コレクター的 イラスト生成AIとこれから
デジタルイラストに大して価値はないんです。生成AIの登場でイラストの価値が失われつつあると言う人が最近多いんですが、そうじゃない。
元々価値は低かった。pixivが登場しTwitterが登場し、さらにスマホが普及して、毎日タイムラインには無造作に絵が流れてくる。一瞬の感動のあと9割は寝て起きたら忘れられ、ほとんどが消費される物になってしまった。
結論から言って、人間はどうやったって時間に価値を見出してしまう以上はイラスト生成AIが普及しても世界は劇的には変わらない。ポスターや小冊子の隙間を埋めるだけものはAIになるだろうが、個人依頼やネームバリュー頼りの企業案件は確実に残る。でもイラストの価値は既に落ちている。最終的に残るのはイイ人だろう。
規制不可能なほどバラ撒かれてしまった
最近めっちゃ揉めてますね。今に始まったことじゃないですけど輪をかけてAI反対派と肯定派で毎日毎日…やめたほうがいい。疲れますよ。目にあずきを乗せて休みましょう。
何か行動を起こして規制に持ち込もうとしていますけど、現実としてもう不可能なんです。おしまいです。前を向くしかありません。
現状AIは合法です。無断学習し放題、生成し放題。絵柄を特定の作家に似せた上でなりすましたり、剥ぎコラをバラ撒いて問題になったとしても全て現行法で何とかなります。多分これからアイコラ被害やなりすまし詐欺が増える事は必須で、それに伴い現行法の罪が重くなる改正はあると思いますが、そこにAIも手作業も垣根は無いでしょうし生成自体の規制は無理筋です。
すべてアップロードした時に問題になるわけで、アップしなければ何の罪にもなりません。部屋でフルチンで踊ってもお咎めないのと同じです。
そしてローカルで動く生成AIがバラ撒けれてしまった今、規制することは不可能です。回収できません。
NovelAIのようなサービスに規制が入る事はあるかもしれませんが、NAIで画期的だったことは半年とか1年遅れでローカルで出来るようになってしまいます。LoRAの規制に関しても公式サイトや設定資料の画像1枚でLoRA代わりにする事も近々出来るようになって、特殊なシチュエーションを出すための物は残り、特定のキャラを出すLoRAの需要は薄くなります。仮に何年後かに規制されたとて発達しきったローカル環境がリセットされる事はありません。
中にはローカルまで規制しろと言う人も居るんですが、なんでニセ札作りと同レベルの重罪になってるんですかね…(お困りさん)
現実的な落とし所としてはAI生成のものはそう表記する決まりを作ることで、既にPixivやその他販売サイトでは自己申告頼りで分けられていますが、これが限界でしょう。
特定作家の絵柄を生成する時の罪悪感
お前はどの立場なんだ、と言われたらバリバリAI肯定派です。ごめんね。上品なこと言ってられねぇ。センズリマシーンになるしかないでしょう。ですがそれとは別にクリエイターも応援しています。一時期はろくに収入も無いのにパトロンサイト4サイト合計で月2万円近く注ぎ込んでいました。今は見返りとか投稿される記事とかは二の次で、本当に好きな作家を7人だけ、そこそこ高額なプランで支援しています。まあそれとは別にNovelAIの$25プランも入ってるんだが… 高ェすよ円安で。このままじゃ終われねえよ、借り物はやっぱ不安定だから今はローカルの動向も注視してて今年中には優れたローカル環境作るかんな。
多少の引け目ってのはありますよね。そりゃあいくらお国が合法と言っても、具体的な構造は分かりませんがNAIv3は実質LoRAのような学習してるわけですし、既にローカルでも近いことが出来てしまうわけすから。わたくしのダントツナンバーワンでオキニの作家も「これ未発表作品いわれたら分かんねぇじゃねえのか!?」っていう精度で出ちゃうのは否定できない事実で。誰に見せるわけでもないですけど、ちょっと…これは悪いなぁ…って罪悪感はあるんですよ。
でもこの罪悪感ってのはね、YouTubeに違法アップされたトリビアの泉の神回を見た時の罪悪感と同レベルです。違法アップロードのストリーミング再生は、褒められないですが合法ですね。悪いのは自分ではなく違法アップしたヤツ。それと同じです。
俺の知ったことではない、悪いのはNovelAIだ、サービス終わればそれまで。
こんなところです。むしろAI開発は情報共有の文化でありながら、貰うばかりでプロンプト1つ共有していない事にも罪の意識がある。
でもやっぱり「大好きな人の絵柄パクって実質タダでAI絵を出すのはなぁ…」と思ってちょっと辛いそこのアナタ。メールタイプのAmazonギフトカードを送りつけましょう。5,000円でも10,000円でも。何かと理由付けて「こないだのイラストめっちゃ良かったです」でも「誕生日おめでとうございます」でも何でもいい。とても喜びます。これで手打ちです。いつもそうしてる。流行らせたい。
AIイラストはフルチンダンシングに等しい
AIが流行りだしてから絵柄を保護しろなんて人がいますが、それも無理なんですよね。今さらこんな事言うのも小っ恥ずかしいですけど、絵柄自体に著作権はないし、絵柄の似てる似てないなんて今に始まったことではないし…。
