 3bettor のposition
によって18通りありますがざっくりと
IPからの3bet = openの3倍程度
SBからの3bet = openの4~5倍
BBからの3bet = openの5~6倍
くらいがよくつかわれています。めちゃ大きいですね!
たとえばHJ2bb openに対してBBは12.3bbにレイズしてます。
・4bet
3betにraiseを返すことを4betといいます。
基本的にopenをした人が4betを返すことがほとんどですね。
こちらもpositionに依りますが4betsizeは
IPから4bet = 2~2.2倍
OOPから4bet = 2.5~2.8倍
くらいが多いです。
2倍だと小さいが3倍だと大きいという印象を受けますね。
一応、openした人以外が4betすることもあります。例えば
このような4betは特にcold4betと呼ばれます。
超激強rangeのアクションでsizeは通常の4betより少し安くなりやすいですが、基本は4betと同じサイズで構いません。
ちなみにですがこの安い4betはスタックが残り少ない(100bb)影響で200bbの時は大きくなりますね。
後はまあ4betでAllinをすることもrakeが高ければよくあります。
・5bet
4betにraiseすることを5betといいます
基本Allin一択でよいですが、
AAと弱いところをメインでpolarにAllin以外の5betを行うことがまれにあります。その場合は2倍程度のサイズを使います。ミニ5betと呼ばれたりしますが自信がなければ5bet = Allinとしましょう。
・スクイーズ
CCが入ったシチュエーションでさらに別の人がレイズをすることをスクイーズといいます。例えば
のような感じでしょうか?
基本はSB or BBからすることになると思います。
(CO CC のレンジが狭いので)
スクイーズ額 = 本来のraise額 + CCによって増えたBB数
あたりで決めるのが定番かなと思います。
・3CC 4CC
3bettor や Cold 4bettorがいるときにさらに関係のない奴がCCすることを
3bet横コール 3CC などといいます。
そんなレンジは基本的にはないので気を付けましょう。(2bettorは好きだが3bettorを心から憎んでいるときにやるとよいです。)
Open range
まず覚えるべきは各positionのopen rangeです。
つまり、ゲームに参加できるための条件ですね。
こちらはUTGのopen rangeとなります。
ざっくり次のことを覚えておきましょう。
AXsはどのポジションからもopenできる。
pocketはどのポジションからもopenできるが55以下はEP(アーリーポジション)程頻度が低い。
さらにTipsとして次のkey pocketを覚えておきましょう
(UTGならTTですね!)
そして
3. keypocketから左に山と一個右にずれて縦線を引き、山より上側と縦線含んで左側は参加できます。
さて1~3の方法によりあぶれたのは今回K8s~K5sですね。
ここら辺を例外的に覚えて暗記の精度を上げていきます。
とりあえず全ポジション見てみましょう
key pocketを使ってきれいに下限がとれてますね。
SBからlimpをする必要はないと思うので。
SBはBTNと同じ
と覚えてもいいと思います。
補足知識としては
あたりを追加で余裕に応じて覚えていきましょう。
vs open
・Cold Call
openに対してCCするレンジをまずは確認しましょう。
まず、CCレンジですが
基本的にBTN以外はCCをしない
という処理がとりあえずはいいのかなと思います。
一応SBやCOにもCCレンジがあるのですがPostFlopが難しいうえに、強いプレーヤーもあまり採用していない人が多いです。
(私もSBCCを採用したのはPokerを勉強して1年以上たってからですし、それでもなお必要性に疑問を感じます。)
HJでUTGにCCしてるとかなり舐められるイメージがあります。
そこでBTN CCを見ていきますが大切なことは
・raiseはできないけどcallなら参加できる
というハンドをCCするのではなく
・raiseをする程度には十分強くraiseでいいのだが4betを受けるともったいない
レベルのハンドをCCする
ということです。具体的には
XTs XJs pocket(QQ,JJ以下) スーコネ(45sまで)
を回します。
以下のようなAJs ATsから縦に落ちて斜めに下がるラインを意識しましょう。
ここがメインのcallレンジです。
また、これに加えてAXsのすべてを頻度で追加してください。
(これはポストフロップで非常に重要です。)
そして重要なことですが
オフスートはcallしないでください。
どうしてもという場合AQoかAKoをcallしましょう。
それ以外は不要です。
一応全ポジション置いておきます。
BTNだからcallできる!
