アイドルグループのリーダー経験がキャリア選択にどう紐づくのか
アイドルとして表舞台に立ちながら、どうしたら多くの人々に愛されるのかを高校時代から5年間考え続けたビルド生がいます。特殊な世界での経験を、どうキャリア/就活軸の構築に活かしているのでしょうか。
はじめに
こんにちは。ビルド責任者の松野です。
今回は、学生としては珍しい、アイドルグループでのリーダー経験を持つあいりさんに、お話を聞いてみました。あいりさんは5年間アイドルグループのリーダーを務め、集客がほとんどない状況から2,000名を集客するグループに成長させています。
アイドル活動と言うとまだイメージがつきにくい方も多いのではないでしょうか。具体的な活動を踏まえ、キャリア選択の方針や自己分析結果について、教えてくれました。
就活生の皆さんは、自身の経験とキャリア選択への紐づけ方を参考にしてみてください。
アイドルグループのリーダー経験者が考える、キャリア選択
0.自己紹介
私は大学生で、現在就職活動をしており、またビルドに所属しています。
高校生の頃からアイドルとして活動していました。グループの中では、リーダーを務めていました。グループとしては、かなり活発に活動しており、全国流通のCDリリースやライブ出演をメインに活動を行いました。
ほぼ毎日活動に費やしていたので、部活のような感覚に近かったです。
1.キャリア選択の考え方
キャリアについての考えを記す前に、簡単に具体的な活動についてお伝えします。
活動の中で、様々な経験を得ました。大きなステージに立ったり、ユニークなイベントを行ったり、時には海外でもライブを行ったり…。
今振り返ると、アイドルという仕事の面白さは自分の考え次第で結果が変わる可能性が高いというところにあると思います。
多種多様な経験そのものはもちろん、その経験に至るまでや最中にはいつもたくさんのことを考えていました。
グループの目標を達成するために、リーダーとしてグループの中でどう立ち回るべきか、お客さんに好きになってもらうにはどうするべきか、自身のスキルはどうやったら向上するのかなど。。
キャリアを考える上では、自分の過去から導こうと思いました。
私は好みがはっきりしていたり、譲れないことがあったりと言語化できていない芯があることはなんとなく自覚していました。
この自分の芯を言語化するとともに、自分の興味のある業界や業種を考えるように。
・売上を伸ばすためにはどうしたらいいかを考えるのが好き→コンサル業界
・たくさんの関係者の方とイベントを作り上げるのが好き→商社、デベ
以上のように考えて、実際インターンに参加したりして、業界を絞っていきました。
業界を絞ったあとは会社単位で見て、社風や諸々の自分の軸に照らし合わせることが多いです。
その作業のなかで、私は誰かと一緒にひとつのものを作り上げることが好きなのだと気づきました。
リーダーとして人をまとめることを経験したことで、ひとりで黙々と作業するよりも、たくさんの人と話を重ねながら仕事をしたいのだなと思うようになったのです。
また、リーダーを務める中で、諦めないことを大事にしてきたので、挑戦しやすい環境に身を置きたいとも考えています。
2.チームで温度感を共有すること
約5年の活動の中で得たことは、チームの温度感を共有することの大事さです。
どれだけ能力の高い人たちが集まっていても、目指すものが同じじゃなかったり、注力するものがバラバラだったりすると、結果が出づらいと感じます。
定期的なミーティングや日々のコミュニケーションを通じて、リーダーとしてそれとなくメンバー全員の考えを理解し、また共有することを大事にしたことで、逆境を乗り越えることに繋がりました。
能力や得意、不得意がどうであれ、メンバーのモチベーションやチーム全体としての士気が高ければ、どんなことも乗り越えられると考えています。
3.アイドルだけが特殊ではない
スポーツのようにたくさんの人が経験するものではない芸能活動というものに打ち込んだ身として、自分の価値観は偏っているのではないかと不安になることもありました。
しかし、たくさんの就活生と話をして気づいたことは、意外とほかの活動とも共通する部分や考えが多いということです。
団体競技もアイドルグループでの活動も、チームで取り組むということは変わりません。
