【アラサーからはじまる】未経験でWEBエンジニアにキャリアチェンジした話
あいはらです。
私はおおよそ2020年頃から、独学および趣味でプログラミングの学習を始め、紆余曲折を経て、希望するキャリア及び実務経験を積む事ができるIT企業でWEBエンジニアとして働いています。
今回は、30代未経験で全くの異業種から「エンジニア」へキャリアチェンジを実行するにあたって、背景や学習方法といった、自分自身の経験を振り返ってみようと思います。
私は活動当時、少しでもリアルな情報やヒントを得たく、noteやQiitaなどで、 #未経験 #WEBエンジニア #30代 で記事を読み漁った記憶があります。
ゴリゴリ主観ですが、似たような境遇や計画をされている方々って、案外多い時代になってきてると思うんです。なので、少しでもそんな方々の参考になればと思います。
キャリアチェンジ前のわたし
職務経歴
転職回数が多く、その上業種・業界等の内容が一貫していないのが目立ちます。笑
3社目の事務職に落ち着いた当時、当時では類稀なホワイト企業だった為、待遇や環境に恵まれ、落ち着いた働き方と生活をしていました。
ただ、それまでの自分の仕事に対する姿勢は一貫しており、「仕事に興味が無い」「出世欲は無い」「プライベートが第一」。とはいえ安定志向でしたので、上から何を言われてもゴマをすりつつ、裏で飲みながら愚痴を言うような陰リーマンをやっていました。
コロナ禍に入り、働き方について考え始めたきっかけがありました。緊急事態宣言下であっても、やろうと思えばリモートできる仕事なのに出社での業務姿勢に価値を見出す幹部陣の意向。役職がついて偉くなった上司は、Yahooニュースを見てばかり。業務フローを覚えようとせずに丸投げで頼ってくる他部署のスタッフ。なにより、興味のない仕事に対してキャリアを見出だせない事。
このままのストレス負荷で30年続くのかな?自分も仕事を部下に丸投げする上司になるのかな?もしも、自分に市場価値があって、それで食べていけるなら、働き方だって組織だって選べるようになるのかなー、なんてふわーっと考えていました。
そんな中、ふとしたきっかけで、エンジニアの友人にProgateを教えてもらい、プログラミング学習を始めることに。これがとてもおもしろかったです。知識ゼロの自分にとってドハマリできる学習サービスでした。
こんな現状で良いのかな、将来のキャリアなんてわからんなぁ、そんな不安
を抱えつつも、趣味のようなプログラミング学習を行っていく日々でしたが、本職でエクセルを使った面倒くさいタスクを担当することになりました。事務職あるあるですね。
しかし、自分はプログラミングの勉強をしている身。もしかして、これって自動化できるんじゃないか…?色々と調べると、VBAという技術を使えば、実現できるのかも、という所までいきました。
学習や作成作業など、担当業務以外に業務時間を使うことになるので、上司に相談・承認してもらった上で進めることができました。VBAを0から学び、タスク自体の業務フローを一つ一つ洗い出し、開発・テスト・検証運用する一連の流れを進められた事に、楽しさを感じました。
完成したVBAアプリは実際に他の担当スタッフにも運用してもらいました。これまで数時間かけていたタスクを1−2分で完了でき、喜んでもらえました。自分が作ったシステムが、会社や人の為になった事と、感謝された事に、やりがいを感じました。
転機
この経験をきっかけに、学習時間が自然と増加しました。これまでは、スキマ時間にプログラミングの学習をする習慣だったのに。
もともとパソコンやWEB、ガジェット系が好きだったので、プログラミングのような似たジャンルを学習していく事は全く苦痛ではありませんでした。運が良い事に、エンジニアの友人が趣味で開発している個人開発チームに入れてもらい、より実務を意識した学習へ移行していきました。
元々WEBからプログラミングを学習し始めていた自分にとって、WEBアプリ開発という方向性はマッチングしていました。実際にエンジニアの友人もWEB開発エンジニアで、職業観なども色々と話しを聞くことができていて、キャリアに対する具体的なイメージもつきやすかったです。
VBAの業務経験(と言ってよいかは微妙ですが)もあり、この頃からWEB開発エンジニアへのキャリアチェンジを意識していきました。
当時の職務では、少なくとも役職を得ることで給与を上げることができます。何かを頑張ったとしても、年功序列の社会。部長クラスになってようやく、高収入と言える身分に。ストレスを感じながら、あと20年は小さい会社の中で出世競争をしなきゃいけないのか…?