として参加を広げるのではなく
BTNでこのハンドならレイズできるレベルだが、今回はIPCallしてやるぞ!
と参加しましょう。
SBCCなども大体同じレンジで作れます。
ちなみにですが
IPCall後にスクイーズが入った場合、OriginalがraiseしなければQQやAKoをレイズAll in することがあります。
このおしゃれな技はNew York Back Raiseと呼ばれるようです。
このために最強格を一部callしてスクイーズを利益的にさせすぎないようにしています。
なお、Originalがスクイーズへレイズした場合はIPCallerに戦えるハンドなどありません。
悲しい。。。
・3bet
BB以外からの3bet
CCレンジを考慮しなければ強いところから順に3betをするため
linear3betなどとよく呼ぶレンジについて説明したいと思います。
実際は相手のポジション(というかそのレンジと狭さ)
に応じて多少変更をかけるべきですが
どのポジションでも極端にレンジが変わるということはないかなという感じがします。
ざっくりとしたひな型を覚えておいて、相手がEPの場合は固めに
相手がLPの場合は広めに3betする。
CCがある場合はCCレンジを上から被せる。
という処理をしてください
ざっくりと
くらいのイメージを持ってる人が多いかなと思います。
これより詰めてる人も少ないと思うのでこの程度をベースに
必要があればWizardを見ながら復習していくというのがいいのかなと。
(上級者も大体この程度の感覚です。)
思ったより100bbだとスーコネは入れないことが多いです。
大体openが入ってる場合は前項の低頻度CCハンドですね。
気を付けましょう。
例をいくつか
最も固いHJ3betレンジです。
ホイールは明確に3betになりやすくAミドルは抜け落ちやすい
TTまではFold頻度がある
AJoもフォールドが多い。
BTNのHJopenに対する3betレンジです。
CCがあるので色が混じってますがざっくりひな形通りくらいのレンジなことがわかるかと思います。
BTNに対するSBの3betレンジです。
最も広い3betレンジですがlow pocketが採用されないことが特徴的です。
K6sはA5sの下位互換のように使われることが多くよく飛び島でレンジに入ってくるやつですね。
BB defence
さて、PFレンジメインデッシュのBB defenceです。
BB defenceとはよく
BBはすでに1bb出しているのだから広くcallをして守っていこう
という意味合いで使われます。
さて、上の図はBBのBTNopenに対するアクションです。
BBは実にCall以上の3回に1回はraiseをして対抗します。
これを見てもわかる通り
BBはraiseを頻繁に行ってdefenceします。
BBのプリフロップレンジは非常に難しく、
1bbすでに出している効果
+
広くCallしたいための複雑な3betレンジ
によって構築されています。
最も上級者と中級者で差がつくのはBB defenceになります。
ここが下手な人間は特にBTNやCOにものすごくExploitをされます。
少し大変ですが絶対に身に着けるべき内容です。
この理屈をまずは見てみましょう。
BB defenceの概要
まずは自分の頭でBTNにopenされたときのBBレンジをイメージしてみてください。
どの様なハンドからレイズしてどのようなハンドまでCallできますか?