絵柄というか構図や色の乗せ方含めて類似性は本当に曖昧で、「似た画風」だけなら訴えはまず通りません。絵柄・構図・色の全てが似ていても微妙です。強度の低い(~85)i2iでようやくゴーサインでしょう。単に絵柄が似てるだけなら悪意を持って誤認させる広報戦略を取ったりしない限りは問題ないという事になります。別にAIで似せようと手描きで画風そっくり真似ようと特定作家の関与を匂わせた時点でアウトですが。
この手で有名な例だとたまごっちのパチ物の「ニュータマゴウォッチ」とか、ファイアーエムブレムのデザイナーが作った「エムブレムサーガ」とか…。絵柄の話ではないですけど。どっちもデザインが似ている事よりも本家から地続きになっている「続編」と誤認させる宣伝やパッケージが問題の不正競争防止法違反でした。ニュータマゴウォッチは意匠権でもアウトでしたが、あんなようなゲームは当時いくらでもあって見せしめというか、ちょっと厳しい判決でメインは不正競争の方です。
イラストレーターにおける「絵柄」は最も重要なもので、その人の価値のほとんどみたいに言う人が多いです。確かに大事ではあるんですが、でも絵柄以外の魅力ってのは色々あって。いくら良くたって他にマイナス要素がありまくったら売れませんにょ。そんな絵柄だけに固執するものではないと思います。別に自分の絵柄が剥奪されるわけでもないし…。仮に絵柄に著作権なんてもんを与えたらイラストレーターそのものが一貫の終わりですよ。
今の時代、誰にも似ていないオリジナリティある絵柄なんてそうそう無い。特に美少女イラストなんか探そうと思えば誰かしらに似ているし、揚げ足を取ろうと思えばいくらでも取れてしまいます。トレパクとか盗作とか根気強く探せば誰だってこじつけられます。絵柄だけで言うとホントみんな似たようなもんで、構図とかシチュとか色々合わさって個性が出てるわけです。
NAIv3に学習された7000人のイラストレーターのサンプルってありましたよね、シード値固定して全て同じ構図でパチュリーが花園に居る。あれ分けたんですよ完全に主観で。多少でも個性ある作家が524人で誰とも絵柄が被らずに作者が同定できる作家は67人だけでした。
諸悪の根源ことdanbooru君で『ishikei_(style)』で検索してみると似たような画風の作家が47人も登録されています。でもこれらは決して悪いことではなくて、通過点とも言えるわけですから。こっから描き続けているうちに独自の要素が生まれてオリジナリティが増した絵柄になる可能性も十分にあるわけです。
バルビゾン派の見分けが付く人が何人居るか。そういえば昔の画家ってのは大概師弟関係があった。今でも漫画家はそれがあるが、師匠に似るのは当然の事で、だからイラストレーターはこれからもっと弟子を取った方がいい。外野からフォロワーだの2号だのジェネリックだの嫌味言われる事もなくなりますし、またそこに価値が生まれます。実際に指南しなくても、ごっこでもポーズでも実質的には「公認」ですが形だけ弟子を取るってのは面白いと思います。
そういう点で言えばAIは面白みがない。気軽に自分の欲を満たすイラストを出すには向いているが、いくら出来が良くても文脈や理由がないと芸術としては安物になってしまう。シード値のブレやモデルのアップデート、私的な追加学習で多少あるいは劇的な絵柄の変化はあっても、3年5年単位で緩やかに変化するという事がないのは、どうしても薄っぺらくなってしまう。
芸術というのは作者自身も作品なわけで、5年10年と作品を発表し続けるから評価が付いてくるものです。試行錯誤で少しずつ絵柄や作風が変化して、展覧会に出品したり本の挿絵をした記録が残り、文脈が生まれるんですね。死後に奇妙な私生活が流布されて再評価されるケースもあります。AIはそういう点で非常に希薄になっている。現代美術的な特殊な文脈がついて価値を生む余地はあるだろうが、現状は実物を作り出せない以上は限界がある。NFT?あんなもんは終わった。実物しか信じるな。
正直AIイラストなんてのはフルチンダンシングに等しいです。フルチンダンシングは誰でも出来る。良い悪いはおいておいて誰でも出来てしまう。そして部屋の中なら合法で、誰も止められない。しかしながら誰でも出来る事に金を払う人はいないんですね。タダで見せてくれるのは有り難いが、それでもpixivの特定のタグを私物のごとく占領するのは迷惑が勝つ。
今はAIを扱えない人が多少は居て生成AIのエロ画像詰め合わせが20,30本売れたりしてるんですが、これから更に進んでスマホ1個でサーバーを介さずにバンバン生成できるみたいな時代が来てしまったら本当に誰もAIイラスト自体に金を出す事は無くなるでしょう。
それこそイラストレーターが生き残る以上に難しい世界になってしまう。AIが本格的に普及して、最初に淘汰されるのはイラストレーターではなく小遣い稼ぎしてるAIイラスト販売者です。ともかくフルチンに価値を持たせられるかどうかは使い手次第。何のセンスもない人間はAIで食えないし客は奪えない。結局文章なり加筆修正なり、ゲーム制作なり何らかの+αの技術があってやっと土俵に立てる。ポンと出しただけのものに価値はない。
同人文化に石を投げておけば