その中で大事にするべきことは、人と向き合い続けること、お互いを信じることです。
それぞれの経験そのものは違っていても、根本にある大事なものは同じなのだと気付かされました。
自身のこれからのキャリアにおいても、これらのことを大事にしながら歩んでいきたいと考えています。
終わりに
どんな経験でも、キャリア/就活軸と紐づけることはできる
ここからは、ビルド責任者の松野が執筆します。
あいりさんがキャリアを考える上で、アイドル活動が大きく影響していたことが見て取れたと思います。
▼noteの中で紹介された軸
働き方:みんなで何かを作り上げる、様々なステークホルダーとかかわることができる>>>一人で黙々と作業したり、成果を挙げたりする
環境:挑戦できる、売上の向上に尽力できる>>>裁量が小さい
あいりさんはさまざまな就活生と対話することで、自身と他の就活生の価値観との間に共通項を見出していました。
この就活生同士の自己分析は、どんな就活生もマネできるTipsだと思います。
ビルドでも、似た・異なる価値観のリーダー学生が集い交流する機会を設けていますが、そのたびに発見があり自己分析が進んでいく感覚を持ちます。これは、共通項を見つけた出したうえで、「自分だけの固有性」を見出せているからだと思います。他の人と自己分析をするときは、共通項を見つけるだけでなく、逆に自分だけが持つ個性も見つけられるように目的意識を持ちましょう。
最後にTips的なものをもう1つ。
ほかの人と共通するしないにかかわらず、就活軸を言語化出来たら「その対になる概念」も言語化してみましょう。その就活軸の具体性を「クリアに」高めるためです。
例えば、成長環境を就活軸に上げている場合、「何が成長環境の要素になり得るのか(What)」「なぜ成長環境が重要なのか(Why)」「いつまでにどのくらい成長したいのか(When, How)」などの要素で「成長環境」を修飾し、就活軸の具体性を高めることができます。上記3つの問いを考えようとすると、なんとなく思いつきはするものの、結局一番重要な要素はなにか、選び取りにくいです。
そこで、まずは「成長環境の対になる状況」について考えてみましょう。
_____10年以上上の上司ばかりが打席に立っている。自分がバイネームでプロジェクトを推進できるのは10年先だ。他の会社に行った同期は、すでにマネジメントのことまで考え始めている…。転職するための市場価値がつくのは、あと何年先なのだろうか?
What, Why, When, Howで、自分が重視していそうな要素がクリアに見えているように感じませんか?先ほどの就活軸を修飾する方法よりも、イメージが湧きやすかったり、修飾語の優先順位がつきやすかったりするのではないでしょうか?
★Tips
いろんな就活生と対話することで、自分の価値観に気づくことができる
自分の就活軸を言語化したら、その対になる概念も言語化してみる
リーダーとしての資質
noteの中で、「チームの温度感を共有し合うこと」「人に向き合い続けること」の重要性について、述べられています。順番としては、「人に向き合い続けること」で「チームの温度感を共有し合」えるようになるのだと思います。
筆者は、温度感を共有し合うために「リーダーとしてそれとなくメンバー全員の考えを理解し、また共有することを大事にした」と述べています。
人に向き合い続けることで、メンバーの考えを理解する。それだけで終わらずに、自分の考えを発信し続ける。まさに、リーダー自身が自己開示することも重要なのです。
これは、オーセンティック・リーダーシップの考え方と似ています。真正な自分を、メンバーやメンバー以外の他者に提示するでリーダーシップを発揮していく考え方です。
このオーセンティック・リーダーシップは、リーダーのモラル遵守の必要性が高まってきたことを背景に、アメリカで近年研究が盛んになっています。
現代日本でも、上司のパワハラ、セクハラ等モラルに関する見方は厳しくなっていますよね。
ビルドの目的である「自分らしい」リーダーシップを見つけることも、このオーセンティック・リーダーシップに則っています。今後も、学生同士の交流や自己開示を通じて、「自分らしさ」について考えていきたいと思います。
協力いただいた筆者のあいりさん、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。