この子でストップ! 遺伝性疾患を次の世代に引き継がないために

スコティッシュフォールド骨軟骨異形成症は、両親とも折れ耳で交配された子猫の場合は発生する確率が非常に高くなると示唆されています。

それはなぜでしょうか?

遺伝子は、基本的に一対(2本)存在し、それぞれ父親と母親から一つずつ受け継ぎます。遺伝子検査によって、遺伝性疾患の原因遺伝子の検査から、3つのいずれかの判定が得られます。

・クリア:正常な遺伝子を2本持つ

・キャリア:正常と異常な遺伝子を1本づつ持つ

・アフェクテッド:異常な遺伝子を2本持つ

「メンデルの法則」って、耳にされたことかありますか?

多分、中学の生物で教わったかと思います。そのメンデルの法則に沿った交配の組合せが以下の図になります。

画像1

スコティッシュフォールド骨軟骨異形成症の遺伝子変異は、優性遺伝をします。優性遺伝とは、変異遺伝子と正常遺伝子が1つづつあった時に変異遺伝子の特徴が現れやすい状態のことで、キャリアもこの遺伝性疾患を発症するということになります。ただ、スコティッシュフォールド骨軟骨異形成症は不完全優性遺伝なので、アフェクテッドに比べると、発症しにくい傾向にあります。
ここで冒頭の?の答えになりますが、この交配の組合せ表からわかるように、遺伝性疾患の発症リスクの高いアフェクテッドの子猫が産まれる確率を減らすためには、必ず父親か母親のいずれかをクリアもしくは他の猫種とする必要があるということです。
つまり、これが「折れ耳同志を交配させてはいけない」という理由なのです。
もし、愛情を注いでいる猫の子供が欲しいと考えたら、まずは遺伝子検査を行うことをお勧めします。それによって、遺伝性疾患を次の世代に引き継がせないことに寄与できると考えます。

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