
私が40年間で学んできたこと
60歳を過ぎてから勉強するには
自分が今までしてきた勉強を振り返ってみたいと思います。
私は25歳で理学療法士免許を取りましたが
私が入学した40年前は
理学療法士養成校は専門学校だけで4年制大学はありませんでした。
厚生省管轄で文部省管轄でなかったため
学歴的には高卒とみなされていました。
解剖生理学、運動学等の理学療法基礎医学は
医学部の教授が担当し
検査測定、義肢装具学、物理療法、運動療法などは
初期の理学療法士の先生が担当されていました。
私の学生の頃は神経生理学的アプローチが
盛んに行われていました。
当時の理学療法は従来の運動麻痺に有効ではないか?
という説が有力でした。
神経生理学的アプローチとは、ボバース、ルード、PNFなどが
代表的で神経筋促通法(ファシリテーション・テクニック)などと呼ばれています。
運動学の教科書は中村隆一先生の
「基礎運動学」で筋の起始、停止、支配神経を覚えるために使いましたが
小児の発達段階の勉強にも使いました。当時の理学療法士養成校の学生のほとんどが「基礎運動学」で勉強していると思います。
小児の発達段階は簡単に
寝返り、坐位、四つ這い(はいはい)、膝立ち、立ち上がり、
歩行へと進んでいき中枢神経に障害があると
異常反射が起こり運動障害が起こるという理論で、
ボバース法などは仰臥位、寝返り、膝立ちなどで
異常な動作がでないかを評価し異常な動作があれば
それを修正するように運動学習するプログラムが組まれました。
当時は脳はまだ、どのような働きがあるのかよくわからず、
「人間の脳は80%以上が使われておらず、その80%を
活用できれば人間はもっと潜在力を発揮できる」という
説が多かったです。
私は成人の片麻痺より脳性麻痺などの小児の方が
神経生理学的アプローチの効果が発揮しやすいのではないか?
と学生の頃は考えていた。
私は大学は商学部経済学科でした。自分って商売人タイプではないので
資格を取得して技術職に進もうと考え2年で中退して
理学療法士の養成校を選びました。
入学当初はとにかく3年で卒業し理学療法士国家資格を
取ることしか考えてなかったので
養成校の先生に「小児施設で働きたいです」と
就職面接の時に話すと先生は「男性で小児施設で働きたいという学生は
少ないので君は貴重な存在だ。有名な先生がいる所に紹介してあげよう」
と言われて小児施設に就職しました。
上司の先生には神経生理学的アプローチより
小児の装具の勉強を指導されました。
その頃はボバース法などの神経生理学的アプローチに批判的な
論文が多数出ていて、それよりも基本的な
装具などで歩行を安定させ福祉制度などの社会資源を活用することを
指導されました。
その先生からは多くを学びましたが当時は
ドイツのカルテンボーンやアメリカのパリス、メイトランド
などの理論がベースになっているモビライゼーションという
技術が体系化されるところでした。
小児ではモビライゼーションは勉強できないので
整形外科の個人病院に転職しました。
その整形外科の院長先生は理学療法士を熱心に
指導される先生で私が整形外科について聞きにいくと
後輩の理学療法士を集めて毎週、リハビリ室に来て整形外科の
勉強会を開いてくれました。
四肢、体幹の全ての整形外科の診断から手術、後療法の全てを
院長先生のご経験も踏まえて教えていただきました。
その病院は非常に手術の多い病院で交通事故の救急OPを
院長先生と大学病院から派遣されてきた整形外科医が
徹夜でOPをする個人病院としては珍しい病院でした。
私は自由に勉強させてもらいました。
小児施設でお世話になった先生の影響で社会資源の
制度を勉強したくなり商業大学で2年間の単位を
収めていたので京都の佛教大学の社会学科、社会福祉学部の
通信教育に3年次から編入しました。
それも整形外科の院長先生が佛教大学の編入時に
保証人になってくれました。
30歳で編入し3年間で卒業しました。
その後、介護保険の導入が決まり小泉政権時代に
介護支援専門員制度が決まりました。
第一回、介護支援専門員試験を受験し合格しました。
社会福祉学科で勉強したことが非常に役立ったと思います。
ケアマネの資格も持っていますが
理学療法士とケアマネジャーは兼任できないので
ケアマネの資格は全く使っていません。
そして現在に至るのですが
理学療法士生活も37年になろうとしていますが
思い返すとブログでは書けないことも
沢山ありましたが最終的には
今までお世話になった先生方には
感謝の気持ちしか残っていない
ということだけですね。
いやー懐かしかったな・・・・
60歳を過ぎると忘れていることの方が多いので
昔の教科書をもう一度読み返してみるのもいいかもしれませんね。
以上です。