こちらはBTN openに対するBBのレンジになります。
このレイズをするハンドの散らばりとCallをできるハンドの境界についてある程度理解をし、再現できる必要があります。
このようなレンジはPolar 3betないしmerged 3betと呼ばれます。
レンジを眺めてみると
まずTT+,AJs+,AQo+のような超強いValue 3betハンドが目につきます。
一方で
中頻度程度で3betをしている弱いハンドたち。bluff 3betハンドが目につきますね。
このようにValueとBluffに分けて行う3betをpolar 3betといいます。
最後に少し難しいですが
その間を補うような形で様々なハンドが低頻度で3betしています。
このようなレンジをmerged rangeと呼んだりします。
merged rangeはrakeが複雑に絡み少し難しい概念なのでいったん厳しい人は置いておいて、ValueとBluffがあることをしっかり頭に入れてください。
さてValue 3について深堀します。
黄色で囲った範囲はLinear 3betの時の適正ハンド群です。
レンジを見るとValue 3は本来3bet出来るハンドよりかなり強いところを3betしていることが分かります。
(CCの時と同じですが、)
BBのようにCallするpositionでは強いハンドを片っ端から3betすると残ったcallレンジが弱くなりすぎてしまいます。
そこで3bet出来るレベルのハンドまでcallに回し、本当に3betしないと勿体ないハンドのみをValueで3betします。
これでは3betが強すぎて低頻度になってしまうため、Bluffも3betすることでpolarな3betを構築するわけです。
よってBB defenceを覚えるときは各positionに対するValue3, Bluff3, Call下限
全てを覚える必要があります。
次にvs UTG openを見ていきましょう。
vs UTG openでのValue3,Bluff3を考えてみてください。
ざっくりとValueがQQ+
bluffは線でなぞった付近となっています。
BTNと違って特徴的なのはBluffより外側にCallレンジがついていることです。
下図で黄色く囲っておきました。
このようなレンジはOdds CallレンジないしOver Callレンジと呼んでいます。
これらのレンジはUTGが2bbという非常に安いopenをしているため
Flop3枚見るだけで利益になるよ
という理由からcallしているハンドたちです。
下の図はUTGが2.5bb openした場合のBBレンジです。
Over Callが非常に狭く、vs BTN程度しかないことが分かりますね。
当然ですがOverCallを広げればValue3は狭める必要が出てきます。
そうしなければCallレンジがただ弱まりますから
強いハンドもCallに入れてOver Callを守るわけですね。
EPに対するValueが異様に狭いのはこういったことが影響しています。
さて、ここまでで
1. Polar 3bet
2. Over call
というBB3の特徴を見てきました。
では特に頭を悩ませやすいBluff3はどのようなハンドを回せばいいのでしょうか?
ざっくりと以下のことを知っておくと便利です。
相手のopenレンジ下限のスーテッド
というのは、
BB3を考えるときに
まず相手のopenレンジを考える
↓
その下限となっているスーテッドハンドをBluff3に採用
とやれ、ということです。
例えばvs HJであれば
線のあたりが下限ですからBBは
そこら辺を頻度で3betしろということです。
ちなみにcallの下限についてはどのポジションもopen sizeが適正ならそこまで変わらず
あたりになることが多いです。
ただUTGの3bb openにはUTGレンジ程度で対抗すればいいですからね。OddsにあわないOdds callはやめましょう。
では各position見ていきましょう。
BB range
・vs UTG
・vs HJ
・vs CO
LPにはcallする可能性のあるすべてのoffはレイズしてもOKです。
・vs BTN
LPにはcallする可能性のあるすべてのoffはレイズしてもOKです。
できる人はmergedレンジも入れましょう。
Cold 4bet
4betの中でも珍しいほうCold4betからやりましょう。
なぜかというと簡単だから。
激強レンジです。
こちらは
HJopen BTN 3bet SB Cold4range
見ての通りで
大体
QQ+の激プレミア
AKo
Q以上2枚のスーテッド
です。
AQoは降りといたほうがいいことが多いです。
一応BTN SB BBという最も広いときでこれです。
まあ大事なことは、
自分より前に3betまで入ったら超最強ハンドでレイズするだけにしなさい
ということですね。
vs 3bet
さて、では通常の4bet
というか3betを受けた時どうするかの話をしましょう。
3betを受けた場合はどのポジションでもコールをすることが基本あるはずです。であるからには、BB3同様4betもpolarに行われるんですね。
こちらはUTGvsHJでのUTGが3betを受けた場合の頻度です。
なんとcallよりレイズのほうが頻度が高くなっています。
多くの人間は間違いなく4bet過少だと思います。
是非vs3betレンジを覚えていきましょう。
