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生成 AI を使って、日々の習慣に英語学習を取り入れよう!

こんにちは。Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。

忙しいビジネスパーソンが英語学習を継続させるには、日々の習慣に英語学習を取り入れるのが手っ取り早い方法でしょう。

生成 AI を活用すれば、今使っているビジネスツールがそのまま、あなたにとってのオリジナルな英語教材になるかもしれません。今回は、英語の習得をスピードアップできるような英語学習法を研究・発信している Kumiko さんに、Gemini のアドバイザー・けんすうさんとの対談を通じて、Gemini を活用した英語学習の習慣化について教えてもらいます。

※ Gemini の回答は常に正しいとは限りません。実際に Gemini を使用した際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただきますようお願いいたします。


自分だけのオリジナル教材を作成しよう

けんすう:前回、「習慣化」のお話があったと思いますが、あれは本当に大事だなと感じていて、いかに日々の習慣に英語学習をフィットさせるかがポイントだと感じています。

Kumiko:ビジネスシーンで考えると、たとえば Gemini の場合、同じ Google 製品の Gmail との相性がいいですよね。たとえば簡単なところでお伝えすると、英文メールの返信案を Gemini に考えてもらう、みたいな使い方はすぐにできます。メール文面をコピーしてプロンプトに打ち込む形でもいいですし、面倒であればメールの文面をスクリーンショットして、そのまま Gemini に画像でインプットして、返信案を考えてもらう形でもいいです。

プロンプト例

このメールの返信案を英語で作って

Geminiからの回答

Kumiko:さらに、そこから今後に使えそうな単語や言い回し、フレーズなどを、解説とともにリストアップしてもらうのもいいでしょう。

プロンプト例

このテーマで使うと思われる単語やフレーズを、解説とともにまとめて

Geminiからの回答

Kumiko:ここで列挙された単語などを、表形式にして Google スプレッドシートにエクスポートすれば、フラッシュカードアプリに流し込むデータも効率的に作れます。ここは、最初にお伝えしたフラッシュカード作りのとおりです。

けんすう:なるほど、生成 AI を使うと、メールがオリジナルの教材になるというわけですね。

Kumiko:少し応用例もご紹介すると、特定のタスクに特化した Gemini を作成できる「カスタム Gem 機能」を使って、自分の過去のスタイルや人物像を設定した上で、メールの返信案を考えてもらうように設定するのもいいでしょう。

名前とカスタム指示を入れた Gem 作成画面

カスタム指示例

あなたは英文メールの文面を適切な内容に添削し、ポイントを教えてくれる先生です。
@Gmail のこれまでの送履歴を参照し、私の返信スタイルを前提にした上で、英文メール案を添削・ブラッシュアップし、さらにポイントとなる単語や文法を解説してください。
返信文面は、自然なビジネス英語になるようにお願いします。

※カスタム Gem 機能については以下の記事もご覧ください。

けんすう:これも便利ですよね。メールの返信案作成だけじゃなくて、先ほどのリストアップの作業もセットでカスタム Gem にしても良さそうですね。

Kumiko:いいですね! 今お伝えしたのはほんの一例で、たとえば自分で書いた返信案を添削してもらったり、英語のニュースレターを要約してもらったりなど、いろいろな用途が考えられます。また、Gmail に限らず、たとえば多聴のところでやったような YouTube × Gemini で仕事に必要な情報を収集してもらったり、多聴のところでやったようなお気に入りの日本語ブログで英文理解をしたりなど、いくらでもオリジナル教材を作れそうです。

けんすう:市販の教材の問題って、リアルさに欠けるところじゃないですか。たとえば「大使館までの行き方を教えてください」と書かれていても、実際にそんなシチュエーションになることって滅多にないですよね。それに対して今ご紹介いただいたようなアプローチだと、ベースがリアルなやりとりなので、教材との向き合い方も変わってきますね。

学習方法そのものに困ったら、それ自体を Gemini に聞いてみるのもアリ

けんすう:Kumiko さんって、生成 AI を活用した学習法を色々と発明されていらっしゃるじゃないですか。今回のシリーズでたくさんの Gemini 活用法を教えてもらったのですが、どうしたら読者の方々も、自分なりの使い方を見つけることができると思いますか?

