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シティプロ全体会&らぶひこ会議を開催しました!!

彦根市シティプロモーション戦略推進委員会です♪
2023年も残すところあとわずかとなりました。
沢山の活動に取り組みましたが、今年を締めくくるにふさわしいシティプロの活動を12月17日(日)に開催しました~!

隔月開催している全体会ですが、今回は「らぶひこ会議」に合わせて、彦根の古い街並みを解説を交えながら約2時間の街歩き。
とても充実した時間を過ごすことができました!

今回の街歩きの舞台は「花しょうぶ通り」


昔ながらの町並みが残るこの地域は「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、保存条例に基づき保存計画が定められています。全国104都市で126地区が選定されていますが、滋賀県内では4件目、彦根市では初の選定の場となっています。

そしてルートはこのとおり!

黒の線がルートです!(見にくくてごめんなさい!)

まずは集合場所であるとばや旅館で参加メンバーの紹介と講師の方から街歩きの概要について説明をいただきました。

今回も講師を務めてくださった彦根市役所文化財課の三尾さんによる概要説明

とばや旅館を出発し、街歩きのスタートです。
そしてスタートしてすぐ花しょうぶ通りの特性について教えていただきました。

道がまっすぐではないのは当時の名残だそうです

少し歩くと「糀七」さんに到着しました。
早速昔ながらの町並みを見て知るポイントを教えていただきました。
(糀七さんは閉業されています)
江戸時代に建てられた町家は2階建てですが、「つし2階(天井の低い2階のある造り)」となっていて虫籠窓を備えるものが多いのです。また、2階は基本的には居住の機能はないそうです。

当時の建物の造りを教えてもらった後に次に到着したポイントは「ひこね街の駅 逓信舎」さん。
ここはかつて郵便局舎として使われていましたが、現在はコミュニティカフェ、インターネットラジオ放送局を併設した地域の魅力を発信する情報発信施設として活用されています。建物を見ると洋風建築に見えますが、昭和にファザード加工されています。

逓信舎さんを後にし、少し歩くと元寺子屋だった築300年の町屋を改修しアートスペースとして活用している「アートサロン寺子屋(寺子屋力石)」さんや「近江野菜・彩菜」さんなど、昔の建物が立ち並びます。ここも「糀七」さん同様「つし2階」の伝統的な町家の造りとなっているのがわかります。

そして反対側にはモダンな建物「宇水理髪店」さん。理髪店として現在も営業されていますがここにも見どころポイントがあります。

建物の上に注目してください。中心に「キーストーン」と呼ばれるその建物を象徴する石が設置されているのですが、「宇水理髪店」のキーストーンはなんと「バリカン」が形作られているのです!

まだ花しょうぶ通りも半分ですが、とっても見ごたえがありとても楽しいです♪「出口酒店」さんに到着するとメインストリートから路地に入ります。

出口酒店さんの白壁の酒蔵と向かいの黒壁が美しいですね

路地に入り、少し歩くと「天理教彦根分教会」さんへ。
ここでは何がみられるのでしょう…?

「天理教彦根分教会」さんの敷地の中には立派な池泉回遊式庭園が!
この庭園は遡ること江戸時代、彦根藩の家老・脇家の屋敷に作られたものだそうです。

庭園の水際を見てみるとゴロタ石が。これは浜を表しているそうです。

「天理教彦根分教会」さんを後にし、花しょうぶ通りのメインストリートに戻ってきました。次のポイントは2023年6月まで営業されていた「真・戦国丸」さんへ。ここは元々お風呂屋さんとして利用されていたそうです。

少し歩くと「妙源寺」さんに到着しました。この門はなんと佐和山城から移されてきたという言い伝えもあるそうです!そしてさらに驚きの言い伝えも!

なんと当時の争いのあとだそうです!

次はまた路地に入り、「上組足軽屋敷」に到着しました。
彦根には足軽の組が7つあり、上組はそのうちの1つです。「くいちがい」や「どんつき」がそのまま残されていたり、道幅の細さも江戸時代のまま残されている地域です。

花しょうぶ通りを抜け、芹町に入ります。ここには特に見るべきポイントがあります。どこなのでしょうか?

ここも道がまっすぐではありませんね

少し歩くとかつての井戸が現れました。

そして最大の見どころの「旧石橋家住宅」に到着しました!
ここは江戸から明治にかけて建てられた町家で、醤油醸造で財を成した商家だそうです。現在は彦根市が所有しており、国の登録有形文化財となっています。

なんと今回は特別に中を見ることができました!

