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娘たちへ(18)好き嫌いについて

「誰とでも好き嫌いの無い心で接しなさい」

父は、小さい頃からこう聞かされてきました。

「そんなこと、できるわけない」と内心は思っていましたが。

空気の悪い場所に長くいれば、体調を崩すのと同じように、一緒にいると、苦痛を感じる人もいますね。そんな人を「嫌いになるな、好きになれ」と言われても無理です。

そこで、一瞬「いやだな」と思った時、できるだけ早くその気持ちを忘れるようにしています。すぐにその思いを手放すのです。

嫌な気持ちを引きずってしまうと、他人や環境に自分が支配されてしまいます。知らず知らず、自分の心が何かに執着するクセがついてしまう。

たとえば、推しのスポーツチームやアイドルを応援する人がいます。しかし、あまりにも熱狂し過ぎると、自分の気持ちに何かしら悪影響が出るでしょう。たとえば、推し以外のチームやアイドルに手厳しい言葉を投げかけたり、執拗に叩く行動に出たりします。

歓喜・熱狂と非難・憎悪の落差が極端になると、百害あって一利なしです。いずれ、自分の心の均衡にに問題が出てくるはずです。

好き嫌いは仕方ありません。生理的な感覚もあるでしょう。でも、父は、できる限り、誰に対してもフラットにお付き合いしたいと思います。自身の心の平安を保つためです。

興奮もしないし、落胆もしない。振れ幅を小さくする。それが一番良い方法です。

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