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そこはかとなく新鮮なエネルギーに満ちている「ひこねで朝市」@滋賀縣護國神社

第136回「ひこねで朝市」を訪ねてきました。この日は夏の真っ盛りで「昼市&夕市」として開催されていました。

夕方からどんどん人が増え始め、とても賑わっています。それにしても136回も続いてきたなんて凄いと思いました。

今回は、そんな朝市の魅力と活気の理由を、辿ってみたいと思います。


参加者から見た、朝市の魅力

「アユつかみ、したい!」幼心に残る夏の思い出

「去年のことを覚えていて」と話してくださったのは、可愛らしい女の子(2才、4才)の手をひいて来られたお母さんでした。

住居のすぐ近くに、小さな縁日を体験できる場があるって、嬉しいものだと思います。
 
生産者ならではのお話が聞けたり、良質な商品をお安く手に取れるのも、心が温まりました。

お店の方と顔馴染み、といったお客さんもおられます。こうして地元の方が気さくに、くり返し親しめる場所といった感じです。

長年出店されている方の話によると、地元の方だけでなく、観光客も相当数来られるとのこと。

思えば、素敵なホテル、キャッスルリゾート&スパが目と鼻の先というのも、県外、海外の方に、いい位置です。

朝市の会場のすぐ目の前に広がる名勝

人の流れがあっても、観光地だから〜のよそよそしさが出ない。ひこねらしい懐の深さであるように感じました。


出店者から見た、朝市の魅力

皆さん対面を大切にされているところに、共通の親しみやすさを感じます。でも出店の動機は、多彩でした!

ご縁の広がりが楽しい

この日、出店回数が最多の〈木工房328〉さん。「木工は趣味」と小気味のいい語りが尽きません。鳥居本に工房をお持ちですが、朝市でのご縁から児童館での講師にといったお話もきているとのこと。

地元の四季を届けたくて

長浜にご自身の農場を持つ〈びいふぁあむ みつばちの雫〉さん。地域の四季折々の花から採れる蜂蜜の豊富な種類からは豊かな自然が、あれもこれもと試食を勧めてくださる接客からは地元愛が、伝わってきました。

活躍の場を求めて

障がい者、一人ひとりに合った仕事を見つけたいと開拓しておられる〈ハートジョブ〉さん。店頭で買わせていただいた指輪をはめると、息の合った歓声と共に、とても喜んでくださいました。

夢は自分のお店を持つこと

4月から毎月、出店されている〈CAKE&SWEETS 192O〉さん。バティシエをされた後、子育てしながら実店舗を構える夢をお持ちで、意外なお客さんの反応を生で感じられるのが、励みになるとのこと。

露店は物売りの原点

様々なご経験や露店業のコツなど、惜しみなく教えてくださった〈リッスン屋台〉さん。お互いの近況を気遣い、取材中の鈴丸にも飴ちゃんをくださる^^

常連さんとのフレンドリーなやり取りには、これまでの絆を感じました。

お店を出す側に回ってみたい

暑い中、駐車場の案内係をしてくださっていたのは、地域の課題解決や活性化に取り組んでおられるサークル「近江楽座」〈滋賀県立大学・3回生〉の学生さんでした。

御自身の研究テーマが「放置竹林」ということで、次は竹を活用した雑貨の出店もしてみたいとお考えでした。


主催者から見えてきた、朝市の魅力

会場で、主催者の山名弘祐さん(実行委員長)が快く、インタビューに答えてくださいました。

その間、片時も休むことなく、自ら接客し、夏場のあゆを気遣っては、いけすへ氷が 手際よく氷が投げ入れられてゆきます。
 
とにかく、よく動かれる。多彩なキャリアで抜きんでた業績をお持ちの中、アユの養殖・加工経験もお持ちとのことで、この日の人気イベントに生かされていました。

この人ありて

卓越したセンスと行動力。山名さんは、コロナ禍も1ヶ月休会したのみで、朝市を復活されました。
 
そこには、「前例がないなら、自分たちが先例を作ったらいいやん」と、緻密なデータ収集の努力や進取の精神がありました。

朝市は助成金を受けることなく開催されている中、出店にチャレンジしたい人へは、低価格の出店料やノウハウの伝授、テントの助成も行われています。
 
滋賀県産であることにこだわり、利益だけの商いや他の出店者との協力ができない方も、お断りしたい。
 
朝市が活気をもって心地よく行われる為に、どんな人が必要で、どこに線引きするか、細やかで確かな知恵が、次々と溢れ出します。開催日の翌朝、会場を巡回されるそうですが、チリ一つないそうです。
 
山名さんは、「人がついてくる」、そう感じさせる方でした。

ここでの出店が、出店者にとってその後の信用やブランドになるような、朝市を目指したい。役員仲間の協力や「グローバルスタンダードに」といった胸中もおありのようで、高い目線が伝わる言葉が印象的でした。


会場提供者のねがい

護国神社の山本禰宜さんにもインタビューさせていただくことができました。

老若男女が軽やかに集える、明るい場にしたい

護国神社を「老若男女が軽やかに集える明るい場にしたい」と思っておられたところに、折よく「ひこねで朝市」のお話がきたようです。
 
かれこれ10年越しの開催、安心して任せられると厚い信頼を寄せておいででした。

各種、ご祈祷も受け付けておられる中、最近は、安産祈願が増えているとのこと。


魅力の源泉は、特別な場所と人との相乗効果

護国神社の周りには、北に井伊家の学問所「埋木舎」、西に彦根城の美しいお堀端が控えています。
 
JR彦根駅から徒歩7分と、まさに街の玄関口ともいえる最高の立地です。

とはいえ、参加者・出展者・主催者、どの一つが欠けても成り立ちません。

前身の朝市組合は高齢化もあり、今の「ひこねで朝市」へと引き継がれてきました。そこから、ここに共鳴する人々が、集い続けて 136回。(2024年8月時点)
 
主催者の「清冽な意図」が放つ空気感は、会場全体に広がり、主体的な出店者と参加者の相互が、活気を与え合っていました。


まとめ

「新鮮な日常」が、息づいている

「ひこねで朝市」は、ここに出向いて、のどかな日常を感じるもよし、新しい刺激を得るもよし、といった催しです。

鈴丸も、ひこねに引っ越して半年。「ひこねで朝市」との出会いが機縁となり、市民ライターに^^

何と、生き生きとした運営、そして居心地のいい会場でしょう。

訪ねた一日が楽しいばかりでなく「身近に、こんな場がある」、そう思えるだけで、膨らむ喜びがあります。

どうぞ 「豊かな日常」や「変われそうな予感」を、 ふらっ〜と受け取りに、「ひこねで朝市」にお立ち寄りいただけましたら幸いです。


ひこねで朝市

開催日時:毎月 第3日曜日 8:00〜12:00
会場:滋賀縣護國神社(駐車場あり)
主催:ひこねで朝市実行委員会
   0749-24-4461


( 写真・文  鈴丸 )