トーシロがAIでイラスト出しまくるのはもう防ぎようがない。でもそれをアップロードしたり、まして販売するのはダメだろうと言う人も居ます。気持ちは分かりますし、自分はしていませんが…同人文化のせいで認めざるを得ません。
もちろんAIだから大丈夫というわけではなく、二次創作で版権元が動けば削除なり場合によっては裁判に発展するかも分かりません。しかしこれは手描きだろうと同じことです。
AIイラストを公開するに当たって最大の問題点は生成スピードの速さと扱いやすさによる物量で、2024年3月19日現在でpixivの場合およそオリジナル作品で37%、二次創作の場合は多い作品だと50%以上がAIイラストに占領されているのが現実です。ちょっと多すぎますね。
逆に言うとpixivやDLsiteのようなサイトからすれば、この物量問題だけが悩みのタネと思われます。だって長きに渡って版権エロで溢れかえっているのに今さらAI生成だの二次創作だの些細な問題ですよ。既に違法まみれなんですから。
選りすぐりの出来ない奴がとりあえず生成したイラストを大量にpixivに流して検索結果やサーバーを圧迫している。これは良くないです。AI生成作品を一括で非表示にも出来るんですが、それだと良質なAI絵も消えるんですよ…Chrome拡張で消しています。もしかしたら保管庫感覚、オンラインストレージ代わりで使ってんのか!?やめなよ、もっと選んでとっておきの数枚だけアップしようよ。
話を戻して、この状態を避けたかったのなら、もっと早くから同人文化に一石を投じるべきでした。せめて二次創作のダウンロード販売やパトロンサイトが流行りだした時に「それはダメだ」「やりすぎだ」と束になって言っておけば流れは変わったかもしれません。
そもそもネット文化自体が違法まみれというか、ほとんどの人が引用の範囲を守らずに画像や映像を無断転載しまくって……アイコンに使ったり自分の意見を漫画の1コマに込めて送り合って会話したり。あまつさえboketeがトレたまに取り上げられて、コラ画像やMAD動画を持て囃して、100万回生きたねこにエロ本持たせて何の疑問も持たなくなってしまった時点でAIの規制など夢のまた夢です。
すべてのネットユーザーが引用の範囲を守っていれば無断学習の合法なんて事にはならなかったでしょう。
しかしながら無断転載によって残った資料もある訳で、学術的にもインターネットアーカイブなんてお世話になりっきりで…こんな事を言っておきながら無断転載がない世界なんてものは99%あり得なかったと思っています。
だってトリビアの泉の神回は見たいもんな。重機のタイヤがフジテレビ本社の映像ブースに行かないと見れないとか嫌だもんな。
だからせめて著しくイメージを損なう二次創作エロ同人や有料頒布をもっと早めに潰しとけば、AI全体の規制は無理でも部分的には聞く耳を持ってもらえたかもしれない。でも一切そんなことなく、それどころかダウンロード販売とかパトロンサイトの誘導などの売り方は年々派手になる一方で、これはもう10年20年の積み重ねの結果です。
それに悪に徹して違法上等で版権エロ売りつけてるヤツのほうがまだ清々しくて、他人のキャラクターを勝手に剥いでレイプしてる悪党でありながら「自分は紳士です」みたいなイイ子ちゃんぶった振る舞いをしているヤツが多すぎる。なんでそうなるんだよ。酷かったのが…
FANBOXで支援者の中から毎月ランダムでリクエストを受け付けるって特典をやってる人が居たんですね。ある時、アニメとか漫画じゃない少し特殊なリクエストがあって。「企業キャラクター」っていう東電のでんこちゃんとか日清食品のひよこちゃんみたいな類のキャラだったんですね。
そのリクエストを突っぱねていたんですが、その時に作者が拒否する口実として著作者人格権を都合よく持ち出して「お前そんなんも知らんのか」と、軽く説教みたいな感じでNGを出していました。
今まで少年漫画のキャラに人格排泄させて金取ってたヤツがですよ。そんなもん「敵に回したら何されるか怖いんで嫌っスね」でいいじゃないですか。こういう時だけ常に踏みにじって日銭を稼いでたモンを持ち出して。皿まで食えよ。可愛げまで失ったらおしまいですよ。
詰まる所はAIで絵柄をパクろうと、その上で二次創作エロ同人で売ろうと、そんなもん叩きたいやつが叩いて、それでも耐えて図太く売り続けたいやつは売りゃいいんですよ。
既に救いようがない原作無視エロ同人で溢れかえってそれで稼いだ銭で暮らしてるヤツが山ほどいるんだから許されるに決まってるでしょう。もう同人界隈に何の期待もありません。ずっとドブの底です。新しい泥流を受け入れて下さい。
目も当てられないマリみてのヘテロ同人が、多少は批判されたかもしれないがシリーズ化されて総集編を出せてDL版まで今日に至るまで売られている。
何人かで寄って集って悪者にする程度のことしかできないし、それに耐えられる奴は無視してどんどん新作を出す。それだけです。もし本当にAIイラストが消える時が来れば二次創作も一緒に消えるでしょう。