井戸が当時のまま残されています
土蔵が4蔵あります

とても貴重な体験ができ、とても満足です!…が!まだまだ街歩きは終わりません。次は芹川に向かいます。芹川の水は用水として活用され、後三条町の田んぼの農業用水として引き込みを行っていたそうです。

そして芹川の河口まで向かいます。そしてこの線路にかかる踏切は「猿尾の踏切」と呼ばれていますがここにその呼ばれ方の秘密が隠されているのです。

「猿尾」というのは治水工法のひとつで、川の水勢を抑えるために岸から川の中央に向かって突き出た土手のようなものを指し、木曽川によくみられるそうです。芹川の河川改修の際に、川の流れを変えるために猿尾が設置されたそうです。そこが「猿尾」と呼ばれるルーツがあるのでしょう。

芹川を後にし、七曲りを歩きます。

七曲りは高宮まで繋がる道で、くいちがいと同様の意味を持ちます。また、雨壺山と曲がった道で城下町を守る工夫がなされています。

地図を見ながら当時の城下町を守る工夫を確認
七曲りにある吉田醤油醸造場さんも歴史を感じる建物ですね

七曲りを抜け、「雨壺山」に到着しました。街歩きもいよいよ終盤に差し掛かります。「雨壺山」は彦根市の中心部に位置する山で、「千鳥ヶ丘公園」として整備し、市民の遊び場や憩いの場となっています。

「千鳥ヶ丘公園」については市民ライターさんが取材し、記事にされているのでこちらもぜひ読んでみてください♪

「雨壺山」の山道を上るとそこには絶景が広がります!

雨壺山から彦根城・琵琶湖を臨む
雨壺山から佐和山を臨む

そしてこの「雨壺山」は徳川家康との深いかかわりがあるそうです。なんと、関ケ原の戦いのあと、佐和山城攻撃の指揮を執ったのはここ、雨壺山だったと言われています。

「雨壺山」を下山し、再び芹川沿いを歩きます。
芹川の水を後三条町の田んぼに引き込みを行うポイントも間近でみることができました!

そして彦根の歓楽街として有名な「袋町」を通り、帰路につきます。
袋町は現在、スナックや料亭が多くありますが、狭い路地や江戸時代の町家が残されています。

左手の建物は古い町家でしょうか
昭和33年創業の清瀧旅館も袋町にあります

「とばや旅館」さんに到着し、街歩き終了です!

とても貴重な体験やお話ばかりで常に感動でしたし、普段何気なく通る街にこれだけの深い歴史と見どころがあり、より彦根の街が好きになりました。

そして街歩きのあとはとばや旅館でオーナーの和田さんのお話を聞きました。

とばや旅館については市民ライターさんが取材し、記事にされているのでこちらもぜひ読んでみてください♪

和田さんは、とばや旅館の5代目でそのルーツは1883年から。
創業当時は多賀大社に料理を提供したり、旅行の斡旋などを行っていました。
また、伊勢神宮と多賀大社で親子参りをする拠点、鳥羽に繋がるという意味を込めて「とばや旅館」と名付けたそうです。
そして富山から来た薬売りが宿泊する商人宿としての機能もあるそうで、とばや旅館さんと清瀧旅館さんの2軒が商人宿なのだそうです。

最近では外国人観光客の宿泊が多く、とばや旅館を拠点に京都や大阪を観光し、またとばや旅館に戻ってくるのだそうです。そのお話だけでもとても居心地の良い場所であることが伝わってきます。

素敵なお庭ですね

そしてなんと特別に江戸時代からの部屋を見せていただくことに!

止め飾りが貝になっています

和田さんの旅館に込める想いがとても伝わり、彦根市民の私もいつかは泊まってみたいなという気持ちに溢れました。そしてお昼ご飯の時間です!
お昼ご飯は「招禄」さんのお弁当!
今回は3種類用意していただきました!どれも美味しそう♪

唐揚げ弁当
エビチリ弁当
回鍋肉弁当

お昼ご飯を食べた後は、全体会。
参加メンバーの近況報告やゲスト参加してくださった学生さんの話をもとに若い世代へ活動の場を広げたり、シティプロの活動に参画してもらえるための方法を話し合ったりしました!

そして、「昔と今の彦根城周辺の違い」が分かる素敵な動画を三尾さんより教えてもらいました!とても素敵な動画です。ぜひご覧ください♪

あっという間に予定していた時間となり、全体会&らぶひこ会議が終了しました。街の歴史を街歩きで学ぶことができて、とても貴重な時間を過ごすことができました!
皆さんもぜひ、街歩きをして身近な歴史や街の成り立ちを触れて感じてみてはいかがでしょうか。