(24/8/28追記)夏祭り放浪記 その5:新兵器「情報開示請求」やってみた
はじめに
この記事は、「夏祭り放浪記」その5である。今回は、新兵器「情報開示請求」やってみたレポと、ようやく始まる「個人夏祭り」に向けての準備もちょっとだけ扱う(8/11 まだ開示された情報が届いていないが、届き次第追記する)。「個人夏祭り」もそろそろ形になってきた。他編もぜひ読んでいただきたい。
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(まだないよ)
6月19日――「新兵器」登場――
会場も定まり、そろそろ1日ごとの解説に数千字を費やす慌ただしさも息を潜めてきた19日水曜日の夜、静寂を一通のラインが破った。
なんと、外山合宿の大先輩、中﨑クルス氏(@culture_human)からだった。曰く、「面白いおもちゃ」を紹介してくださるとのこと。そして、その「おもちゃ」とは「情報開示請求」というものであった。
「情報開示請求」とは?
実は、大阪大学は独立行政法人なので、大阪大学が保有する文書は「誰でも」「何でも」開示しろと請求できる。議事録や規則集はもちろん、大学職員が学生に送ったメールなども請求対象となる。この制度は請求が必ず通ることを保証するものではないが、とにかく請求自体は全く合法な我々の権利としてできる。ちなみに、情報公開制度については下の本が詳しい(こちらも中崎氏に教えていただいた)。
「開示請求」のフロー
開示請求の手順としては、以下のようなフローとなる。
①「 法人文書開示請求書」に開示してほしいこと(電話で詳しく同定できるので大まかでOK)を記載して、総務部総務課に提出するか、郵送する。
↓
↓ 1週間くらい
↓
②総務課の情報公開担当の人(やさしい)から電話が来て、「その書類は普通に公開されてます」「申請に該当する書類は多すぎて手数料アホみたいになるので絞っていきましょう」みたいな話をする
↓
↓ 2~4週間くらい
↓
③開示決定通知が来る。そこに、「どうやって書類送ったらいい?」という紙(開示の実施方法の申出書)も入ってるので、手渡しor郵便希望って書いて送る。
↓
↓ 1~2週間くらい
↓
④請求した書類が来る(うれしい)
という感じである。
やってみよう!
(※ここからは、単純化のため一部時系列を変更しているところがある)
ということで実際にやってみた。請求内容は、
・「夏まつり」について
①夏まつりの件(SNS垢消し・夏まつり中止)について当局(吹田学生センター)と委員会の間のメールのやり取り
②「大阪大学学生生活委員会」における「夏まつり実行委員会」に対する処分の議事録一切(「学生生活委員会が処分決定したと思っていい」と説明会で職員が言ってたので 「その3」参照)
③6月度の大阪大学外国語学部教授会の議事録・配布資料一切(これは後日請求したもの)
・その他気になったもの
④キャンパス移転時の箕面市との取り決めの中で、「夏まつり」関係(噂で移転時に夏まつりなくなりそうなところを箕面市が「会場費タダでいいから」と引き止めたという話を聞いたので 「その2」参照)
⑤「規定集に載っていない学内諸規定」(HPの「法人文書ファイル管理簿」を見てたら見つけた)
⑥「総長選考過程」について(同上)
で出してみることにした。多すぎる気はするが、やる気があるうちに申請できるだけした方がいいだろう。
いざ鎌倉――申請書提出へ――
情報開示請求の手引書を読んだり、いろいろ調べたりして21日金曜日になった。郵送してもよかったが、折角なので手渡しで申請書を提出してみることにした――しかしこれが「難関」だった。
まず提出のために向かう場所が問題だった。窓口は「阪大本部棟」というところにある。しかしそれは、私が通う箕面キャンパスでもなく、サークル活動などが行われる豊中キャンパスでもなく、遠く吹田キャンパスに立っているという。
仕方ないので再履バス※1に揺られ吹田キャンパスに向かった。街一つ分の大きさがある吹田キャンパス。その真ん中の丘に本部棟は鎮座していた。
※1 キャンパス間連絡バスの愛称。
学生運動対策っぽい古びた看板を通り過ぎながら坂を登って入り口に着いた。しかし、ここで問題が起こる。本部棟に入ろうとすると、警備員に止められたのだ。
何かと思っていると、「学生証を見せてください」と警備員。ここで、私の虫の居所が悪かったのか、よせばいいのに警備員と口論をしてしまったのだ。(そもそも大学本部に学生が入るのになぜ学生証を見せなければいけないのかとも思うが)学生証を見せるのはまあ良い。しかし、私の前にいた職員らしき人間は顔パスで入っていたことが私の反抗心に火をつけた。
「なんで前の人はそのまま入ってたのに私だけ見せないといけないんですか?」とかわーわー言っていると、警備員のおじさんから「上から言われてまして…」と心底困った様子で言われたので、諦めて学生証を見せて入った(追い出されなくてよかった)。
窓口に行き、言われた通り用紙に名前と用件を書いて(官僚制すぎる)渡すと、窓口の人が担当の人に電話をかけた。それはいいのだが、そのとき、彼女は「〇〇○(私の名字)さん来られました」と、私の名字を、スラスラと周知の事実であるかのような口調で伝えたのだ。電話口で相手が知らない名字を伝えるときは多少なりともゆっくり言うだろうが、そのような素振りはまったくなかった。私が来ることが事前に分かっていたのか。ツイッターが見られているのか……?と肝が冷えた。
まあツイッターを監視されているのは覚悟の上なので、とりあえず担当の人が来るまで(ボイスレコーダーの電源を入れながら)待っていると、それらしき人が来た。色々説明してくれたが、普通にとてもいい人で安心した。最後に、「開示対象が多すぎたり、なかったりしたら変更お願いすることもあるのでまた電話します」と言われて解散となった。建物を出る時は申し訳無さから一応警備員のおじさんに深めに礼をした。
