グラベルロードが熱い!(cervelo Aspero編)
ここ数年、すべてのロードバイクが同じ形になってきたと思いませんか?カムテイル型のエアロ断面、オフセットチェーンステー、ディスクブレーキ、ハンドルステム内装のブレーキホースにDi2、カーボンチューブレスホイール。マットブラック。走りも似てきました。ロードバイクにおいて「よい自転車」の定義と作り方が固定してきたということかもしれません。
グラベルロードは違います。
今まさに各メーカーが「グラベルロード」というジャンルの在り方についてそれぞれが考え、2019年、2020年一斉にテーブルに出してきた感じです。かつて「TTバイク」「エアロロード」「ヒルクライムバイク」のスタンダードを築いたcervelo(サーベロ/カナダ)が出してきたバイクがこのAsperoです。
このバイクはとにかくBBが低く、写真のサイズ51でBB DROPが78.5㎜と低重心。cerveloのロードバイクは今どきのロードバイクに比べてBBが低い(R5 74.5㎜)傾向にありますが、Asperoはそれよりも4㎜低くなっています。BB DROPとはクランク軸がハブ軸に対して下側にオフセットしている距離。トラックレーサーなどスプリント系のフレームは50㎜~60㎜と小さく、ランドナーなどのツアラー系のフレームは70~80㎜と大きくなっています。Asperoが78.5㎜ということは、ツアラー系の乗り味になっているかと思うとそうでもない。むしろロードバイク並みに機敏で軽快なフィーリングを演出している。いつでも腰を上げてバイクを積極的にコントロールしたくなる乗り味。これはチェーンステーの長さが影響していると思われる。Asperoのチェーンステーの長さは420㎜。一般的なロードバイクが410㎜とすると、この長さはエンデュランスロード並みの短さで、幅の広いグラベルタイヤを装着するグラベルロードではcannondaleのように特殊なフレーム+ホイール設計をしない限りこの寸法はギリギリです。実際50T以上のチェーンリングは装着不可のようです。
グラベルにおいて安定が正しいのか?機敏が正しいのか?まだまだ答えは出ませんが、ロードバイクとしてのポテンシャルも高いcervelo Asperoは一台二役ができることを当店のロードバイク仕様に組んだ試乗車(グリーン)で確認できましたので、ロードバイクなのか?グラベルロードなのか?レースなのか?エンデュランスなのか?迷ったらcervelo Asperoという選択肢があります。