二次創作の同人を、せめて印刷費や遠征費といった伝統的な金を取る体裁が崩れ去っているDL販売やパトロンサイトを早い内から糾弾しなかったツケが回ったんです。私が2020年に取った統計では1500人調べて過半数がファンボックスで版権絵を有料で投稿しpixivから「続きはこちら」とコスい誘導をしていました。
TPP問題の時に同人誌の非親告罪化に反対して勝ち取った世界が今です。ニトロプラスの200部まで同人誌を無条件で認める破格のガイドラインを白紙にしてまで望んだ世界が今です。受け入れましょう。
二次創作もファンアートとして嗜む程度に描いていて、当然それらを有料で売る事もしなかった人は正直者が馬鹿を見るようで気の毒ですが……これからはそういう人をもっと評価しなければいけない。俺は二次創作してるやつは絶対ファンボ支援しねえかんな。昔はしてたけど今はしねえ。弱っちいからな。
デジタルイラストもAIイラストも大差はない
度重なる新サービスの開始、新規ユーザーの流入で今やデジタルイラストは道に生える草木と同じような状態なっています。AIのせいではありません。
2000年代前半…個人がイラストサイトを立ち上げていた時代は新たに好きな作家のイラストを見ようと思っても、気軽に手に入る物ではありませんでした。複数サイトを巡回して1日に数個しか新作の更新を確認できないとか、全く更新が無い日もあるわけです。「CG定点観測」や「えろCGサーチ」など便利なサイトもありましたが全ては網羅されていませんでした。あ、後はお絵かき掲示板があった。「n天堂」か…。
こういった時代のイラストは実体以上の魅力というものを伴います。多少なりとも探す労力があったり、毎日限られた数しか供給されないという特別感が代えがたいスパイスになっているわけです。草木で例えるなら砂漠に咲く花でしょうか。しかしながら当時からデジタルイラストの本質的な価値は低かったのです。
次第に個人サイト時代は終りを迎えます。ブログサービスが現れて、Pixivも登場。そして早くもブログが廃れ始めTwitter時代へ。小中学生にもスマートフォンは普及しました。今はpixivでは500人もフォローしておけば毎日20も30もイラストが流れてきます。Twitterに至ってはフォローしていなくてもリツイートで次々と絵が無造作に流れてきます。
これは昔では考えられない非常に恵まれた環境ですが、もうそこに疑問も有り難みもありません。道に出て歩けば側溝や空き地に草木が生い茂っているようなものです。マイフェイバリットなイラストでもない限り、絵を見た時の感動は数秒です。9割は寝て起きれば見たことすら忘れているでしょう。これがデジタルイラストに対しての正当な評価です。
これはもう避けようのない未来でした。価値は最初から低かったんですよ。あるように見えていただけで。それが年々発表の場がオープンになり、新規ユーザーが続々参加して緩やかにメッキが剥がれていった。
AIのせいで絵の価値が石ころになったと仰った人がいましたが、2010年代後半には剥がれきって石ころになっていたんです。それを認められていなくてAIに理由を擦り付けている状態です。AIが出る前から既に石ころ。ただ石ころって表現はちょっとね、語弊があるんで私は草木と言いましたけど…。
なぜデジタルイラストにこんなキツイことを言うのか。それは私がコレクターだからです。
先ほどはAIイラストは価値が低く、芸術としては薄っぺらくて誰にでも出来ることに金は払えないと確かに言いました。しかしながらデジタルイラストと比べた時に物凄く大きな差があるか、と言われれば首を傾げてしまいます。
ぶっちゃけコレクター目線で言えば、実物を伴わずに売買や展示が出来ないデジタルイラストはAIと大差ありません。もちろんデジタルにはデジタルなりの価値があります。20枚ほど束ねればイラスト集として冊子にもできますし、その内の1枚をアクキーやポストカードにも出来ます。AIイラストでは売れないでしょう。やはりそこに費やした時間や作家としての活動の積み重ねが入って手描きの価値を生んでいます。
それは分かるのですが、1枚に数万円も出して依頼しようとは全く思わないのです。金を出すのを渋っているわけではありません。直筆のイラスト色紙をお願いするのであれば、人にもよりますが4~7万円スタートで依頼をしています。デジタルイラストならどうでしょう。5,000円でもあまり頼みたくない。3,000円ならいいかな…。それくらい価値しか感じていません。生成AIが出る前から一度も依頼したことはありません。
商業デザインなら全然払います。自分がイベントを主催するとか、なにかフリーペーパーや同人誌を作るとなって、そういう時に表紙やポスターを誰かに依頼するとなればデジタルでも最低3万4万払って当然だと思うんですが、単に自分の為だけにデジタルイラストを描いてくれるだけでは価値を感じないんです。その"自分のためだけ"が良いと言う人も居ますけど、私はイマイチ分からなくて。別にどこか展示されるわけでも、何かに使って配布するわけでも、原画を所有できる訳でもなくて見て終わりだと、どうも割高に感じてしまう。
これがコレクターな正直な感覚です。実物の持つ、物理的な厚みや重さ、どんなに技術を使っても完全なコピーは出来ないオリジナルの存在。所有権、ホロタイプ。これに非常に大きな意味を感じてしまうのです。所有権は強力ですよ!
