夏の終わりはビーチボーイズ尽くし
本日は8月29日。2023年の夏もあとわずか。とはいえ毎日暑くてまだまだ夏が続きそうですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。ぐっでぃテレビのモーリーです。
今回のnoteも完全に趣味の回!?音楽noteの時間であります。最近は映像制作事務所のnoteだというのに、映像の話でも地元明石の話題でもなく、私は音楽話ばかりしているような気がしますが、いいんです!!楽しいのが一番なのでいいんです(笑)
というわけで今回は夏も終わりということで大好きなビーチボーイズ尽くしの音楽noteで行ってみたいと思います。
ビーチボーイズは私の大好きなアメリカのバンドなんですが、大好き過ぎて一言では語り尽くせず、語りだすと本当に長くなりそうで、結局なかなかnoteでも語ることが出来なかったバンドの一つでもあります。
でもせっかくなので今回は夏の終わりにビーチボーイズの好きな曲を出来るだけ肩の力を抜いて、ラフに語ってみたいと思います。何のまとまりもないnoteになっちゃいそうですが、夏の終わりのひと時にラジオ感覚でお付き合いいただけましたら幸いです。それでは早速行ってみましょう!!
Don't Worry Baby(ドント・ウォーリー・ベイビー) -1964‐ / The Beach Boys(ビーチボーイズ)
まずはビーチボーイズの中でも大好きなバラード曲『ドント・ウォーリー・ベイビー』から行ってみましょう。
ひょっとするとビーチボーイズと言えば『サーフィン・USA』などのサーフロックンロールナンバーじゃないの?はたまたアルバム『ペットサウンズ』や『スマイル』などビートルズにも影響を与えたアートロック的な曲じゃないの?と思われた方もおられるかもしれません。
でも私の中でビーチボーイズの魅力と言えばバラードなんです。もちろんペットサウンズも好きですし、サーフロックナンバーも好きなんですが、ビーチボーイズの魅力は時にノスタルジックで美しいバラードがあるからこそ、『サーフィン・USA』などのサーフロックンロールナンバーも『ペットサウンズ』などのアートロック的な曲も映えるんだと思うんです。いわゆるバラードがあるからこそ陰影が生まれるっていう感じでしょうか。
『ドント・ウォーリー・ベイビー』は1964年のにリリースされた『アイ・ゲット・アラウンド』のB面として発表された曲でフィル・スペクターがプロデュースしたロネッツの作品『ビー・マイ・ベイビー』から影響を受けて作られた曲としても有名です。(ちなみにA面の『アイ・ゲット・アラウンド』はビーチボーイズとして初の全米1位を獲得した曲です。)
歌詞の内容はというと、ナイーブになった男の子を、彼女が”必ず上手くいくから心配しないで”と勇気づけてくれるという内容。その言葉に勇気をもらい頑張れるんだというティーンの揺れ動く気持ちを歌ったもので曲だけでなく歌詞もなかなか胸キュンなものです。
この頃からビーチボーイズはレッキング・クルーと呼ばれる腕利きのスタジオミュージシャンを集めて曲の録音を始めます。その甲斐もあって演奏力は初期に比べとても分厚いものになり、この頃からリーダーのブライアンウィルソンは自分の求める音の追及をどんどん進めて行きます。
We'll Run Away(ウィル・ラン・アウェイ) -1964- / The Beach Boys(ビーチボーイズ)
シングル曲でもないので地味な曲かもしれませんが、超大好きなバラード曲『ウィル・ラン・アウェイ』。1964年に発表されたアルバム『オール・サマー・ロング』のB面に収録された隠れた名曲です。
歌詞の内容はというと若いカップル(多分ティーンかなぁ?)が駆け落ちして結婚しようとしている内容のようです。まぁ駆け落ちはあまりお勧めしませんが、ティーンの衝動的な気持ちの揺れ動く様を、ブライアンウィルソンの美しいファルセットボイスでメランコリックに表現しています。
この頃からだんだんと『ペット・サウンズ』前夜的なナイーブで繊細な音の作りをしているのを複雑なコーラスワークからも感じることが出来ます。また歌詞の世界観も、ただ単に夏だ!海だ!車だ!恋だ!みたいな単純なものではなく少しずつティーンの心の揺れ動きのようなものを表現するようになってくるのも感じることが出来ます。
このアルバムがリリースされた1964年はまだまだ楽しいカラっとした曲もたくさんありますが、この頃から少しずつ曲の世界観に陰影のようなものも出てくるのも聴いていて興味深いところです。
Our Sweet Love (アワー・スウィート・ラヴ)-1970- / The Beach Boys(ビーチボーイズ)
1970年にリリースされたアルバム『サンフラワー』に収録された『アワー・スウィート・ラヴ』。こちらもベスト盤などに収録されているかどうかも微妙な地味な一曲。しかし曲の美しさは天下一品です。
