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かわいいMAKISUSHI食堂 teraitei

「飾り巻き寿司」を食べたことはありますか?金太郎飴のように、切っても切ってもかわいい絵柄が出てくる、あの巻き寿司のことです。
 
「飾り巻き寿司」は、様々な具材をたくさん入れた太巻き寿司の一種です。具材のハーモニーが美味しいだけでなく、見た目もとてもカラフルで、華やかな色使いと、かわいいキャラクターのデザインが魅力です。

写真提供:teraitei

彦根で「飾り巻き寿司」と言えば、何が思い浮かびますか?やっぱり、ひこにゃんですよね!

そこで、今回、ひこにゃんのかわいい「飾り巻き寿司」を食べることが出来る彦根・四番町スクエアにあるteraitei(テライテイ)を訪ねました。


「飾り巻き寿司」にはどんなものがあるの?

「飾り巻き寿司」と言えば、どんな巻き寿司をイメージしますか?

巻き寿司の断面で、シンプルな幾何学模様から、動物、お花や季節の絵柄、そして、子どもたちが親しみやすいアニメのキャラクターを表現したものなど、数えきれないほどたくさんの種類があります。

写真提供:teraitei

ある日、たまたまteraiteiのinstagramでひこにゃんの「飾り巻き寿司」の写真を見たのですが、「こんな巻き寿司があるなんて!」と、あまりの可愛さに絶句!ハートを射抜かれました。

teraiteiでは、様々なデザインの「飾り巻き寿司」を提供されています。でも、お勧めは、やっぱり、彦根で一番有名な猫・ひこにゃんと彦根城でしょう。

他にも、2025年に滋賀県で開催される国スポのキャラクターや、いしだみつにゃん、やちにゃんなど彦根ゆかりのキャラクターなど、地元に密着したかわいい「飾り巻き寿司」がいっぱいです。

写真提供:teraitei


「飾り巻き寿司」は、巻き寿司の進化形

寿司は、海外では「SUSHI」と呼ばれ、日本が世界に誇る食文化の一つです。
 
そのうち、江戸時代中期に生まれた巻き寿司は、握り寿司と並んで、海外で大人気の料理です。「SUSHI ROLL」とも呼ばれ、独自の進化を遂げています。

以前、海外出張でカリフォルニアに行ったとき、現地の人に勧められて、お寿司を食べに行きました。「日本で食べるお寿司に敵うものはないだろう」と思っていましたから、あまり期待はしていませんでした。
 
その時に初めて食べたのがカリフォルニアロールだったのですが、とにかく、これが寿司であるとは全く認識できないほど、斬新でアートな驚きの料理でした。カリフォルニアロールは裏巻き寿司の一種で、海苔が内側にあり、海苔がご飯で巻かれています。

写真提供:teraitei

そして、カリフォルニアロールの日本版とも言えるのが、太巻き寿司をお洒落に、可愛くアレンジした「飾り巻き寿司」です。
 
「飾り巻き寿司」には、動物や植物など、自然をモチーフとしたデザインだけでなく、子どもに人気のアニメのキャラクターなど、様々なデザインが取り入れられ、食べて美味しい、目で見ても楽しい巻き寿司として、日本独自の進化を続けています。

写真提供:teraitei


かわいい巻き寿司食堂

彦根・四番町スクエアにあるteraiteiのオーナー・寺居裕香(てらいゆか)さんは、大学卒業後、飲食業界でキャリアを積まれた後、気持ちも新たに調理師学校で学ばれ、料理人の道に入られました。
 
料理店で修業された後、寺居さんは、生まれ育った地元・彦根に戻り、本格的フレンチレストランをオープンするため、準備を進めておられました。当初は、「大人だけでゆっくり料理を味わえる」というコンセプトのお店とする予定だったそうです。

ところが、ご自身の出産を機に、彦根には、小さいお子さんと一緒に、お母さんが気兼ねなく食事を楽しめるお店が少ないということに気付かれます。

ここでスゴイのが寺居さん!ご自身の夢を叶える場所としてお店をオープンするのではなく、地元の潜在的なニーズに気付かれ、お店のコンセプトを一から見直すことにされたのです。
 
本格的フレンチレストランと、かわいい巻き寿司食堂は、一見コンセプトは真逆!しかし、寺居さんは、「彦根に根付いたお店を作る」というブレない中心軸を持ちつつ、時代のニーズを敏感にキャッチされ、心をまっさらにして、お店を作り上げられました。

お店には、おもちゃやぬいぐるみ、絵本があるキッズスペース、子どもが大好きなアニメが見れるテレビ、そして、幼児用トイレ、おむつ換えシートや授乳室などを完備しています。