展覧会をするとなってもオールデジタル環境の作家だと展示に困るでしょうし、あまり「行こう」とそそられない。作業机とかを再現したり過去に出たグッズを集めて展示することもありますけどね。それは工夫していて良いと思います。
ただ最近はデジタルのイラストを引き伸ばして額装して展示したり、漫画のデジタル原稿の印刷を「複製原画」と言って飾るだけの取って付けた展覧会もあって、それはどうもトンチキに見えます。
なんだよ複製原画って。複製原画?元はデジタルなのに複製原画?いやありますけどねグッズでも複製原画。あれ3万円以上出して定価で買う人いる…いるから売ってるんだろうなぁ。受注生産だからとりあえず出してるんだろう。しかし直筆サインとシリアルナンバーがあるならともかく無い物も多い。シリアルナンバー無い印刷物とかマジでクリアファイルと変わんねェすよ…。絵がほしいならクリアファイルで良いだろ。というか何で一緒にクリアファイルとか売るんだよ、価値が下がるだろ複製原画の。クリアファイルも額装すれば案外イケますよ。メロンブックスは最近サイン入りも売ってますが、どうせならシリアルナンバーも入れてほしい。6枚しか売れなかったら全部に1/6、2/6、3/6…って入れてよ~。同じ複製を冠しても複製色紙なら可愛いもんですよ、大概無料で配ったり特典でついてきたり、売るとなっても1枚500円程度(去年出た鬼滅のはブラインド26種で寸松庵の700円でしたが全部描き下ろしなんで)。デジタルイラストの…psdデータですか。その複製原画って何だよ。いっそpsdファイルのダウンロードコードもくれよ。それがオリジナルに一番近いだろ。資料として1枚持ってますけどジーグーレー印刷とかそんな大層なものではなくて肉眼でも点が分かります。あみあみで定価30,000円のところ処分価格で5,500円でした。キャンセル品か?額代だなオイ。今日は反AIの悪口を言いに来たんじゃないんですよ。デジタル複製原画の悪口を言いに来たんですよ。
AIは「手抜き」なのか、「手抜き」に勝るのか
「艦これ」や「けものフレンズ」などの当初それほど流行るとは期待されていなかった企画が突如として大ブレイクすることがあります。すると用意が出来ていないのにグッズ需要が生まれて取ってつけた質の悪い公式グッズが大量に発売されます。
とにかく急ごしらえで2ヶ月ほどでグッズを作って流通させないといけない。そうなった時に出るグッズは既存の立ち絵を貼り付けただけのストラップだったりタオルだったりショボいクッキーだったり…デザインの欠片もない、海賊版にも劣る雑な商品がなだれ込んでくる。ブームという集団催眠が解ければ2、300円が公正の代物であふれかえる。
今調べたら艦これのメインキャラとか2013年10月から年末までに1キャラ30~40品目出てましたよ。島風に至っては50品目。家に1個ありゃいいだろ、どれか。そして少し凝ったやつはデザインがひどい。何もしないほうがマシだ。今までアクリルスタンドの意味がわからないと思ってましたけど、些細なサービス精神で原作立ち絵を汚されるくらいなら、余計な事をしていない全身図を得られるアクリルスタンドの方がずっと良い。そうだったんだ…。俺分かったよ、模型畑の俺がアクリルスタンドの良さ分かったよ。
ともかく、こんな見るに耐えない物で市場を埋め尽くすくらいなら、AIに頼ってサッと加筆でそこそこの新規イラストを貼付けた方が遥かにマシに思えます。
ただしこれは発売まで時間がないという時の窮余の策といった側面が強く、普段のグッズでもこれがまかり通ると「手抜きじゃねえか」と思ってしまう人が出るのも分かります。
この文章書いてる時にまさに現在進行系で起きた。プリキュアの20周年グッズのAI嫌疑。またすげぇ揉めてる。あずきあずき!あずき乗せて!
確かに人の手による描き下ろしならそこに価値が生まれるが…グッズとして考えると劇的なものではない。AIイラストなら200円でも売れないクリアファイルが元絵が手描きなら1000円で売れるとか、原画が油彩なら3,000円で売れるとか、そういう話ではない。商業デザインというのは制作の過程が見えません。イラストレーターの名前が出ている場合は異なる評価軸が発生しますが、大半である無記名のグッズの場合は販売されたグッズの出来、企画の出来が全てになります。元絵がAIだろうと油彩画だろうと、制作時間が3時間でも60時間でも、販売されたグッズの出来が全てです。商業デザインに努力や苦労といった言葉は通用しません。
「描き下ろし」という付加価値の一点で販売価格がそんな何倍も左右される訳がなくて…。どんな出来でもクリアファイルに500円以上出せませんよ。腰巻お仙だって396円なのに。別にクリアファイルに限った話ではなくコレクター用語で平面物と言うが平面はとにかく需要が薄く、40~50年前から長きに渡って立体物より圧倒的に評価が低くなっている。元がAIだろうと手描きだろうと、印刷物は本質的な価値が薄い。
あともう一つ「描き下ろし」と言っても、この中にランクがあって手抜きの描き下ろしと、凝った描き下ろしが存在します。
一度に様々なグッズを展開するのであれば、クリアファイル、缶バッジ、複製色紙、Tシャツ…と使う商品の形によって、それに適した構図を考えて書き下ろすのが良い企画であり、腕の良いイラストレーターのグッズです。ある意味この部分はまだAIは追いついていないかもしれません。でも無ェんだよそんな上質な企画は滅多に…描き下ろし1イラストで4グッズ5グッズ使い回しが当たり前になってる。手抜きがメチャ常習化してる。誰かが買うからだぜ。チェだぜ。イラストレーターが悪いんじゃないです。「周年企画なんで6グッズ全部別に描き下ろしますよ‼️」と啖呵を切った所で通るとも限りません。メーカーにはメーカーの都合があります。