Kumiko:いきなり「考えて」と言われても、なかなか思い浮かばないと思うので、とりあえず今回私やけんすうさんが挙げたやり方を実践してみてもらって、徐々に生成 AI の性質がわかってきた段階で、自分なりのアレンジができていくと思います。

けんすう:あと、そのまま Gemini に英語学習の進め方を相談するのもありだなと、お話しをしながら思いました。

プロンプト例

英語学習したいんですが、どうしたらいいですか

Geminiからの回答

Kumiko:実際に相談してみると、いきなり回答するのではなく、まずは「どんなふうに英語を使いたいか?」などの質問から始まっていますね。

けんすう:こういう質問をしながら回答していってくれるので、人によってどの学習スタイルがいいかとかも、Gemini に相談しながら決めていけそうですね。

Kumiko:あとは、相談内容がそのまま、自分の振り返りにもなりますね。たとえばジムに通っている方であれば、ランニングマシンを走っている時にできるような学習法を頼んでみてもいいかもしれません。現に私の生徒さんで、ジムにいる間に多聴を実践している方もいますよ。

けんすう:音楽を聴くみたいに英語のリスニングができる、というわけですね。

Kumiko:他にも、運転中に英会話の練習をしている方もいますね。まるで助手席に人がいるかのように会話できる、とおっしゃっていました。

けんすう:しかも、後からそのやりとりを文章で確認することもできますからね。個人的には、モチベーションを上げるための対話相手として Gemini Live を使うのもありだなと思います。もう、延々と励ましてくれるじゃないですか。「今日は英語学習のやる気がないんだけど、どうしたらいい?」くらいのところから相談できますよね。

Kumiko:コーチみたいなものですね。

けんすう:そう考えると、もはや生成 AI があること前提で、学習計画も考え直した方がいいですね。既存の英語教材にどうやって生成 AI を適用しようか、ではなく、そもそも生成 AI を使ってどうやって学習を進めていくかと。

Kumiko:すごくいいと思います。

Gemini が横にあるだけで、可能性が広がる

けんすう:ここまで英語学習への生成 AI の活用についてじっくりと伺ってきたわけですが、逆に Kumiko さんとして、なにか新しい発見などはありましたか?

Kumiko:けんすうさんの活用例を伺っていったことで、一つの学習法から複数の学習法へと色々と応用していけることを改めて実感しました。瞬間英作文から Gemini Live を使ってロールプレイングに進んだり、多読した文章から重要な単語をピックアップしてフラッシュカードを作ったり。

けんすう:Gemini が横にあるだけで、色々と可能性が広がりますよね! 今まで、英語学習をはじめる瞬間や、瞬間英作文の後の多読に進むまでの面倒さ、あとはそもそも教科書のテーマに興味を持てないといった課題があったわけですが、これらをまとめて解決してくれるんだなと実感しました。こうなると、やらない言い訳が無くなってくるので、困るな〜と感じています(笑) ちょっとずつでもやってみることが大事だと思うので、次回お会いするときはぜひ、英語ペラペラになっていたいと思います。

Kumiko:楽しみにしています!

けんすう:ということで、今回は全 4 回にわたって、ありがとうございました!


Kumiko さんが最後におっしゃっていたように、Gemini を活用することで、一つの学習手法がさまざまな学習手法へと応用されていきます。

まずはお二人から紹介のあった取り組み内容を実践してみて、そこから徐々に自分にとっての最適な教材・学習のしかたを見つけていただければと思います。

ぜひこの記事をきっかけに、最新の Gemini を英語学習に役立ててくださいね。

けんすうさん × Kumiko さん対談シリーズ

対談者プロフィール

Kumiko
カナダで語学学校を 10 年経営し、IELTS 対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導。オリジナル教材やカリキュラム作りも数多くこなし、延べ 50 人以上のネイティブ講師やバイリンガル講師へ指導法のトレーニングを行う。著書に『分野別×言い換え力 スピーキング攻略 IELTS 英単語』(明日香出版社)、『独学で英語を話せるようになった人がやっていること』(リチェンジ)がある。

けんすう(古川健介)
アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006 年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009 年に株式会社ロケットスタート(のちの株式会社 nanapi)を創業。2014 年に KDDI グループにジョインし、Supership 株式会社取締役に就任。2018 年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。