ドアを開けると別空間。老舗和菓子店オーナーが手掛ける暮らしをテーマにしたショップ「&Anneアンドアン」にこめられた思いとは
商店街に活気を!
彦根市中央商店街。シックな外壁に目を惹かれるお店があります。一体ここは何のお店なのでしょうか。
ガラス窓を覗くとそこにはおいしそうなケーキや焼き菓子がずらりと並んでいます。
「お菓子屋さんか!」少し勇気を出して扉を開けると、あれ?
奥行きも広くお菓子屋さんの他にもお店があるようです。
お菓子屋さんだけじゃない…?
思い切ってお店の方に伺ってみましょう!
---こちらはどういったお店なのでしょうか。
●&Anneアンドアン。洋菓子店、書店、展示室を備えた複合的なお店です。
元々は別のテナントが入っていて退去された後シャッターが閉まった状態でしたが、隣にある“菓心おおすが”のオーナーが
「シャッター街になりつつある商店街に少しでも賑わいや活気を取り戻すことが出来たら」という思いでフルリノベーションし、2013年の3月にこのお店をオープンさせました。
テーマは“暮らし”
ゆったりと気持ちのいい時間を過ごしてほしいという思い
---こういった形態のお店って珍しいですよね
●多くのお客様に「ここは何屋さん?」と驚かれます。
お店全体“暮らし”がテーマになっています。
菓心おおすがは和菓子店ですが洋菓子も扱っていて、その洋菓子をこちらにもって来ましたが、お菓子を買って帰るだけでなく少しゆったりした気持ちのいい時間を過ごして頂きたいという思いで本や雑貨をセレクトしています。
---“暮らし”がテーマなんですね。お店の名前の由来を教えて下さい。
●和菓子の餡子ってありますよね。あんこの“あん”でアンドアンです。
菓心おおすがとは姉妹店といってもいいかもしれないですね。
---あんこ!急に親しみが湧いてきました。ほかのお店で見かけないようなケーキや、スパイスを使ったお菓子もあります。洋菓子店のコンセプトは?
●ヨーロッパの、大通りにあるようなお店ではなく郊外の小さなお菓子屋さんをイメージしています。
カヌレなどフランスの伝統があって永く愛されているようなお菓子も多いのですが、そういったお菓子を日常的に気軽な頻度で楽しんで頂きたいと思っています。
価格も種類も日常的に楽しんで頂きやすいように設定しています。
---日常に寄り添った、日々の楽しみを見つけられるようなお店ですね。
●日用品も上質で長く使っていただけるものを揃えています。
流行り廃りの物ではなく、長く愛せるもの、素材にこだわったもの。
気持ちよくゆったりした時間を過ごしていただけるものを見つけて頂けると嬉しいです。
---お菓子の美味しそうな香り、落ち着くBGM、こだわりの雑貨と本。。。
時間を忘れて過ごしてしまいそうです。
素敵な空間でお仕事されていて羨ましいです。
●スタッフも気持ちのいい時間を過ごせています。新しいスタッフも、求人を出さなくてもお客様として来店しここを気に入り、「ここで働きたい」と応募してきてくれます。
オーナーの願う“これから”
和菓子屋さんが営む洋菓子店、暮らしをテーマにしたセレクトショップ、県内でも珍しい複合的なお店、、、
意外な組み合わせや、斬新ともとれる取り組みをされるオーナーにこれからの展望を伺うと
オープン当初から変わらない「お客様に喜んでいただけるお菓子を作り、長く愛着を持っていただけるものを提案する」
一日一日をこれからも重ねていきたいと思っています。
そんなお店であり続けることで昔ながらの商店街が、まちが、活気に満ち溢れることを願っています。
とのお答え。
町を愛する気持ちが伝わってきます。
オープンから9年経ち、そんな気持ちに賛同するかのように商店街に新しいお店が少しずつ増えてきたそうです。
「大きなショッピングモールのように何かのついでに寄っていただくわけではなく、わざわざこの店に足を運んでくださる事が嬉しいです。」と話して下さったスタッフさん。
オーナーが一つ一つ大切にセレクトした商品のように、来る人にとって「&Anneアンドアン」がお気に入りの場所になっているのでしょう。
以前は全国から作家さんを招いてアロマやクラフトワークショップなども開催されていたとのこと。
今後の再開を期待しています。
スタイリッシュでありながら落ち着く空間で見つける“私のお気に入り”、
あなたも探しに行ってみませんか。
(写真/文 sui)