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グッドデザイン賞の「二次審査」とは?

2020年度グッドデザイン賞は、一次審査(書類審査)、二次審査(現品審査)が終了し、いよいよ10/1の受賞発表を待つばかりとなりました。
前回の一次審査紹介記事に続き、今回は、応募された実物を見て審査する「二次審査」が、どのように実施されているのかについて、簡単にご説明します。

まず改めて、グッドデザイン賞の今年度の流れはこのようになっています。

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(今年度は感染症拡大防止のため、リアルの場での受賞展・受賞祝賀会を中止し、代替プロモーションとして、オンラインを中心とした新たなイベントを実施します)

現在は、上の図の「二次審査[現品審査]」が終わった段階で、この審査を通過した対象が、グッドデザイン賞に内定している状況です。

二次審査は、実物を見て審査する「現品審査」

二次審査では、一次の書類審査を通過した対象すべてを広大な審査会場に展示し、三日にわたり、様々な視点から検討を行いました。
ちなみに、建築物やサービスなど、実物が展示できない審査対象については、パネル等を提出してもらっています。

審査では、「子ども・文具」「家電」「住宅建築」などのカテゴリーごとに分かれて審査ユニットを編成し、このユニットごとに合否を決定します。


まずは、審査委員が個別に応募対象を確認し、優れたデザインと認められるものに投票します。

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その後、審査委員会が必要と判断した対象について、会場と応募者をつなぐウェブ会議システムを使って、デザイナーからのヒアリングを行なったり、

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未発表対象かつ機密情報の安全性確保を希望する応募者について、機密情報の安全性を確保した上で行う「未発表審査」などを経て、

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最終的にユニットの審査委員が集まって合議を行い、受賞対象を決定します。

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*建築物などを中心に、後日必要に応じて現地調査を行う場合もあります。

グッドデザイン賞の審査の視点

一次審査記事でもご紹介しましたが、審査の基本的な考え方としては、以下の4つの視点があり、これらのポイントから応募対象を観察し、総合的に判断しています。

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なお、こちらも繰り返しになりますが、審査委員は、自身がデザイン・コンサルティングをした対象については審査に関わることができません。(関連情報の提供も含む)

そしてもっと詳細に知りたい方は、審査委員に配布する「審査委員チュートリアルブック」(PDF)を公開していますので、ぜひこちらをご覧ください。

二次審査は体力勝負!

初めて参加した審査委員のみなさんの多くが「こんなに大変だと思わなかった」という言葉を口にされます。

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三日目の朝にはみんなでラジオ体操をしています


審査では、朝から晩まで広大な会場を歩き回り、一つ一つ実物を目の前にして、腕時計ならはめてみる・自転車なら乗ってみる・アプリなら使ってみる‥というように、実際にすべてを利用してみて進めていきます。

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そして、個人の審査が終わった後には、ユニットで集まり、一つ一つの対象について真剣な議論を行い、本当に合否はこれでいいのか、という部分を詰めていきます。

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このように、審査委員のみなさんが、体も頭も疲れ果てる審査の末に決定した2020年度のグッドデザイン賞は、10月1日に発表しますので、発表まで今しばらくお待ちください!