そして、子どもが靴を脱いで、食事をするお母さんと同じ目線で、板の間を裸足で走り回れる、暖かい空間を作られました。

写真提供:teraitei

寺居さんの徹底的な拘りとセンスで、お母さんが、子どもと一緒に美味しく、楽しく料理を食べて、ゆったりくつろげるお店になったのです。


teraiteiは令和の寺子屋

「食べるのがもったいない!」と思うほどかわいい「飾り巻き寿司」。そんな「飾り巻き寿司」を作るには、高度な技術が必要なのではないか?と思えます。でも、実は、レシピがあれば、小さいお子さんも、お母さんと一緒に作ることができるそうです。

写真提供:teraitei

teraitei では、お母さんと小さいお子さんが一緒に楽しめるワークショップを開催しています。また、お母さんが育児の悩みを相談できる場所であり、お客さんからのリクエストで、離乳食講座なども開催されているそうです。

特別な食材を準備しなくても、無理なく続けられるように、レシピが工夫されていて、働くお母さんはとても助かりますね。

写真提供:teraitei

また、定期的に「こども食堂」をオープンされていて、遠方からたくさんのお子さんがご飯を食べに来てくれるそうです。

写真提供:teraitei

お母さんと小さいお子さんが一緒に学び、楽しめるteraiteiは、まるで令和の寺子屋のようです。お客さんのニーズに沿って、様々な取り組みを行い、teraiteiはどんどん進化しています。

写真提供:teraitei


teraiteiはフレンチレストラン

店名にあるように、teraiteiの看板料理は、「飾り巻き寿司」です。しかし、「かわいい巻き寿司食堂」のイメージでお店に行く と、ほとんどの人がびっくりされるのではないでしょうか?

写真提供:teraitei

teraiteiのお料理は、お母さんが小さいお子さんと一緒に食べることが想定されているため、本格的フレンチレストランのように、繊細なお皿で提供されることはありません。

しかしながら、オードブル、そしてメインのお料理は、まさに、食材に拘った高級レストランの味、本格的な味であり、そのGAPに驚きを隠せません。

写真提供:teraitei

そして、デザート付きのコース仕立てのフレンチには、ライスの代わりに、ひこにゃんの「飾り巻き寿司」が添えられます。なんて贅沢なお食事でしょう!
 
美味しくて可愛くて、二度美味しい。もしかすると、teraiteiは、託児所付きフレンチレストランと言えるのかもしれません。


teraiteiが描く彦根の未来の形

彦根に来る観光客の主な観光スポットは、2023年度の調査では、彦根城が51%と圧倒的に多く、四番町スクエアは夢京橋キャッスルロードに次いで、15%となっています。

teraiteiには、地元の親子だけでなく、観光客もたくさん訪れます。日本人観光客と異なり、外国人観光客は、彦根に1週間以上長期滞在し、彦根を拠点に、滋賀県内だけでなく、岐阜や名古屋などあちこちを回っているようです。
 
そんな長期滞在型の外国人観光客と、ひこにゃん目当てに彦根に来る日本人観光客、そして、地元の親子やファミリー層など、様々なニーズを満たす、teraiteiならではのサービス、店作りを意識されているそうです。

2023年には、四番町スクエアでハロウィンイベントが開催されましたが、寺居さんは、お手製のひこにゃんの着ぐるみを着て、大活躍されました。
 
彦根では、四季折々、様々なイベントやお祭りが開催されていますが、ハロウィンのように、観光客だけでなく、地元の人も楽しめるイベントは盛り上がるに違いありません。

四番町スクエアのハロウィンイベントで踊る寺居さんとconecone.の北川さん(2023年10月)
写真提供:teraitei

ひこにゃんの「飾り巻き寿司」で人気のteraitei。
 
「飾り巻き寿司」の彩りは彦根を彩り、そして、teraiteiはお母さんと小さいお子さんがゆったりと安心して食事を楽しめる場所の提供を通して、「飾り巻き寿司」を食べる人の人生を彩り、鮮やかにすることでしょう。

「巻」という漢字には、ばらばらだったものを、「己」を中心に束ねるという意味があります。「飾り巻き寿司」で、彦根が彩り鮮やかな町になる未来を期待しています。

写真提供:teraitei


かわいいMAKISUSHI食堂 teraitei(テライテイ)


Instagram
かわいいMAKISUSHI食堂 teraitei
https://www.instagram.com/teraitei


ええ子のおたく こども食堂
https://www.instagram.com/e_konootaku


滋賀県彦根市本町1-11-7
0749-47-6088
定休日:月曜日、その他不定休あり

 

(写真・文 若林三都子)