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今週のグッドデザインを紹介します(9/17 〜9/20)

今日は、 9月3週( 9/17  〜  9/20 )のとれたてグッドデザイン4点をまとめてご紹介します!



9/17 手織りラグ[Hand Woven Court]

日本古来から伝わる「つづれ織」の技術とウール素材開発のノウハウを活かした、国産の高品質な手織りラグ。

Hand Woven Court

受賞者によるデザイン紹介
日本古来から続くつづれ織りの技術を使った手織りのウールラグです。

審査委員からのコメント
建材としてのカーペット製造を主力とする堀田カーペットが、日本の伝統的な手織技術をもつ清原織物とともに開発した、日本のものづくりの魅力が詰め込まれたウールラグである。世界に日本のカーペットを紹介したい思いから、膨大な量の試作を経て、7年をかけて完成させたものづくりへの情熱を心から賞賛する。上質なウールをベースとしたオリジナルの糸と、伝統的な手織り技術が融合した繊細で不均質なこのテクスチャーは、空間に心地よい奥行きをもたらすだろう。情熱と品質が合わさり、文化と産業の向上にも貢献するこのような優れた製品が、今後も増えることを願う。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20334

9/18 直売所[オーガニック直売所タネト]

長崎県雲仙市千々石にある井戸端のような直売所。農作物には一つひとつに生産者の名前が記され、手書きの説明が添えてある。ビニール袋の個包装をやめて、根菜は土の上にじかに置き、葉野菜は水を張った羊羹船に立てるなど工夫を重ねている。

オーガニック直売所タネト

受賞者によるデザイン紹介
私たちは雲仙で育った自家採種の在来種野菜を軸にしたオーガニック直売所です。野菜は全て半径20kmで育った農薬・化学肥料不使用のもの。生産者・地域のお客様、料理人、観光客が混ざっていく「地域の井戸端」がコンセプト。通販は一切せず、地元の方々に一番いい野菜を届けることを使命としています。食堂と古本屋併設しています。

審査委員からのコメント
自らのニーズから出発し、徐々に地域の課題やニーズに応える実践者、創造者となったタネト。美的センス、持続可能な価値(自家採種・プラスチックフリー)、アドボカシー(キュレーション)を統合したプラットフォームであり、地域で静かな革命を起こし、地域を守る力となっている。この力は今の時代、あらゆる地域が必要としている力である。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20407

9/19 次世代型路面電車システム[芳賀・宇都宮LRT]

雷の多い都市「雷都」から生まれた、市民路線としてのライトレール。まちづくりのためにデザインされた電車システムに評価が集まった。

芳賀・宇都宮LRT

受賞者によるデザイン紹介
本システムは、都市の持続可能な発展のために必要となる「社会」「環境」「経済」の3つの構成要素を前提としたまちづくりを象徴するモビリティであり、都市の歴史や風土を未来に継承することを主眼としたトータルデザインコンセプトを導入し、まちづくりと一体となった整備を推進している。

審査委員からのコメント
この地に多い雷は、稲妻という言葉があるように、稲の生育を促すことが知られてきた。ゆえに誇りを持って「雷都」と自身を呼んできた。こうした地域性から生まれたカラーやロゴマーク、ネーミングを、車両やインフラだけでなく、市民向けのプロモーションにも活用することで、市民路線としての醸成に活用したストーリーに感心した。行政とデザイナーが一体となった展開は、モビリティはそれ自体が目的ではなく、まちづくりの手段のひとつという立ち位置をわきまえたものであり、共感できるものである。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15215

9/20 地域共生文化拠点[春日台センターセンター]

かつて愛されたスーパーを、再びまちの”センター”に。地域住民と交流し合う中で生まれた、みんなの居場所をつくる地域共生文化拠点。

春日台センターセンター

受賞者によるデザイン紹介
神奈川県愛川町の郊外住宅地において、かつての商業施設を、福祉を核とする地域の拠点として再びセンター化した計画。事業者と建築家が長い年月を掛けて枠組みづくりから協働して高齢者の住まいや障がい者の働く場を地域に開いた実践であり、様々なプログラムをもつ分棟の建築がまちの動線や活動を引き込み、新しい日常の風景を生み出している。

審査委員からのコメント
この計画は、他人に不寛容で、問題が起きることへ臆病になりすぎている現代社会に対して、実践を通して強烈に、真逆の価値観を提示している場だ。福祉施設を含む複合施設だが、いわゆる玄関もない、一般的な建築計画ではあり得ない空間の中で、認知症の高齢者、障害のある人、外国人を含む多種多様な多世代が思い思いに活動し、居心地良く共存している。この自由な空気を実現するには、魅力的で発明的な建築空間とともに、それを使いこなす、しなやかな運営者の哲学が欠かせない。ここでは建築家と福祉事業者が、実に6年半という長い時間をともにする中で、信頼関係を築き、哲学を共有したことで、空間と運営がしっかりと噛み合い、とても自然で平和な日常の風景が生まれている。是非多くの方に知っていただき、こうした場づくりが広がっていくことを期待したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20473

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
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