選別
翌週木曜日の昼休み。いつものようにパレスチナ連帯スタンディングを行い、そろそろ解散かとなったところで、私のスマホが鳴った。出てみると、先週金曜日の情報公開窓口の人だった。内容は、先週に申請した内容についてだった(ここからの内容は複数回の電話のやり取りの内容を尺の都合でまとめたものである)。
・⑤「規定集に載っていない学内諸規定」については、聞いてみたところ本当にしょーもない規定(「事務改革推進会議設置要項」「新たな在宅勤務制度実装化推進チームの設置について」など)しかないようなので、開示請求を取り下げた。
・⑥「総長選考過程」については、HPで公開されている(https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/outline/selection)らしいので、こちらも取り下げた。
④「キャンパス移転時の箕面市との取り決めの中で、『夏まつり』関係」については、関連する資料がないそうなのでこちらも取り下げた。
まあこれらはついでに申請してみたものだから良いが、問題は残り3つである。
①「夏まつりの件について当局と委員会の間のメールのやり取り」については、窓口の人から吹田学生センターに確認したところ、「垢消しや夏まつり中止は口頭で伝えたのでメールも書類もない」という非常にふざけた返答があったらしい。仕方ないので、「口頭で呼んだ時に呼び出しに使ったメールを開示してほしい」と頼んだ。逃げられると思うなよ。
バカバカしい話はここで終わらない。
②「『大阪大学学生生活委員会』における『夏まつり実行委員会』に対する処分の議事録一切」については、まさかの「当該委員会についてその件についての審議自体を行なっていない」という返答を得た(!?!?!?!?!?!?!?)。
後に、「学生生活委員会」での審議では夏まつり当日に間にあわないので、「とりあえず」で夏まつりの中止は外国語学部の教授会で決めたらしいという噂を聞いたので、代わりに、「③6月度の大阪大学外国語学部教授会の議事録・配布資料一切」を請求した。外国語学部の方から、「議事要旨はHPで見れますよ」と言われていたらしいが、6月度教授会の議事要旨は結局6月末頃にようやく公開されたし、HP(https://www.sfs.osaka-u.ac.jp/publication.html)からそれを見てみると
夏まつりの話は書いていなかった。「(同日開催予定だった)オープンキャンパスについて」の配布資料に何かが書いているのかと思い、それの開示を請求した。
1ヶ月越しの開示決定通知
結局実際に開示請求できたのは「夏まつり実行委員会を呼び出したメール」と「教授会の配布資料」だけだった。そして開示決定の通知が届いたのは結局8月2日になった。
(8/20追記)オープン・ザ・プライス!!!
(8/20 開示内容届いたので追記)
8/2に開示決定通知が届いてから2週間以上経った8/20火曜日、ようやくブツが届いた(まあお盆を挟んでいるので仕方ないが)。
さっそく開封してみる。まずは「夏まつり実行委員会を呼び出したメール」からだ。すると・・・
・・・あれ、要件は?「垢消しや夏まつり中止は口頭で伝えたのでメールも書類もない」と言われたので、呼び出したメールに要件くらいは書いているかと思ったが、当てが外れた。ただ、吹田学生センターは6/4火曜日には動いていたことは分かる(HP削除が公になって騒動になったのは6/6木曜日)。また、文面から見るに、要件はあえて隠そうとしているようにも思える。
次は6月度の大阪大学外国語学部教授会の議事録・配布資料だ。配布資料に何かがあるのではないか・・・
次第は、HPに掲載されている議事要旨と同じだ。オープンキャンパスに関する資料を見てみよう。
何もなかった。
「夏まつり」の中止が決まったのは、最初「学生生活委員会」で決まったと聞き、次に6月の教授会で決まったと聞いたが、結局どちらでもないのか。それとも、教授会で決めたものの、書類を何も残さなかったのか。
(8/28追記)どうやら6月の教授会で議論はしたらしいが、その記録が一切残っていない(少なくとも我々の手に入らない)ようだ。怪しい……
(8/20追記)陰謀論タイム
ここまで書類が出てこないということは、秘密裏に「夏まつり」を中止にさせようとした「黒幕」がいる可能性を拭いきれなくなってきた。
思い返せば、中止の説明会において吹田学生センターの職員(おそらく上記のメールを送ったのと同一人物)が「メールで連絡すると『情報が錯綜してしまうため』、対面での説明を望ましく思っていた。なので出展者への連絡が遅れた」と言っていた(「その3」参照)。となると、動機はどうあれ、当初はあえて証拠を残さないように動いていたのではとも思える。HPの消失が騒ぎになったから中止の連絡・説明会開催等をせざるを得なくなっただけではないのか。
邪推を進めれば、正規の手段(「学生生活委員会」)では夏まつり中止に間にあわず実行委員会に「自主的に」夏まつりを中止にさせたのか、あるいは「超法規的措置」的に、教授会にてオフレコで活動停止を決めたのか……
どちらにせよ、
という実行委員会からの連絡における、「大学側から夏まつり実行委員会の活動停止処分が下され」という部分の真偽には疑問符がつく。
6月後半~7/5――祭りの前――
いろいろあって結局祭り自体への準備が始まったのは6月後半のことになった――といっても、基本的にはそれぞれの出展者にそれぞれで準備してもらっていたが。開催まで1週間を切った7月3日にようやく企画一覧が完成した。
出展者は上のようなメンツとなった。あとは当日を迎えるだけだ。
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次回は、ついに「個人夏まつり」当日を扱う。「夏祭り放浪記」シリーズも(多分)次回で終わりを迎える。次回も乞うご期待。