見出し画像

今週のグッドデザインを紹介します(1/1 〜1/10)

新年あけましておめでとうございます!今年もさまざまなグッドデザインを紹介していきます。今日は、1月1〜2週( 1/1 〜1/10)のとれたてグッドデザイン6点をまとめましたので、ご覧ください!



1/1 神社[産泰神社]

柔らかく美しく、そして神社らしい荘厳さを兼ね備え、思いを込めた紋を各所にあしらい、神社全体に統一感のあるデザイン。

産泰神社

受賞者によるデザイン紹介
神社の本義である「ご祈祷」と「安産祈願」というご利益を軸とした神社全体のブランディング。伝統的を大切にしながらも今の時代感で神社というものをわかりやすく、産泰神社らしく伝えることを目的に、妊婦の方をはじめとする家族を大切に思う人に向けて、柔らかく美しく、そして神社らしい荘厳さを兼ね備えたオリジナルのデザインを考案した。

審査委員からのコメント
神社が減り、日本の人口も減少し、神社離れが進むなか、神社のリブランディングの事例が増えている。そのなかでこの産泰神社は全体設計がとてもよくできている。妊婦や女性のために細部まで考えられた、お守りなどの授与品は、何度も通って集めたくなる。神社の価値として不変なところと、今のユーザーにあわせて変えるべきところを深く検討して、細部まで丁寧につくられたデザインである。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/22598

1/6 だるま/アップサイクル/[梨だるま 節目FUSHIME・プレミアムPREMIUM・漆URUSHI・傾奇KABUKI]

3人の地元住民の手によって実現した、アップサイクルで縁起物のお土産づくりプロジェクト。

梨だるま 節目FUSHIME・プレミアムPREMIUM・漆URUSHI・傾奇KABUKI

受賞者によるデザイン紹介
地元特産の梨。美味しい果実を実らせ寿命がきた梨の木は、これまで伐採・焼却処分されてきた現状がある。その木を伐採し、形を変えた新しいプロダクトとして蘇えらせたものがアップサイクルプロダクト「梨だるま」だ。「なし」という言葉から「心配なし」「病気なし」「災いなし」、再び立ち上がる姿から縁起物のだるまとなった。

審査委員からのコメント
アップサイクル、特産品、縁起もの、という三つの要素とストーリーがうまく重ねられており、地域の良きブランディングに寄与するプロダクトとして継続し成長していく可能性を感じた。町内の木に関わる仕事に就く(庭師、材木屋、家具屋)という身近な仕事仲間によって発案された梨だるま。住民が主体となり地域の資源を使ってサスティナブルなまちの未来を創造する取り組みを評価したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/24942

1/7 巾着[BAGSBAG]

複数の袋が連なり、トートバッグのようにひとつにまとめて持ち歩ける巾着。自社ブランドの新しいビジネス展開を目指すプロジェクト。

BAGSBAG

受賞者によるデザイン紹介
2つまたは3つの袋が連結した巾着。散らばりがちな荷物を仕分けし、ひとつにまとめて持ち運べる新しいツールである。仕切りに使用しているテープがそのままハンドルにもなり、インナーバッグとしてだけでなくトートバッグのように持ち歩くこともできる。素材には丸編みニット生地を使用し伸縮性を活かした収納性も確保している。

審査委員からのコメント
巾着袋というありふれた袋の形の丁寧な見直しが、機能性と意匠性を兼ね備えたデザインへと昇華されている点が評価された。細々とした荷物を整理するためのシンプルな構造が、収納性を担保するだけでなく、製品のアイコニックな佇まいへとつながっている。また本製品は地域の行政プロジェクトの成果物である。丸編みニット生地を使用して、衣料品以外のジャンルに挑戦し、自社ブランドの新しいビジネス展開を目指すという試みも高く評価された。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/25331

1/8 眼鏡用カラーレンズ[フィジカルサポートカラー]