という私も今でこそ”天下一品”だなんて賞賛のコメントが出てくるのですが、実は若いころは『ペットサウンズ』以降のビーチボーイズは今一つ聴く機会も少なくてあまり好きになれずにいました。(私がビーチボーイズと出会った90年代はこのアルバムからレコード会社が変わったからか、70年代以降のビーチボーイズのアルバムはほとんどCDで聴くことが出来ませんでした。)
私は高校時代、当時1万円以上もするグッドバイブレーションズ・ボックスセットを一世一代奮発をしてをGETしたことでこの曲と出会うことが出来ました。
『ペットサウンズ』以降リーダーでグループの音楽的中心人物だったブライアンウィルソンの調子が思わしくなく、グループはブライアン負担を出来るだけ軽くした形で存続を進めます。そんな中で作られたこの『サンフラワー』というアルバムはセールス的には散々なものだったそうです。
今でこそ名盤の一つとして語られることが多い『サンフラワー』ですが90年代当時もよっぽどのビーチボーイズファンだけが聴く隠れた名盤的な扱いで私も60年代の明るく楽しいビーチボーイズとのギャップの差になかなか受け入れるのに時間がかかったアルバムでもあります。
しかしこの曲だけは一聴しただけで好きになった曲で、そのメロディの美しさに耳を奪われたことを今でも覚えています。ちなみにうろ覚えで事実かどうか定かではないのですが、この曲は当時フランク・シナトラに提供しようとして書かれた曲だったとも言っていたような気がします。ただこの曲はブライアンが書きかけて頓挫したものを弟のカールとアルが最終的には形にして曲にしたそうです。
That's Why God Made The Radio(ゴッド・メイド・ザ・ラジオ〜神の創りしラジオ〜)-2012- / The Beach Boys(ビーチボーイズ)
最後の曲は2012年のメジャー・デビュー50周年を記念してリリースされた『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ〜神の創りしラジオ〜』で締めくくりましょう。もうあれから11年も経つんですね。時が経つのは本当に早いです。
結成50周年を記念してビーチボーイズはブライアン・ウィルソン、マイク・ラブ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンそして最初期のメンバーだったデビット・マークスが再び集まり、2012年にビーチボーイズは奇跡のニューアルバムを引っさげてツアーを敢行します。
当時日本にもやってきました。私も大阪市中央体育館で行われたライブにもちろん行きました。しかも前から3列目くらいの超いい席で見ることが出来、何度もマイク・ラブと目が合ったことを覚えています。(マイクはライブ中によく観客に指をさしてくれるのですが、私も指をさしてもらい微笑みかけてもらいました。超嬉しかったなぁ!!)
ブライアンのライブには何度か足を運んでいたのですが、生ビーチボーイズは初めて、超・超・超興奮したことを昨日のことのように覚えています。
その時にシングルとしても発表されたのがこの『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ〜神の創りしラジオ〜』。初めて聴いたとき60年代のビーチボーイズを彷彿させるような明るい青春がいっぱい詰まったビーチボーイズサウンドが広がっていて、涙が出そうになりました。
今でも文句なしで大好きな一曲です。でまたMV(ミュージックビデオ)も最高なんだなぁ。若いころの心のトキメキと、そして時を経てまだそのトキメキが心の中に残っている様が描かれているようでとっても大好きなMVです。
このMVを見ていると若いころの青春の思い出って本当に素敵なもので、そしてその頃に出来た仲間って一生の宝物なんだなぁって思うと胸が熱くなります。思い出も仲間も大切に育みそして思いやることがまわりまわって楽しくも豊かな人生に直結するんじゃないかなぁなんて深いことまで考えさせられる一曲です。
◇◇◇
いかがだったでしょうか。ビーチボーイズは好きなアルバムそして曲が多すぎてついつい言葉数が多くなっちゃいます。結局4曲しか語ることが出来ませんでした(笑)
波乗りできなくても海に行きたくなるような『サーフィン・USA』をはじめとするサーフロックも最高ですし、アメリカンな青春に憧れを抱く『アイ・ゲット・アラウンド』のようなホットロッドナンバーもGOOD。
暑さも少し和らいだ夕暮れ時に聴く『サーファー・ガール』のようなバラードも胸を熱くさせ、ビートルズとライバル関係にあった60年代中期のサイケでアートな『グッド・バイブレーション』も聴いていて芸術的。どの時代も本当に最高なグループです。また90年代後半以降からのブライアンウィルソンの復活劇にも涙涙の連続。
私たちに青春のすばらしさ、そして歳をとっても心のトキメキがある限り青春はいつまでも続くという素敵な景色を見せてくれるビーチボーイズ。私にとってビーチボーイズは他のグループにはない音楽という枠を超えた夢のような世界をいつも見せてくれているような気がします。