・4betの概要
まず4betするハンドの概要から見ていきます。
基本的には以下のことを知っておきましょう。
以下の図はHJvsBTNです。これを例に説明します。
まず、Value4を考えます。
基本はQQ+ですAKoは諸説あります。
次にBluff4です。
A5sは大体fold/call/raiseの混合のことが多くどれを選んでもいいですが、言われているほどブラフが好まれるわけでもないです。
むしろJ,Tまわりのスーテッドはほぼブラフします。
あとはAQですね。
基本的にAQは3betはできるが3betされたら降りてもいいレベルのハンドです。
基本的に3betされてオフスートはコールしないと思っていたほうがよいでしょう。なのでブラフ4するかfoldしましょう。
・callの概要
このようにして4betレンジができたらその間や頻度で選ばれなかったものをcallに回します。
注意として、QJs,QTsなどのQXsは大体3betされたら降りてくださいね。
残るはポケットとスーコネですがここは少しコツがあります。
それは
低頻度open→高頻度call
高頻度open→低頻度call
です。
既に述べた通り3betは基本88以上がメインです。
なので88以下はどのポケットもマージナルでしかなく、コール頻度を守るため、相手のサイズを見ながら頻度でcallします。
どこをcallしてもあまり変わらないので、すべてのポケットをバランスよくcallしてどんなボードにも対抗できるようにします。
そこですべてを2割でcallとしてしまうと、
そもそも2割でしかopenしていないものは
20%*20%で4%しか3betcallにいないことになり
もともと100%openしていたものは
20%のこる
といびつになります。
そこでそもそも20%openのものはpurecallして
100%openのものは20%callとするわけです。
この現象から、弱いポケットのほうが3betにcallするが
88などのミドルポケットはよく降りる
という逆転現象が発生します。
callした後は上のように非常にバランスよくポケットが含まれています。
一応例外として
BB3にはlow pocketを多く降りる
とか
LP同士の3betではBluff4をKJsとかよりもっと弱いところでやる
とかあるのでこの辺は必要に応じて詰めてください。
この辺が必要になるころには、均衡に縛られず自分で相手に対して適切なレンジがデザインできる人になってると思いますが。
・vs3bet range
いくつか有用なところを纏めておきます。
・vs 4bet
ここまで来ると感覚的にやってもそこまで間違えませんが軽く触れておきましょう。
ざっくりとQQ+をAllin。AKとKKは大体pureにやって問題なし。
ブラフはA5sA4sくらい。
4bet額が安いのでcallはかなり広くとります。
3betに対するcallレンジとそんなに変わらないと思っておけばよいでしょう。
AllinされたらAKと強いポケットあたりで対抗してください。
・Squeeze
CCが入ったときにraiseをすることをスクイーズといいます。
このレンジは思いのほか強いことが多くレンジも覚えてない人が多いかと思います。(そもそもCCがずれてる相手にすることが多いので覚える必要性も薄いですが。)
基本的にはレンジ表左上の長方形レンジに
SBならポケット
BBならスーコネ
を付け加えて作成します。
レンジはCCポジションなどによってかなり繊細なのでとりあえず長方形部分を持っているときはかなり高頻度でスクイーズすることを心がけましょう。
・あとがき
いかがでしたでしょうか?
PreFlopどう覚えていけばいいのかわからない
多すぎて無理という方に少しでも参考になればうれしいです。
この覚え方はもちろん絶対のものでもないですし、別の良い覚え方があれば皆さんも是非発信してみてください。
プリフロどう覚えればいいかわからない
という人が何を見ればいいかというのが世の中になかったので書いてみました。
現行あるものだと「ヒロユキポーカーチャンネル」さんが好きです。
一応GTOWizardはプリフロであれば無料で見れます。
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rakeが変わった場合や相手がずれてる場合はここら辺をベースに変えていくことになります。
特にBB3過少を咎めるPFレンジは非常に強いと思います。
私はMonkerで計算したものを持っていますが、出ているものだと
glassさんのnote
あたりが非常に面白く勉強になるはずです。
また、ちゅうぴかさんという方が日本では非常にPFに精通しています。
当記事が面白いと思った方はぜひ深みにはまってみてください。
今回の記事は1万字を超えかなり長く画像も多くで執筆が大変だったんですが、多くの人に読んでほしいので無料記事にしました。
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(お布施はBluff4betハンドのKTsから1310)
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お布施していただいた方用にほんとちょっとした追加分を入れておきます。
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