キャリアチェンジする事で、好きで興味のあることを仕事にできて、経験と実力次第で現状の給与レンジを大きく変えることができる。働き方だって選択肢に自由度が増します。将来の自分の家族を、現状より幸せにできる未来だって考えられました。
もちろん、この事は裏返すと、実力が無ければ今よりも待遇が悪くなるという事です。しかし…始めて「やりたい」と思えた仕事を見つけただけで、私にとって大きな変化でした。
「仕事というのは、上司が喜ぶ事をすると出世する」
そんな自分の価値観の転換期に、会社の上司からこんな言葉をいただきました。上司の伝えたかった本質はきっと別の意味であったのでしょう。ただ、「上司が喜ぶことをする」という言葉を使っている時点で、この人は多分自分のことしか考えてないんだろうなと思いました。
仕事はあくまで相手がいて成り立つものですし、評価を上げて出世して給料を上げたいなら、上司が喜ぶ事(色々あると思いますが)をするのは当然でしょうから、本質がそれであれば理解できます。
ですが、残念ながら本職へのやる気喪失に拍車がかかりました。笑
これらの直近の動きから、エンジニアへのキャリアチェンジを決意しました。未経験・異業種の転職をするには、ラストチャンスの年齢でした。むしろ少し遅すぎるかもしれない。やるなら今しかない。1,2年先の話ではなく、5年後・10年後、今後の長い人生の為に間違いなく良い選択だと判断し、覚悟を決めました。
最後にもう一つ…
当時、結婚したばかりでした。妻に気持ちを正直に打ち明けて、背中を押してもらえたのですが、それがなければこの選択もできず、未だに仕事に興味もなく、熱も入らない、出世もしない、ダラダラと無駄な愚痴を吐きながら働いていたかもしれません。
自分ひとりの事情だけではない、という気持ちは、当時も今も変わっていません。
学習の流れ
(前提)
基本的に独学ですが、本当にありがたいことにエンジニアの友人が何人かいます。補助輪は彼らに付けてもらった、といっても過言じゃないので、スクールを卒業していないと言えど、誰かしらの手を借りていました。
はじめの一歩
Progateの有料コースで3ヶ月ほど学びました。html/css, Javascript, Git, CommandLine, jQuery, SQLなどのコースを何回か繰り返したと思います。
色々な学習方法があると思いますが、私が実際に言われて納得したのが、「Progateを繰り返して学習することで満足しない」「Progateは卒業してさっさと実際に書いてみる」です。
Progateは本当に優良サービスだと思っていて、スライドはわかりやすいし、スーパー初学者が理解しやすいレベルから勉強できます。開発環境を構築する必要もなく、すべてブラウザ上で簡潔します。
それが故に、2周くらいすると、コース内の問題や課題の答えが身体で覚えちゃうんです。笑
そして、Progateで何周もする事が目的になってしまう。WEB開発をやりたいから基礎を学んでいるのに、目的がゆるりと変わっちゃってたんですよね、自分の場合は。
だから、Progateは早く卒業して、次のステップに移りました。
とはいえ、スライドは初学者が本当に理解しやすい内容なので、Progateを卒業した後もちょいちょい読んでいました。
ちゃんと勉強しました
とりあえず書いてみよう!ということで、エンジニアの友人が個人で開発しているWEBアプリ開発に参画させてもらいました。あくまで、趣味です。
とはいえ、開発を仕事にしている友人らのプロジェクトなので、開発環境は本格的でした。当時は、一つ一つがナンノコッチャでした。
ただ、全てを細かく理解する事が目的ではないので、あくまで実務に即した開発や、基礎で学んだコードを実際の要件に従って実装する、といった頭の使い方などを学びました。
Dockerの使い方や、Git cloneなど、ローカル環境の作り方や、ブランチの切り方、PRの仕方などのGit操作も、いざやってみるととても難しく、すぐ取得できませんでした。
開発で主に担当したのは、フロントの実装でした。とはいえ、単純なhtml/cssでなく、Nuxt.JSでの実装なので、これもまた一筋縄ではいきませんでした。笑
ファイル構成の知識からコーディングにおけるインデント・改行といった初歩レベルから、コンポーネント指向での実装といったアーキテクチャの理解といった実務レベルまで、ヒーヒー言いながら作業していました。
かれこれ1年継続し、実装したページがローカルで動くようになったときは感動しました。バックエンドも、主機能を担うAPIの実装は友人が行っていましたが、簡単なお問い合わせフォームに関するAPIを実装し、Postmanを使って、検証用に値の取得を確認できた時は達成感を感じました。
