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今週のグッドデザインを紹介します(7/22〜7/26)

今日は、7月4週(7/22〜7/26)のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します!



7/22 商業施設[尾州ビレッジ]

長年駐車場だった駅前の一等地に、人々が集い、まちへと歩き出す賑わいをうむ商業施設。

尾州ビレッジ

受賞者によるデザイン紹介
5棟の小さな商業施設群。貸床面積が優先されて敷地一杯に閉じた建築が並ぶ駅前商業地に、積極的に空地を生み出して都市にゆとりと賑わいの風景をつくり、場の価値を高める試みである。リズミカルに並ぶ透明なボリュームの隙間に庭と小さな居場所を連続させる。ウォーカブルなまちづくりと連携し、まちを回遊するきっかけの場となっている。

審査委員からのコメント
車社会で駅前でも歩いている人がほとんどなく、賑わいを感じられない地域において、建築の作り方によって賑わいが生まれることを示したプロジェクトだ。暫定利用という建付によって容積を最大にせずとも事業性を確保したことから、人が歩きたくなり、ベンチに座ってひととき過ごしたくなる「隙間」を生み出した。どこにでもあるチェーン店ではない、個性のある店舗が入居していることも、この場所の魅力を大きくしている。ここでの実践が地域でも価値を認められ、駅前から街中にかけて、人の拠り所がある空間作りが広まっていくことを期待したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17012

7/23 食品容器[セブン‐イレブン環境配慮型容器 ープラスチック食品容器のCO₂削減の取り組みー]

製造時に着色・印刷工程を減らし、排出されるCO2を年間811トン削減したプラスチック食品容器。シンプルなカラー設計で売り場全体がクリーンな印象に。

セブン‐イレブン環境配慮型容器 ープラスチック食品容器のCO₂削減の取り組みー

受賞者によるデザイン紹介
製造時に発生するCO₂の削減を可能にしたプラスチック食品容器を、セブン‐イレブンオリジナルフレッシュフードで使用。

審査委員からのコメント
大量に流通する商材において、加飾としての印刷の排除・サイズの規格統合などを全社的にルール化する事で環境負荷を軽減する戦略と実績が明解だ。印刷を排除することで生まれたシンプルなカラー設計は、売り場全体がクリーンな印象になり、企業としてのメッセージを感じる。現代の日本の社会生活では、様々な理由により加工された食品を個食単位で販売することは必要不可欠となっているが、一方で環境に対する課題の解決が必要とされているのが実情だ。本取り組みは大手企業が行うことで食品流通業界全体への波及効果があり、食品流通業界に一石を投じるものと期待している。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15430

7/24 サッカースパイク[ミズノアルファ ジャパン]

スプリントとハードワークを両立する、軽くてグリップの効くサッカー用スパイク。

ミズノアルファ ジャパン

受賞者によるデザイン紹介
ミズノ史上最もスピードを追求したサッカースパイク。現代フットボールには「スプリント」と「ハードワーク」のプレーが求められる。それらをサポートするミズノ独自の技術を搭載し、約190g(27.0cm 片方)の軽量性を実現した。

審査委員からのコメント
履いて走って驚いた。デジタルとの融合で急速に進化のスピードがあがるスポーツカルチャーの中で、メーカーは凌ぎを削っている。たった190gのサッカースパイク、グリップのきくスタッド、どこに注目しても長年、プロスポーツ選手たちの伴走者であるミズノが持つ技術力の最前線にあるスパイクだろう。技術はそれぞれでは機能的にならず、フットボールというスポーツに向けて技術を統合するデザイン力がこのシューズの一番の魅力だろう。陸上競技とは違った視点で求められる強度、直進だけでなくジグザグと走り回り急に止まれるグリップなど、このスパイクで選手の力が最大限発揮されることに期待したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/16844

7/25 Event[Jiji Go-Empty School]

台湾の過疎化がすすむ小さなまちで、「なんにもしない」をしに行く旅の提案。

Jiji Go-Empty School 集集集度放空學校 

受賞者によるデザイン紹介
かつてリトル台北と呼ばれた集集は、1999年に大地震に見舞われ、住民の流出が相次いだ。その終焉を迎えたものの、集集は自然や歴史的資産に富み、過密な台湾人にとって貴重な旅行先となっています。"Jiji Go-Empty School "は、「授業」を通じて地域の観光地をキュレーションし、特注のDynaFont書体で可視化したユニークな旅行提案です。

審査委員からのコメント
被災を経験した集集という街で「なんにもしない」ために訪れることを「授業」という形式に見立てて企画。でもその提案内容は、学校では怠惰だと怒られそうなことばかり。正しいことをせっせとこなすことに追い立てられている現代の都市生活や教育において、実にシニカルでユニークな提案だ。過疎化したどの街でもできそうなことだが、この街に愛着のある各者が、丁寧に「なんにもしない」を地域資源として活かし、地元を巻き込みながらデザインし、味わいのあるフォントに落とし込む、といった内部にも対外的にも丁寧な活動に審査委員の評価が集まった。結果的に観光客を400%も増やすという実績を残すに至っている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/19604

7/26 旅行サービス[どこかにビューーン!]

JR東日本の新幹線でおすすめの4つの駅の「どこかに」行けるサービス。指定した旅程情報を元に行き先候補を提案してくれるので思いがけない旅行体験ができる。

どこかにビューーン!

受賞者によるデザイン紹介
JR東日本の新幹線で対象の47駅の中から「どこかに」行ける新しいサービス。顧客の指定した旅程情報を元に4つの行き先候補を提案する。JRE POINT6,000ポイントによるお申込みから3日以内に行先を決定し、ご案内する。顧客が行き先を決定できないことによる思いがけない旅行体験の創出と、旅行需要喚起と地域活性化に貢献。

審査委員からのコメント
観光は季節によって需要の偏りが生じやすく、また特定の地域に人気が集中することも多い。そのような中、新幹線の空席状況に合わせて、旅行者に新しい場所との偶然かつお得な出会いを促す本サービスは、顧客、事業者、そして地域にとって三方よしの取組であるといえよう。また特定のアクティビティをテーマとした行き先の絞り込みを可能にすることで、新しい出会いへのワクワク感を残しつつ、旅に対する一定の期待値を下回らないようにする工夫も評価したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17585

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
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