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なぜ今ドバイに世界のWeb3.0関連スタートアップが集まるのか

はじめまして!グッドパッチのインド・ドバイ市場リサーチチームです。
このnoteでは、今さまざまなテクノロジーやスタートアップで盛り上がりを見せているインド・ドバイについて、グッドパッチの視点でさまざまなリサーチを実施した内容をシェアしていきます。

第一回目となる本記事では、海外でのスタートアップやWeb3.0にチャレンジしたい経営者、新規事業立ち上げ担当者に向けて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイがWeb3.0関連市場としてなぜ注目されているのか、ドバイでビジネス展開するメリットなどについて、様々な海外記事情報をベースにご紹介していきます。
 

今ドバイに世界のWeb3.0関連スタートアップが集まる理由

1. 政府の支援:ドバイ皇太子がメタバースへ注力

アラブ首長国連邦(UAE)は2022年7月に「ドバイ・メタバース戦略」を発表しています。ドバイの皇太子であり、ドバイ執行評議会の議長でもあるSheikh Hamdan bin Mohammed bin Rashid Al Maktoum氏はTwitter上で戦略の目標・ポイントについて明らかにしています。

ドバイには、メタバースおよびブロックチェーンの分野で活動する企業が1000社以上あり、5億ドルのドバイ国内への経済貢献があることを言及しています。
また、ドバイの戦略はブロックチェーンやメタバース関連の企業を5年で5倍に増やす方針を示しており、4万ものメタバース関連の仕事が生まれ、ドバイ経済に40億の経済効果があることを目標としています。

2. 会社設立とビザ発行が簡単

ドバイでは、ドバイの通貨UAEディルハム(AED)で2万AED、日本円で80万円ほどで会社を設立することが可能です。これにはビザの申請にかかる費用も含まれます。投資家や代表者のビザの取得からフリーゾーンでの設立まで、3〜5週間ほどで会社設立を完了できます。ドバイで会社を設立するためにかかるコストや時間はとても少なく、また会社を設立しビザをとるためのプロセスも楽で、大量の書類なども必要ありません。
 
フリーゾーンのおかげで、現地のディレクターを置く必要がなく、海外起業家、投資家が会社を100%所有することが可能です。一方で同様にweb3.0に積極的だと言われているシンガポールでは現地のディレクターを雇用することが義務付けられているため、コストがかかります。

3. タックスヘイブン、 キャピタルゲイン・法人税が免税

ドバイではキャピタルゲインの他にも、法人税、所得税が免税となります。そのためWeb3.0関連企業がビジネスを開始しても課税がないタックスヘイブンであり、参入がしやすくなっています。


画像:  https://www.tetraconsultants.com/blog/top-benefits-of-forming-offshore-company-in-dubai-tetra-consultants/

4. GAFAや暗号資産の大手企業のハブになっている 

大手IT企業Google(Alphabet)、MetaやAppleがすでにドバイに進出しており、web3.0の開発に力を入れています。

2022年3月にMeta社が新たな地域統括拠点をドバイに開設。開設の式典でCOOのSheryl Sandberg氏は、UAEの「イノベーションの文化」がMetaの野心的なビジョンに合っていると述べています。

https://gulfbusiness.com/in-pics-sheikh-hamdan-opens-metas-new-regional-headquarters-in-dubai/

5. 仮想通貨のハブとなるリーダー企業がドバイに

また大手暗号資産企業Binanceなども本社をシンガポールからドバイに移転しています。理由は、ドバイ政府が積極的にWeb3.0の開発を支援しているためです。

Binanceの創業者でCEOであるChangpeng Zhao氏は「ドバイで行ってきたように、私たちは同業者の皆様と連携し、世界中で一貫した基準の開発を行えるようになると確信しています。」と語っています。

https://www.unlock-bc.com/81047/binance-ceo-cz-meets-with-dubai-police-virtual-assets-crime-section/
 Binance CEO Changpeng Zhao氏とドバイ警察の仮想犯罪部門責任者
画像:https://www.unlock-bc.com/81047/binance-ceo-cz-meets-with-dubai-police-virtual-assets-crime-section/

6. 現地のWeb3.0関連の動き①:エミレーツ航空の4000人の新人客室乗務員はメタバースで研修

エミレーツ航空では16,000人の客室乗務員がいますが、来年までに4,000人増員し、20,000人近くになる予定です。メタバースは既存、そして新しいクルーのトレーニングに欠かせません。
 
エミレーツ航空のAdel Ahmed Al Redha氏によると、A350機はアメリカのフンボルトにて設計されています。今回、メタバースやVRを技術を活用することで、まだ設計段階にある飛行機の詳細をバーチャル空間に作り出すことができます。またその航空機への搭乗のシミュレーション、例えばここのドアから入って、座席に座るまでという一連の流れを確認し、詳細を分析することもできます。
 
Al Redha氏「我々はメタバースやVRなどを使い実際の航空機への搭乗し、航空機内の細かい部分をすべて確認することができます。ギャレーや座席などのスペースなど、すべてです。飛行機の設計を行いましたが、今日VRで見られるものと2024年にできあがる実際の飛行機は、全く同じものになるでしょう」
 
メタバースの技術を客室乗務員のトレーニングに使うことで、実際の業務の状況を作り出すことができ、より効率的で正確な訓練を行う事ができます。
 
Al Redha氏「現在16,000人客室乗務員がいますが、来年の中頃には20,000人近くまで増やす予定です。また機内サービスは食べ物やお客さまへのサービスの仕方まで、常に改善しています。この技術なしにはクルーにここまで効率的で正確なトレーニングを提供することは出来ないでしょう」

https://www.arabianbusiness.com/jobs/emirates-to-hire-4000-new-cabin-crew-to-train-in-the-metaverse

7. 現地のWeb3.0関連の動き②:Web3.0のイベントも盛りだくさん

Web3.0は新しい業界であり、参入するにはこの分野への大きな関心が必要です。ドバイは巨大なイベントを主催することで最高の機会を提供しています。このようなイベントでは開発者、投資家、ベンチャーキャピタルやデザイナーなどが集まり、Web3.0のトレンドや文化について話したり、ビジネス関係を構築したりします。例えば、GITEX GLOBALというイベントは、160カ国以上から4500社以上、10万人以上の参加者が集う一大イベントになっています。
 
直近でドバイにて行われているWeb3.0関連イベント
(Crypto | NFT | Metaverse)のイベント「METAVSUMMIT」 2023年1月11日〜12日開催予定

 (AI | Fintech | Metaverse)の最大級のイベント「GITEX」 2022年10月10日〜14日に開催済、来年は2023年10月14日

https://www.gitex.com/

 (Meta | Blockchain)のイベント「METAWEEK」 2022年9月11日〜9月14日に開催済

 

ドバイに行けばWeb3.0のエコシステムが揃っている

Web3.0に必要なエコシステムを全て提供しているのは今のところドバイだけと言えるでしょう。会社を登録し、NFT、トークン、メタバースを開発し、キャピタルゲインなしでリリースすることが出来ます。これらはドバイ政府がWeb3.0に注力し、支援していることから可能となっており、開発からリリースまでまとめて行える経済圏となっています。


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※Top image : ZQ Lee/Unsplash


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