実際にHerokuにデプロイした際は、世に自分たちが作ったアプリが公開された事が、嬉しくて堪らなかったことを未だに覚えています。いわゆる「現場の実務フロー」の流れを学んだことと、基礎で取得した言語をコードに落とし込む作業を、ここで学びました。
転職に向けて
基礎と応用の学習は継続した上で、実際に転職に向けた学習を開始しました。いわゆるポートフォリオの作成です。
ただ、あくまでキャリアチェンジの第一歩を達成することが目的ですので、転職の際自分のポテンシャルを伝える材料の一つになることを目指しました。
当時バックエンドの知識がお問合せフォームのAPIレベルしか無かった事と、時間の節約のため、フロント開発によるWEBページ作成になりました。
しかし、単純なページ作成ではなく、Gitフローによる計画的な製造や、コンポーネント指向として汎用性あるパーツを実装した上で開発を行い、開発エンジニアとしての思考を意識しました。
実際のWEBページは、Netlify上でデプロイし、ドメインも取得したので、いつでも人に見せることができる状態でした。
デプロイ作業のおかげでGitHubのプロフィールも草多めになったので、面接における話のとっかかりとしては、良き準備になったかなと思います。基礎から応用、ポートフォリオの作成までを総じて、現場実務を想定した開発を学んだ、と振り返ります。
キャリアチェンジ後のわたし
経歴にも書いたように、キャリアチェンジ後の1社目SESを短期離職して、2社目のSESに至ります。
この背景はまた別途まとめるとして、WEB開発系のエンジニアに転職して変わったことがたくさんあります。
良かった事
好きな事を仕事にすることができた、仕事が楽しくて仕方がない
働き方への自由度が圧倒的に増えた
1年後、3年後、5年後、10年後のキャリアビジョンを描くことができた
良かった事だらけで、仕事に対する価値観が変わったのは大きいです。当然、サラリーマンですから、色々なストレスは感じますが、それがあったとしても仕事が楽しい。
今後、どうなるかはわかりませんが、在宅が可能な働き方を選択できる職業になったのは大きいです。ライフワークバランスの理想を、少なくとも追える環境にいるんだなと感じています。
最後に、キャリアビジョン。
今までは、全くもって無かった事です。これがやりたいが為に、このレベルになっていたい。これが欲しいが為に、この経験を積む必要がある。そういった自分のキャリアに対する希望が、いつまでに、どのように。そんな未来を前向きに考えられるようになりました。
悪かった事
年収が事務職時代から100万レベルで落ちた
同世代との暮らしぶりなどを比較して落ち込む事が増えた
年収はぶっちゃけ仕方がない事です。未経験でのキャリアチェンジは、どの職業もそうでしょう。これは覚悟の上でした。ただ、1年間の実務を積んだ後、昇給昇格も経て、ようやく事務職時代の年収に戻りました。
とはいえ、まだまだ目標の年収は遠く、同世代との比較を心の中でしてしまう。仕方のないことですが、引き続きひたむきに努力を続けるしかないのです。
まとめ
結論、WEBエンジニアにキャリアチェンジをして良かった!と心の底から思います。ただ、現状はまだまだ道半ばで、休んでいる暇は無いと思っています。
覚悟を決めて行動していなかったら、年収もそれなりになっていたかもしれないですが、心の病気になっていたかもしれないです。なにより、好きじゃない仕事を20年も向き合えず、どんどん良くない方向に行っていたかもしれません。
学習のサポートをしてくれた友人や、決断を前向きに捉えてくれた家族には感謝でしかありません。まだまだ努力を続けて、頑張っていきたい、キャリアチェンジしてある程度経った後もそう思います。
#未経験 #WEBエンジニア #30代 、リアルはこんな感じです。
それなりにエグみがあります。甘くないですし、世間の評価も想像通り。でも、目的と意思をしっかり持って向き合えば、なんとかなりつつある人間もここにいます。
とはいえ。。。
キャリアチェンジ後の初任給は引くほど低いです。本当に覚悟した方が良いです。しかも30代の年齢で、あの金額は相当エグいです。
そんな経験をしても得たいものがあるのか、こればっかりはその人の状況や目指すものによるので、気軽に「エンジニアになりなよ!」なんて、私は助言できません…笑
あくまで、同じような境遇の人を探したときに、こんな考えでこんな経緯で今こんなんだなと、参考にするくらいに留めておいていただければと思います。