「TITANE/チタン」(2022年4月10日鑑賞)

アップリンク京都にて。

みんながみんな、何かの病気。
入れ子構造の共依存。
産みにまつわる痛みの描写のリアリティ。

序盤に車と性行為へ及ぶシーンはもちろんのこと、ラストへ向かうスピード感もあまりに面白くて、劇場で観ながら小さくずっと笑っていた。興味深いとか惹かれるではなく、ただ精度の高さが抜きん出た歪んだユーモアとして。「何を産むの?!」という高揚感だけで2時間弱あっという間。

性的嗜好も老いも出産も、そのどれもを解決する術や居処、薬、またはそれら人体の実存にまつわる諸課題とともに歩んでくれるパートナーを見つける責任が個々人に任される苦しみ。

社会学者の猪飼周平は20世紀を「病院の世紀」だと言ったけれど、21世紀は誰しもにとって、病気の世紀なのかもしれない。

お酒を買いカレーを食べます。