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学生団体がお金を稼ごうとすると、"時間"が資産であると実感するはなし。




はじめに

はじめまして、BYLdのせーよーと申します。普段は学生をしながら,京都で個人事業主として活動をしております。

先日,創設者のまつのと喋っていた時に,「普通の学生団体と、起業などお金を稼ぐ団体とで、リーダーの行動はどう変わるのか?」という話になりました。

BYLdではさまざまなリーダーが所属していますが,実は私のように起業などの営利活動をしている人は少数派です。ただ、学生団体を運営する上で,資金繰りに困っていたりする人はたくさん居らっしゃいます。

学生団体がお金を稼ごうとすると、さまざまな壁にぶち当たります。そこで今回は,その壁の突破に重要な"時間"という概念についてお話ししようと思います。

時間の資産としての価値

時間は、生産活動と消費活動のどちらにも必要なリソースと言えます。

生産活動は,アルバイトなどの"資産を生み出す活動"です。時間を対価に、お金というリソースを生み出しています。

消費活動は"資産を使う活動"です。カラオケになどを想像してもらったらわかりやすいと思いますが、時間料金にお金を使ったりしています。

時間は,お金を生み出すことにも繋がりますし,お金を使うことにも使えます。また、お金に限らず,別の言葉にも置き換えれます。(例 勉強:時間を使って,知識を生産する)

お金等の資産に変換できるという点から,時間も実質的な資産だと捉えられるでしょう。

人がお金や時間を使ってでも欲しいと思うものの共通項

学生団体が営利活動を行うと,壁にぶち当たると書きました。なぜなのでしょうか?

それは,(営利活動をおこなっていない)学生団体が"学生の時間という資産を大量投入して成り立っている"ことに原因があります,

学生団体に所属する学生たちは,自分たちの時間を使って参加しているわけです。何を求めて参加してくれているのでしょうか?
私は,人がお金や時間を使ってでも"ほしい"と思うものは、以下の4種類に分けられると考えています。

①お金を生み出すもの  
②人の"楽"を生み出すもの 
③プラスの感情(楽しい,面白いなど)を生み出すもの
④マイナスの感情(不安、寂しいなど)を消せるもの 

ちなみに、①は、①で生み出したお金で②,③,④に変換できます。②も、②で生み出した時間などを用いて、③,④に変換できます。

学生団体に参加する学生は、なぜ自分の時間を使って活動に参加しているのか?

(営利活動をおこなっていない)学生団体に所属している学生は,時間という資産を使ってまで団体に所属しているわけです。では、上の①〜④の何を求めて所属しているのでしょうか。

多くの場合は,③,④だと思います。団体に所属して活動をすることで楽しいと思える。もしくは,団体の仲間と活動をすることで,寂しいという感情を忘れられる。などです。だからこそ、時間をたくさん使ってくれるわけです。

学生団体が営利活動をはじめた場合,学生の求めるものに①が追加されます。代わりに,③,④を求める感情が弱まります。

つまり,参加学生が、これまで時間というリソースを消費として使ってくれていたのに,生産のために時間を使い始めるわけです。

なんとなくイメージしていた方も多いのではないでしょうか。わざわざ言語化すると,こんな感じになります。

お金以外の価値を最大限活かそう

では,どうしたら学生団体でお金を稼ぐことができるのでしょうか?

もちろん,普通の会社のように,全ての業務に正当な報酬を渡せれば簡単です。しかし,学生レベルでそれくらい強固なビジネスモデルを完成させることはなかなか難しいです。

他の手法としては色々な打ち手がありますが,意識すべきはやはり参加学生の①への意識を減らすことでしょう。お金を参加意欲の動機付けにできるだけ活用しないようにすることが鍵になります。

お金は、分かりやすく単純に動機付けを行うことになりますし,モチベーションを簡単に上げることができます。ですが,お金はその単純さがゆえに,一度お金で問題解決をしたらもう他の手段での代替が難しくなります。

やりがいや楽しさ,そこでできる経験や団体のロイヤリティなど,お金以外の手段をフルで活用し、上手にお金以上の価値を参加学生に感じてもらうことで,団体を存続させつつお金を稼ぐことができるようになります!

まつの(ビルド責任者)のコメント

 今回は、ビルド生であるせーよーさんにnote執筆を依頼してみました!せーよーさんの稀有なバックグラウンドを基に、「学生団体と営利団体の差分」をテーマに語っていただきました。

 ビルドでは、学生レベルのリーダーシップと社会人レベルのリーダーシップの差や共通点を感じ取り、「では自分たちは社会人レベルリーダーのになるにはどうすべきか?」を考えていきます。そして、学生団体と企業で大きく違う点の1つは、「営利を求めるか否か」です。また、学生団体など非営利団体の学生リーダーたちの大きな課題として「メンバーのモチベーションをいかに担保するか」があります。
 非営利である学生団体でも、「バイト代のように給与が出れば、メンバーのコミットメントを引き出せるはず…」という考えになったことのある学生リーダーも多いはずです。

 しかし、本当にそうなのでしょうか??実は金銭的なメリットでモチベーションをあげることも難しいということが解像度高く理解出来たのではないでしょうか。

 せーよーさんは個人事業主やバーの運営者の経験を通して、学生団体でありながら営利を出さなければいけない立場にある方です。そんな目線で、「時間」と「お金」という概念を用いて学生団体と営利団体と違いや、「給与があるからと言って、モチベーションが上がるわけではない」という意見を語ってくれました。

メンバーのモチベーションを上げることは、学生団体にとっては永遠の課題ですよね。お金でどうにかなるものではない場合、モチベーションをあげるための構造から変えていく必要があるかもしれません。それこそ、投下時間で純粋なプラスの感情が生まれたり、マイナスな感情が弱まったりするためにはどうしたら良いのでしょうか。これは、ビルドでも議論してみたいですね。

次回もお楽しみに!
今後も、ビルドをよろしくお願いします。