2022年度「フォーカス・イシュー」提言を発表しました
3月9日に、今年度の「フォーカス・イシュー」提言を発表しました。
フォーカス・イシューとは?
フォーカス・イシューは、グッドデザイン賞の審査を通じて、デザインの新たな可能性を考え、提言する活動です。
毎年総勢100人ほどの審査委員の中から、年度ごとに数名の「フォーカス・イシュー・ディレクター」を選出。各々がグッドデザイン賞の審査プロセスを通して探求すべきと考えるテーマを設定します。
フォーカス・イシュー・ディレクターたちは、担当領域(審査ユニット)を横断して応募対象を観察。受賞者や識者との対話を経て、最終的には提言という形で自身の考えを取りまとめ発信します。
この取り組みは、2015年度から始まり今年で8年目を迎え、これまでに50以上の提言を発表しています。
2022年度フォーカス・イシューを振り返る
今年度のディレクターは、こちらの5名です。
2022年度ディレクター紹介
ディレクターのみなさんは、自らの抱える課題感や問題意識から社会とデザインの接点を考えて、それぞれ以下のテーマを独自に定め、一年間の考察を進めてくれました。
2022年度記事を振り返る
また、昨年同様、記事制作のパートナーとしてdesigningさんを迎え、取材や編集にご協力いただきました。
提言を発表するまでに今年度ウェブサイトに掲載した記事は、以下7本です。
1 あらためて「フォーカス・イシューを知る」レポート記事
オーソリティからフロンティアへ。変わるデザインの社会的使命と、グッドデザイン賞フォーカス・イシューの軌跡
2 グッドデザイン賞 審査委員長×副委員長対談
いまデザインがなすべきは、交わり、羅針盤を作ること──2022年度グッドデザイン賞から考える【安次富隆×齋藤精一】
ディレクター対談シリーズ
3「ちょうどいいデザイン」を考える
「利他」から考える「ちょうどいいデザイン」──伊藤亜紗×鈴木元
4「半径5mの人を思うデザイン」を考える
「支援」を超えて、目の前の関係性からはじめるデザイン──吉田田タカシ×ライラ・カセム
5「『わたしたち』のウェルビーイングをつくるデザイン」を考える
「わたしたち」という感覚は、いかにして拡張される?──山古志住民会議・竹内春華×ドミニク・チェン
6「続いていくデザイン」を考える
「面倒くささ」が育む、世代を超えて「続いていく」デザイン──馬場達郎×飯石藍
7「ひとことで言えないデザイン」を考える
解釈の余地あるデザインが、多様な人々を包摂する──中川エリカ×Honda UNI-ONE
立ち上げ時のグッドデザイン賞審査委員長だった永井一史さんにあらためてフォーカス・イシューの意義を聞くところから始まり、ディレクターのみなさんが受賞者や識者との対談を通じて最終提言の考察を進めていく様子を、随時公開してきました。
そしてここからは、ディレクターのみなさんの提言内容について、受賞例に言及している箇所を抜粋して、少しだけ紹介します。
ディレクター5名の提言内容をダイジェストで紹介
飯石藍「続いていくデザイン」提言
「自分たちが変える」という民主的な感覚を取り戻す。主導権を手渡し、つないでいくデザイン
■提言で言及している受賞例
鈴木元「ちょうどいいデザイン」提言
余白を残して、最後は委ねる。使い手への信頼が、長く暮らしを共にできるプロダクトを生み出す
■提言で言及している受賞例
ドミニク・チェン「『わたしたち』のウェルビーイングをつくるデザイン」提言
「わたし」の尊重と、「わたしたち」の協働。その両立をデザインするために
■提言で言及している受賞例
中川エリカ「ひとことで言えないデザイン」提言
誰もがつくり手になり、“暫定一位”を更新し続ける。複雑で厄介な問題を解くためのデザイン
■提言で言及している受賞例
ライラ・カセム「半径5mの人を思うデザイン」提言
やさしい社会は、“半径5m”からはじまる。「当たり前」の問いなおしから、波紋を広げていくデザイン
■提言で言及している受賞例
提言全文はウェブサイトでご覧いただけます
ここまで、ダイジェストで今年度のフォーカス・イシューを紹介してきましたが、興味を持っていただいた方は、ぜひフォーカス・イシューウェブサイトで、提言の全文をご覧ください。
また、サイトでは、年度別・テーマ別・ディレクター別に、これまでの提言もすべて見ることができます!
フォーカス・イシューウェブサイトは以下のリンクからどうぞ↓