『スーパー』
知らない街の、田舎くさいスーパーの自動ドアの前から始まる。
私はスーツを着た男性記者になっていた。
店内の混雑をレポートしており、その田舎町に大型店舗のスーパーが出来て、お客様が行列をなしレジに並んでいる。
カメラは足元を映し、私は老若男女の顔をそれぞれ見ながら誰に声をかけようか迷っていた。
高齢の方々は興味本位でこちらをジロジロとみている。
食品コーナー、文具コーナー、色々な商品が1つのスーパーに展開され、過疎化した町に活気が戻ったようだった。
先程の自動ドアの入ってすぐ左下に、高齢の女性が倒れている。
簡易的な花束も数箇所に置かれており、年配の清掃員の女性が「病気なのか事故なのか分からないけど倒れてて…」と言いながら清掃ワゴンのようなものにその高齢女性を乗せようとしてモタモタしていた。
並んでる行列の見世物になっていた為、私も立ちはだかり目隠しがわりになりながら、高齢の女性の死体を見つめていた。
先程より死体が小さくなっている。
腹から下が萎むように捻れてちぎれたような形になっており足のようなものが見当たらない。
清掃員がオレンジ色の細かい網で、その死体をもたれかけるように銀色の荷台のようなものに乗せる。
死体は、茶色い髪に根元が白髪、緩いくせ毛のショートヘアが伸びかけている高齢女性。
顔は土気色しており、目を閉じて項垂れている。
ブラウンピンクのカーディガンとグレーのズボンが印象的だった。
救急車、警察はまだ来ない。
連絡したのかすら分からない。
私は、自動ドアの外を見ながら警察や救急車、鑑識が来るのを待つしか無かった。
青い空と、グレーのコンクリートが広がる外の景色をただ見ているしかなかった。
目が覚めるとAM5:14分。
寒いのでもう少し寝ていたい。