アイデア出しが苦手な人が、苦手じゃなくなる方法
「アイデア出しが苦手」「その発想はなかった」
そういった言葉を耳にすることがあります。
アイデアというものがまるで、なにか特殊能力者が「神降ろし」をするように引き出してくるものだ、とでも言いたげな言葉です。
「急にひらめきが」「いきなりアイデアは出ない」
といった言葉は、まるで、ひらめきや思いつきが、偶然の産物でしかないかのような言葉です。
本当にそうなのでしょうか?
アイデアの定義
1940 年に出版されたジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」では、アイデアのことを「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と定義しています。
また「まだ誰も見たことがないものを創出するのではなく、誰もが知っているものをいかに組み合わせるかがアイデアである」とも言います。
つまり、アイデアを出すこととは、すでにこの世に存在しているものの探索であり、発見なのです。
なせアイデアが出せないか
アイデア出しの苦手な人は、
「何か新しいものを考え出さなくてはいけない」
「誰も考えていないものを考えないと」
と思いがちです。
(いろんな意味で)そんなこと考えなくて大丈夫です。
まず、新しいものを自分が思いつけるという意識を捨てましょう。
あなたが思いつくものは、ホモサピエンスの40万年の歴史のなかで、たくさんの人が何度も何度も思いついています。思いついたものが具現化されていないだけだと認識することです。
今、あなたが思ったことは、世界70億人のうち10人ぐらいが同時に思っています。それに自覚的になることです。「自分は新しいものを作り出せるんだ」という考えを捨てることから始めましょう。
そしてモノ・コトのカタチで最初にイメージするのをやめましょう。
アイデア出しの結果としての「モノ」「コト」に最初にフォーカスしすぎなのです。具体的に思い浮かぶものなら、すでに誰かが思い浮かべています。ぼんやりしているなら、そこで捨てないで、あえてぼんやりのまま受け入れてみましょう。
あとは、狙いにいくのをやめましょう。
「他人が喜ぶだろうもの」狙いにいく、これもアイデアが出せない理由の一つです。なぜならそこには自分がないからです。自分のうちにある、どうしようもない衝動、それを行動のベースにしましょう。
※「新しい、他人が喜ぶ、モノ」を、知識ゼロからいきなり具体化できる方は天才でいらっしゃいますので、そのまま天才を伸ばしてください。それが世界のためになります。
アイデア出しとは、よい「問い」をつくること
「何か新しいものを考え出さなくてはいけない」
「誰も考えていないものを考えないと」
アイデア出しの苦手な人は、このように強迫観念めいた考え方をして、他人の評価の枠に合わせにいこうとします。
しかし、アイデア出しをうまくできる人は、全然違うアプローチをします。
アイデア出しをうまくできる人がアイデアを出すときにしていること、
それは「問い」をつくることです。
例えばこのようにです。
「新しい」とはなんだろう?
「誰もが思いつかないことを、思いつくにはどうすればいいだろう?」
そうすることで、問いをさらに重ねることがきます。
「新しい」とはなんだろう? → 誰にとっての「新しい」なのだろう? → 「ユーザーにとって」 →「では逆にユーザーにとって既知のものはなんだろう?」
「誰もが思いつかないことを、思いつくにはどうすればいいだろう?」→「思いつかないとは、深さだろうか?範囲だろうか?」→「まず範囲を担保するにはどうしたらいいだろう?」→「とりあえず数をだしてみるのはどうだろう?」
このようにしていくつもいくつも問いを重ねることができるので、答えに「量」を出すことができます。
そして、「問い」とは軸でもあります。
軸を持つことができれば「逆」「裏」「対偶」を求めにいくことができます。
そうして、生まれた「量」の中から、
・新しさ
・カタチにできそうか
・他人の評価
という観点から、ピックアップすればいいのです。
「量」が「質」を担保することになります。
アインシュタインはこういう言葉を遺したと言われています。
“If I were given one hour to save the planet, I would spend 59 minutes defining the problem and one minute resolving it.”
「私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59 分を 問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう」
うまく問いを作れたら、もう90%以上終わっているのです。
そして、1時間で地球を救うためには、普段から問いのパターンを、いくつも用意しておくことです。単純なのは、5W1Hでもよいでしょう。
問いのパターンも、自分が思いつけると思わないことです。
偉大な先人たちが問いのパターンをつくる道具を遺してくださっています。
問いのパターンをつくる道具=強制発想法
強制発想法として、量を出すフレームワークがいくつかあります。
オズボーンのチェックリスト
9つのチェック項目にそって発想する。
1.転用 他に利用法はないか?
2.応用 他の分野、他商品から応用はできないか?
3.変更 色、形等変更したらどうなるか?
4.拡大 個数、大きさ、回数、濃度、対象範囲を増やしたらどうなるか?
5.縮小 個数、大きさ、回数、濃度、対象範囲を減らしたらどうなるか?
6.代用 なにか他のものに代用できないか?
7.置換 順番、時間、方法、レイアウト等を入替えるとどうなるか?
8.逆転 上下左右、+ー、やり方、役割を逆転させてみるとどうなるか?
9.結合 組み合わせてみたらどうなるか?
https://www.ifm.eng.cam.ac.uk/research/dmg/tools-and-techniques/osborns-checklist/
SCAMPER法
SCAMPERのリストという48の質問項目が載ったリストを用意する。
Substitute(代用する)
Combine(組み合わせる)
Adapt(適応させる)
Modify(修正する)
Put to other uses(ほかの用途)
Eliminate(省略する、除去する)
Rearrange(再調整する)
の7つに分かれており、それぞれ3〜16個の質問項目が設定されている。
それらの質問を5秒で読み、アイディアを出せそうならチェック、思いつかなければパスして次に進む。リストを全部読み終わったあと、チェックを入れた項目に関してアイディアを出す。
MECEの使用
MECEは 抜けもれなく網羅する ための基本的なフレームワーク。Mutually:相互に
Exclusive:重複せず
Collectively:全体として
Exhaustive:漏れがない
全体としてそうなっている状態を指します。
一つの思いつきが出たら、それをMECEに分類してみると、他の枠に入るものは何か?を考えることができます。
一例として、年代・男女などで区切るもの、
一例として、プロセスとして表せるもの。
ほかにも
カヤックさんでは、こういうのを作られてますね!
まとめ
アイデア出しが苦手な人が苦手じゃなくなる方法
・モノやコトじゃなくて、「問い」をつくると意識する。
・まず量を出すことに注力する。
・量を出すための「問い」は、便利なフレームワークがあるので使うと楽。
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