1個のイラストで何個もグッズを作るってのは、個々のグッズの価値を下げる事になるんですよね。一枚絵として完成している素晴らしいイラストがあったとして、それをタペストリーだけに使うのであればグッズとして高く評価できます。その絵を所有するにはコレを買うしかない訳です。ところがタペストリー、アクリルパネル、複製原画、クリアファイル、メガネ拭き…とマルチに展開すると、消費者は選択肢が増えるが個々のグッズ(特に高額な物)の価値を損なっている。最悪なのはサインもシリアルナンバーも無い上に元絵がデジタルで同時にグッズをマルチ展開している複製原画だ。
今回のプリキュアのグッズはと言うと…基本になる元絵が2枚+背景ほかに使うティーポットやステッキが散りばめられた素材が1枚。それらを各種グッズに貼り付けています。正直な感想を言えば、20周年を本気で祝うつもりであればグッズ事に描き下ろしをしてほしい。しかし現実として、あまりにこの手のグッズは1枚の絵から大量のグッズを量産してる物が多すぎて相対的に良心的なグッズになっています。背景素材の存在が雰囲気を統一しまとまりが良いし、手抜きっちゃ手抜きだけど悪くはない企画です。絵の出来もまあ普通じゃないですかね。雰囲気はかなり良いですよ。
文章を推敲している間に公式発表でAIでは無いという発表がありました。
「AIだから価値がない」「買わない」と言っている人が結構居ましたけど、手描きだろうと印刷物である以上はそれほどの価値はないグッズです。しかしこの企画以下の限定グッズ・◯◯周年グッズは山ほどあるし、AI使ってたとて叩かれ過ぎやないすかね。決して悪くはない企画ですよ。あとイラストが2パターンあれば完璧でした。この程度で燃やすんなら1回700円で平面グッズしか無いブルアカ一番くじをもっと燃やしたほうが良い。立体なら何でも良いわけじゃねえからな、1回500円で7種類集めないとデストロイアが完成しない上にヒデェ出来のカプセルトイは許さねえぞ。別にバンダイの悪口は言いに来てないのでこれくらいにしておきます。
もし手描きの素材イラスト1枚から雑に切り貼りして作られた8種類のグッズと、AIを部分的に使っているけど全部イラストが専用で作られた8種類の平面グッズがあれば、私は後者の方を10倍は評価します。
ただ絵が違うだけではダメなんですけどね。ちゃんとそのグッズの形や大きさに応じたデザインである必要があります。構図をイラストレーターがザックリと考えて、それをi2iでAIがある程度形にして、コレを元に1から絵を描いたり、場合によっては加筆して。これが正しいAIの使い方でしょう。だいたい優秀なペイントソフトが増えすぎて補正まみれなんだから今更だよもう。
まあ今回のグッズは負の文脈ですが歴史の1ピースになったので今のうちに買っておけば後々意外と値段がつくかもしれない。AIを特集した特別展とかで展示される可能性もある。
とりあえず立ち絵流用しただけの缶バッジとかストラップを絶対に買うな!流行り流行りで流されんな!酔ってんだよ!なっ!メーカーに楽させるな!!あいつら大してコストもかかんねぇから作るだけ作って余ったら産業廃棄物にすりゃいいと思ってんぞ!!わからせないといけない。覚悟のない手抜きグッズは買うな。絵で買うならホントに気に入った絵だけ買え。紅梅キャラメル以来にメーカーをわからせてやれ。新しく出たどうしようもねえグッズ買うくらいなら過去を掘り返せ。まだ2000年代の食玩全盛期に出た今生産したら1,000円近くするフィギュアが安く売ってる。そういうのディグれ。過去の良作を買えば金が流れねぇから困るぜメーカーは。駿河屋は儲かるが…。駿河屋に支配されるのも考えもんd……いやもう支配されつつある…。今日は反AIの悪口を言いに来たんじゃないんですよ。絵を大量に使い回して限定グッズを作るメーカーと平面グッズの悪口を言いに来たんですよ。
えっ、作品を応援するために手抜きなの分かって買ってる…?なら止める理由もないですが;;
これから商業でAIが使われまくるのは必至です。そして「AIで出したなオメー」という批判逃れのためだけにAIイラストを下絵にしてなぞる、なぞり師みたいな人が出てきますよ。これはもうバイトがマニュアルに沿って1枚4,000円という仕事でしょう。コミックのカラー版電子書籍みたいに。またどっかでバレて揉めるぜ。あずき用意しとけ。
雑誌のカラーピンナップみたいに担当したイラストレーター、アニメーターの名前が出ることが多くなるでしょうけど、結局名前出した所で揉める時は揉めますよ。メーカーが手描き前提依頼しても実際には使っててバレる奴が絶対出る。多分タスクバーとかで。あずき用意しとけ。
おれが心の底から美しいと思った平面グッズは☆画野朗の双子が春を売ったC84タペストリーだけだ。
不便と時間が価値を生むが
いくら平面物のグッズを否定しても絶対に無くならないのも事実で、実際ああいうグッズには手抜きが多いと分かってる人は多いはずです。それでもイベント会場とか特設ショップで「限定」と冠して売られると勢いで買ってしまう事もあるでしょう。悪く言ったら催眠商法的とも言えますが、ある意味これも付加価値であると言えます。グッズの質を上げるのではなく、敢えて客に障害を与えたり、空間で特別感を生む手法です。
そしてどうしても無視できないのが時間。やはり「出来が全て」「過程は関係ない」などと口では言いつつも、費やした時間という価値は無視できないほどに刷り込まれています。相変わらず商業デザインは出来が全てという考えですが、個人取引に於いては重要な価値が発生します。私は長らくSkebのアンチをさせていただいてるのですが、SkebのAI禁止は厳しすぎると思う反面こういう点で致し方ないところがないと思います。あのサービスは完成したイラストという結果だけではなく、お願いする時から依頼が通るか、通らないかという曖昧な部分の緊張感や完成までの時間が価値を生んでいるからです。