身体のバランスや機能変化を確認しながら、「色の種類」「色の濃度」を調整して必要とする波長領域のカラーレンズを作成できる。

フィジカルサポートカラー

受賞者によるデザイン紹介
周囲の光環境の変化で身体の不調を感じる方が一定数おられることから、心身の不調と好調は光の波長が影響し、関係していると考えられる。 可視光線に起因する潜在的要因を掘り起こし、カラーレンズ装用時の身体機能の変化を自覚することが可能になることで、健康で快適な生活をサポートすることを目的とするプロダクトです。
審査委員からのコメント
フィジカルサポートカラーは、身体のバランスや機能変化を確認しながら、その人に適したレンズカラーを選定するプログラム。視覚から入ってくる色の情報が人の感情や気分のみならず、身体の柔軟性や呼吸の安定などパフォーマンスにも大きな影響を与えている。しかもそれぞれの色の与える効果は人によって変わってくる。ストレスの多い現代社会において、人の気持ちやパフォーマンスを色の力でポジティブに向上できる知見は、社会認知を拡げる必要性を感じるとして高い評価を集めた。社会にその有用性をどんどん提示していって欲しい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20777

1/9 住宅[be in harmony]

オリーブの大樹が植えられた庭と居室をフラットに接続。庭に出て心地よく過ごすことで、近隣との繋がりや地域への愛着を育む住宅。

be in harmony

受賞者によるデザイン紹介
この家は、オリーブの大樹を中心に庭と居室をフラットにつなげる事で、日常的に庭で過ごす時間が増えるようにデザインされた住宅です。都市の生活から失われてしまった「自然とのつながり」と「近隣とのつながり」。家の中ばかりで過ごすのでは無く庭で過ごす時間を増やす事こそが失われた「つながり」を誘発する第一歩と考えています。

審査委員からのコメント
オリーブの大樹の横に設えられたアウトドアリビングが非常に気持ち良さそうである。日常的に庭で時間を過ごしてほしいという設計者の思いが、室内と段差無く繋がる庭や、アウトドアリビングを実現させている。外で過ごす時間を長くすることで自然との繋がりだけでなく近隣との繋がりや地域への愛着を育もうとしている点も評価できる。室内の設計もオリーブを囲んだ配置とし、常に緑を感じられるように配慮されているのも良い。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/21836

1/10 突然経営を引き継ぐ女性を支える取り組み[女性社長のココトモひろば・経営者の妻のための情報サイトつぐのわ・事業承継ステーション]

ある日突然、経営を引き継ぐことになった女性を支援する取り組み。3つのウェブサイトを通じて様々な情報を提供しつながりを創出して、孤立を防いでいる。

女性社長のココトモひろば・経営者の妻のための情報サイトつぐのわ・事業承継ステーション

受賞者によるデザイン紹介
この取り組みは、予期せず経営を引き継ぐ女性を支援する。経営者を夫に持つ妻には特化した情報サイトを提供し、意図せぬ承継の準備を助ける。夫の他界等により経営を引き継いだ女性経営者には、同じ境遇の人々と繋がれるコミュニティサイトを用意する。さらに女性の事業承継を支援する団体には、横のつながりを提供する支援活動を展開している。

審査委員からのコメント

事業継承は小規模企業にとって難しい課題である。特に経営者の死亡によって配偶者である妻が経営を引き継ぐ場合には、その苦労は計り知れない。このサービスが必要な可能性を有する対象者は、大規模な調査では数値化されない社会の潜在的な人々だ。表面化し難い課題を抱えた人々の声に保険事業者が耳を傾け、メンタル面、他団体サービスとのネットワーク、情報提供という多面的なサービスで担い手となる「人」をサポートすることが、小規模企業の事業継続につながり保険事業としての実利に帰着する、という広い視点に立った活動姿勢はデザイン的なアプローチによるものだ。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/21901

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
インスタグラムもあわせてご覧ください!
https://www.instagram.com/good_design_award/