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今週のグッドデザインを紹介します(1/27 〜1/31)

今日は、1月5週( 1/27 〜1/31 )のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します!



1/27 カセットこんろ[カセットフー“極”]

半世紀以上食卓を彩ってきた「カセットフー」シリーズ。長年親しまれていた基本パッケージや製法を見直し、脱「箱型」の美しいシルエットへ。

カセットフー“極”

受賞者によるデザイン紹介
半世紀以上食卓を彩ってきた「カセットフー」シリーズ。55年目を迎えるシリーズのフラッグシップモデルとしてデザインされた製品。ハイエンド、プロ、海外などの新規ユーザーをターゲットとし、長年親しまれていた基本パッケージ、製法を見直し、ハイエンドに相応しい質感と機能美を追究し、シンプルでありながらも際立つデザインを確立。

審査委員からのコメント
パイオニアに相応しい、「脱・箱型」を革新的に実現したハイエンドモデル。今までの箱の中身はどうなったのかと不思議なほどの生まれ変わりように、爽快さを覚える。五徳と脚が一体となり、盃状のボディを軽やかに支える様は、従来のカセットコンロとは全く別の存在感だ。火がある食卓は豊かなものだが、その炎の美しささえ際立って感じられるような製品である。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/22241

1/28 引出収納[KaKuKo]

ハンドルを無くすことで閉めた時に真四角に見える、シンプルですっきりとしたオフィス用キャビネット。

KaKuKo

受賞者によるデザイン紹介
オフィス用キャビネットを製造・販売するダイシン工業は、クリエイティブユニットTENTと協業し、ミニマルで暮らしに最適な収納家具「KaKuKo(カクコ)」を開発した。上部のフチを手がかりにして引き出すとスムーズに動作する引出し機構を搭載している。引出しが閉まっている時にはノイズのない「ましかく」な形状を実現した。

審査委員からのコメント
スチール性のオフィス家具は冷たくラフになりがちだが、従来のオフィスでは採用しないカラースキームと高度な技術力が融合し、佇まいの美しいインテリア家具に昇華されている。スチール板の小口が見えるシャープなデザインだが、見えない箇所での工夫で懸念される耐荷重性能も担保されている。単体の美しさは勿論のこと、重ねた時のノイズの少ないディテールの処理にデザイナーと技術者の力量をうかがい知ることができる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/23960

1/29 週末住宅/集会所[山麓堂]

宮城・石巻の山麓に建つ、まるで集会所のように親戚や友人、近隣の皆が集える住宅。

山麓堂

受賞者によるデザイン紹介
山麓に建つ週末住宅。超高齢化社会の過疎地域の中でコミュニティ拠点の役割も目指している。 大きなワンルームで構成し、農作業や催しに対して柔軟に場をつくる。山の稜線に沿うカーブの屋根は、光沢の天井がアクティビティや周辺環境をぼんやりと映し出し、その下をガラス引戸と格子ガラス引戸の2層の建具が横断してゆるやかに場を形成する。

審査委員からのコメント
別荘を地域の集会所として作っている点がまず素晴らしい。朽ちかけた実家を別荘に建て替えるに当たり、生まれ育った地域の人を繋げる場として再生させている。広い土間空間が地域の人にとって集まりやすい場となっていると同時に、地域の人と協働での収穫作業に有効な場となっている。3ヶ月に一度くらいはイベントを企画しているらしいが、そういった一個人の努力で地域の拠り所を作り上げた点を高く評価した。3次元曲面の木の屋根も風景に馴染んでいる。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/27468

1/30 拡大鏡[超観察スコープ]

自然観察や実験といった学習を通して、「モノを拡大して観る」ワクワク感を体験しながら、同時に拡大鏡の原理を学ぶきっかけになる水陸両用の拡大鏡。

超観察スコープ

受賞者によるデザイン紹介
超観察スコープは、拡張&折りたたみできるレンズフードで、シーンに合わせた観察ができる水陸両用の拡大鏡です。未就学〜小学生を対象に、①虫メガネのように観察する「ルーペスコープ」②観察物の上からかぶせて観察する「虫かごスコープ」③水面に浸けて浅瀬などの水中を観察する「アクアスコープ」の3つのモードで楽しむことができます。

審査委員からのコメント
『超観察スコープ』の独創性と変革の可能性は非常に刺激的であった。この製品は、単に機能的であるだけでなく、終わりなき探求の入り口でもある。子供の知性、想像力、そして好奇心に火を灯すように設計されたこの万能スコープは、日常の外出をスリリングな冒険へと変える力を持つ。ルーペモード、虫かごモード、水中モードへと自在に切り替えられる独自の機能により、子供たちは葉、昆虫、水生生物の隠れた美しさを観察し、陸から水中まで自然の細部を探究することができる。そのデザインは、汎用性、使いやすさ、そして教育的価値を見事に融合させており、子供の知性を育むために不可欠なツールとなっている。子供たちの好奇心を刺激する点、そして直感的に使いやすいようにデザインされている点が特に優れている。この製品は、単なるおもちゃではなく、発見と学びを賞賛するための素晴らしいツールである。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/21445

1/31 商業施設[Komatsu 九]

誰もが自由に過ごせるフリースペースを設けた駅直結の交流施設。店舗運営している社会福祉法人に施設の清掃業務を委託し、その費用を収入源にすることで、売上だけに頼らない自走可能な仕組みを構築した。

Komatsu 九

受賞者によるデザイン紹介
北陸新幹線小松駅に隣接するここはひと・もの・情報を繋ぐ交流施設。通勤中の会社員や学校帰りの学生、地域住民から観光客まで誰もが自由に立ち寄れる。飲食店である小松KABULETはフリースペースとしても利用が可能。障がいのあるスタッフも活躍する”ごちゃまぜ”なここは、駅を交流の中心と捉え、駅から始まるまちづくりを展開する。

審査委員からのコメント
「Komatsu 九」は、地方都市における駅の新たな価値を創出する試みとして高く評価したい。地域交流の結節点として駅が再定義することで、通勤者や学生、観光客、ファミリーといった多世代が自由に集う場を提供している点が駅の可能性を広げている。特に清掃業務の委託費を収入源とする運営体制は、持続可能なビジネスモデルに寄与しており、運営への工夫を感じた。また、筆者自身もこの場所を訪れた際、他世代が共に時間を過ごし、自然とコミュニティが形成される様子を目の当たりにし、その場の心地良さに感銘を受けた。今後は開発の費用対効果が見合うように、運営の持続と発展に期待したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/21378

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