結局のところ人間の言う「愛」とか「魂」とか「温かみ」なんてもんの正体は費やした時間でしか無い。我々は間接的でもいいから奪いたいんですよね、他人の時間を。だからAIに愛がないってのはこの考えで行くと確かに間違っていない。BOOTHで買うときも倉庫発送と自宅発送だと何か自宅発送の方に特別感を感じるのは、やはり梱包なり発送なりで相手の時間を奪っているからですね。手製本のコピー紙なんかもそうです。
Skebの話をすると「NAIv3君ならお伺いもNGも無ェじゃン」という人も居てそれも選択肢の一つですが、本当に好きな作家に依頼文を送り、それを目を通してもらって断られるリスクもありつつ作品が完成するという過程に価値を見出すのは当然だと思います。おれはデジタルあんま欲しくないしSkebのアンチさせていただいているので一度も依頼した事はないが…。
逆にいうと「本気で好き」ではない作家の需要が落ちるのは間違いない。とりあえずの依頼は減るしAI(自家消費)に取られてしまうだろう。これからは実力はもちろんのこと熱心なファンをどれだけ増やせるかの勝負になる。あるいはアナログに戻るか…。
ミクさんの言う通り
『pick it up.』
ミクさんの仰るとおりです。いや、あれはミクさんじゃないか…。ミクさんっつうか、初音ミクのコスプレをした口汚い海外の誰かですけど…。まあ言ってる事は非常にわかります。みんなペンと紙を持ったほうが良い。全員だ全員。
もっとアナログ絵を売ってくれ。もう画材なんて何だって良い。ビニール袋でもしゃもじでもドリキャスでも良い。何でも良いから描いて売ってくれ。BOOTH・ヤフオクで売ってくれ。値段をつければ何だってグッズになる。それが一番のグッズなんですよ。
これからどうやったってAIの嫌疑がつきまとう。それを振りほどくのに一番手っ取り早いのはアナログの絵です。そんなしっかり仕上げる必要もないし完全に切り替える必要もない。とりあえず10枚に1枚くらいアナログで描いて、こういう芸当も出来るってポーズさえ見せりゃ納得するものです。それで売ってくれよ描いたものを、しっかりした絵なら最低3万4万は出すから…
アナログはいいですよ、だって誰がやろうと「実物」っていう確実な価値が付与できるんですから。所有権ですよ所有権。所有権に取り憑かれてるんだもう…。ただアナログなら何でも良いかって言われたら違うんで気をつけて下さい。
時間をかけようと結局印刷と同じにしてはダメです。つまり1個の元絵があったとして、それと全く同じ図案を量産するのは値段がつきません。
サイン本ってありますよね。あれって特約の書店やイベントで30部50部、結構まとまった数が売られることがあります。この手のサイン本は数作る必要があるので署名だけとか、絵でもデフォルメ強いものが多いです。
ところが数売られた物なのに相当細かく絵を描き込んでいて凄いな~と思いながらも、値段が全然上がっていないサイン本がありました。
複数出品されていたので、見比べてみると…絵のパターンが全部同じです。図案が同じというレベルではなくて全く同じ。間違い探しどころじゃない。2枚並べてチャカチャカ切り替えてやっと違いが分かるくらい一緒。乳輪の膨らみを表現した点が6個なのまで同じでした。
しかも見返しに直筆じゃないんですよ。別の紙に描いてあって、それを四角く切って見返しに糊ではっついてる。つまり確実に下絵があって、トレーシングしたイラストだったんです。まあ量産するには仕方がない…仕方がないのだが、こういう直筆イラストは相場が低くなる。パッと見で凝った絵なのに値段が伸びない理由が分かりました。この出来なら5,000~6,000円、人によっては1万円で買うかも知れないのに、相場は3,000円でした。
つまり我々は作業の時間だけではなく、作業の方法や思案する時間までも値段に組み込んでしまっているのです。しかもこれは単純な問題ではなく、なんとも微妙な感覚で値段が決まっている。これは極端な例ですが同じ構図を量産するのはあまり宜しくない。やるにしてもトレスは厳禁で、1つの構図を量産するなら崩れてもいいから勢いよく描いたほうが良い。こういったイラストは絵というより書の評価に近い。
じゃあAIで構図出しまくって参考にするのは…?
それはOKです。だって基本バレようがないし…よほど下手(上手?)だとバレるけど。コレに関しては出来が良ければ全然買いますよ。
そもそもヤフオクの直筆イラスト界隈ってトレスばっかだし…。ドブ。ドブ以下。みんなパクってる。みんなは言いすぎだけど飯食う為にパクるやつは凄いぞ。pixivの人気イラストをトレスして二次創作な上に性器だけ描き込んで無修正だったりする。大犯罪者。それが100人単位でいる。大犯罪者まみれ。
そういう世界です。まあ薄い紙と違って分厚い色紙に写すってのはそれはそれで技術がいるんだが…大犯罪者。薄い紙は特に気をつけろ。でも売れちまうんだよそれが、8,000円とか1万円とか。7万ついた事もあった。見る目ねぇなどいつもこいつも!pixivで16万閲覧の丸写しを7万で買って。その金で作家に直談判しろ。
これらが常習化した結果、パクリをしていない真っ当に上手い作家でも、出たてだとトレスのリスクを恐れて値段が上がりにくくなってしまった。20点30点と出品して、トレスの被害報告や指摘上がらないとようやく安心感で値段がつき始める。もうヤフオクの時代は終わった。これからは直談判の時代だ。5年くらい買ってねぇ。
ちなみに常習的なパクリ出品者はある程度罪を重ねてバレるとIDが晒されてパクリの烙印を押されるので雲隠れ、時間を置いて別のアカウントで復活する。評価一覧の頭のほうで相互評価を名目にした画像素材を買っていたか?そうです。
結局は枚数描くことですね。描き続ければそのうち値段が着いてきます。変わった画材で差別化図るのも良い。ドリキャスに描け。飲み屋でマッチ箱に即興で描いて売りつけて酒代に当てる時代に戻りましょうぜ。
最後に残るのはイイやつ
AIがどれだけ普及しようと、費やした時間の価値というのは染み付いていて容易く振りほどけるものではありません。千年単位で染み付いてんだよ振りほどけねえよ。いくらシニカルぶっても私が作家でファンアートを貰ったら美麗なAIでもまあ嬉しいですけど、やっぱり多少拙くても手描きのほうが嬉しく思ってしまう。
そうなってる以上は劇的にイラストレーターの仕事が減る事はないと思いますが、それでも取り合いになります。取り合いになった上に技術は拮抗している。全員の作品が90点以上という世界で最後に左右するのは人柄になります。もう名前だけで客を呼べるレベルになると話は別ですが、それ以外の駆け出し~中の下クラス。このランクだと素行はいいか、問題行動はないか、万が一でも大地雷発言をしてプロジェクトに打撃を与えないか… 横並びで誰でもいいとなったら企業は善人から選ぶでしょう。
個人でも同じで、どこを見回しても上手いやつばっかで自分好みの絵柄やジャンルだけでもよりどりみどりとなったら、最後は減点方式になってしまう。受け取った作品を見る上で、「でも、こいつそういや…」って思うノイズは極力減らしたい。もうこれからはサービス業ですよ。それこそウザいけど絵は良いってなったら絵柄だけヒョイって拾われてAIに喰わされて終わりです。絵だけで惚れさすんじゃダメで、人として惚れさせないといけない。
スーパーマーケットのレジ打ち日本大会があったんですけど、当初は金額を手打ちしていたので技術で大きく点が伸びていたのが90年代にバーコードが導入された影響で技術点のレンジが狭まり、結果的に接客態度が合計得点を左右するようになってしまった。それに近い。トリビアの泉でやってた。これは本放送で見た。
こいつガレソRTしてんな、とか。ナニカと戦ってるとか。ざっと最新のツイート100~200件とメディア欄を見てヤベェやつだと思わせてはいけない。まだ焼き肉と寿司とソシャゲのスクショで埋め尽くされてるほうがマシだ。とりあえず無害な人間と思わせるのが絶対条件。あと「安易に流行りに便乗してる」とか「二次創作で金取ってる」みたいな事も減点入ってくる。専門外の事に首を突っ込んではいけない。
今はまだ生成イラストを企業がちょっと使っただけで袋たたきにされていて恐怖政治的にAIを使うリスクのほうが高い風になっているが、どこかでAIを使って批判されるリスクとイラストレーターを使って問題を起されるリスクがひっくり返る時が来る。「データセットが無断学習」と「児童ポルノが紛れてる」をAI批判の武器にしてるけど、それ解決したらどうすんすか。そもそもノイズ拡散とか解消して誰も見抜けなくなる可能性だってある。
だからってイラスト壁打ちにするのはやめた方が良い。AIの弱点である芸術してのチープさ、つまらなさ、文脈の不在に付け込む事を考えると、壁打ちアカウントは確かに炎上とは無縁になるしミステリアスな雰囲気があってカッコ良く見えるかもしれないが、人間味がなさすぎるのは決してプラスにはならない。さらけ出す必要はないがどこかで絶対に人間的な弱みを見せた方が良い。それにこういう手法はもうやりつくされて食傷気味になってて一周回ってダサい。
実際自分が一番好きな作家をなんで好きか考えたら、40%は人柄という結論になってしまった。ホントいい人なんで…。ただこんなに好きでも突然何かに目覚めて薄っぺらいヘイト発言したり、マリみての目も当てられないヘテロ同人を発表したら40%は0になってしまうでしょう。
そっとフォローを外して本棚の前で動かさまいか悩んでそれでも動かせずに無意識に目を合わせないよう生活する事になる。
個人的にはイラストレーターの評価の内、人柄やSNSの運用というのが半分近くを占めていて、少しのことで容易く崩れてしまう。よく「作者の素行と作品を切り離せ」「作品を人質にするな」と言う人が言うが、切り離せるわけ無いだろう。イラストだって漫画だって全部コスプレなんだよ。俺らは作者のコスプレで抜いてんだ。
マジでポピーtheクラウンには真実しかねぇな。
ボク達ヤサイ ボクチンコの精神
DJ目ヤニを見習ったほうが良い
https://www.famitsu.com/matome/chonaikai/images/000/137/764/59689f66f1468.html
結論
・AI規制は無理
・絵柄のパクりもどうにもならん
・人の絵柄を出して引け目感じたらアマギフで手打ちにしろ
・誰でも出せるAI絵に価値はないし成長もないので芸術として安物
・だからって手描きのデジタルイラストもそこまで価値はない
・クソみたいな二次創作がまかり通ってる以上AIも受け入れろ
・平面グッズには価値がない
・新作の手抜きグッズ買うなら過去の良作買ってメーカーに金流すな
・サインもシリアルNo.も無いデジタルの複製原画わけわかんねえ
・所有権は強力
・手描きの絵を売ってくれ
・人間は時間の価値が振りほどけ無いほど染み付いている
・なのでAIイラストが普及してもイラストの仕事は思うほど変わらない
・品行方正なやつほど売れる
・ポピーtheクラウン(日本語訳バージョン)は真実しかない
・DJ目ヤニを見習ったほうがいい
(2024年3月28日19時:誤字修正、『ミクさんの言う通り』加筆。29日1時、『AIは「手抜き」なのか』加筆。アクリルスタンドの良さが分かりました)
(2024年4月8日21時、あらぬ誤解を生みそうなのでサムネイル画像を適当にフォルダから「びゅうお」から国際展示場に変更。)
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