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マヤってなんだ③大阪・国立国際美術館「古代メキシコ展」編~マヤ
展示・マヤ
いよいよマヤの展示コーナーに足を踏み入れます!
迎えてくれたのは、見事な細工が施された土偶たちでした。
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マヤの展示は人物を表したものが多かったです。支配者層の貴人の像、戦士、書記官、高位の女性、そして赤の女王。
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赤の女王には畏れ多くてカメラを向けられませんでした。
その衣装から当時の女王に向けられた大きな敬意が感じ取れ、マヤにおける王権の象徴のひとつを見ました。
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マヤの王様は、とにかく着飾っています。
鳥の羽根いっぱいつけたり、じゃらじゃらネックレスに腕輪、鈴なんかも足につけたり。おしゃれもあったでしょうが、庶民とは違うんだぞ!ってのをアピールしてるみたい。
それにはマヤの都市国家の在り方が深く関わっているようです。
マヤ文明が栄えた地域は耕作に適さず、大規模な国家を維持するのは難しい土地柄でした。ご飯がないと兵隊さんを養えませんからね。
そのため王宮や神殿を中心として、周辺に耕作をする農民の住まいが点在している形態がマヤの都市国家の姿……
何だか日本の城下町に似てます。
実際、類似点は多いそうです。他国からの侵略、下剋上、政略結婚、骨肉の争い……BIZEN中南米美術館の館長さんがおっしゃった通り、マヤは何でもありの戦国時代だったのです。
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そんな戦国時代を生き抜くためには、王様のカリスマ性を高めることが絶対でした。
戦争に勝ったなら、その勇ましい功績を記した石碑を建て。
儀式をしたなら、その祈りの様子を石碑に刻み。
更に王族は詩を嗜み、工芸や芸術に通じることも教養として求められたとか。
王様はたくさんすごいことをしたんだぞ!と後世に残すことが王権の求心力を維持する原動力になったと思われます。石碑をメディアとして扱ったんですね。結構中身を盛ったものもあるそうで……
でもあれだけ複雑なマヤ文字ですから識字率は高くはなかったんじゃないでしょうか。だから精密な人物像を一緒に刻んで誰にでも王様がしたことだとわかるようにした。
それがマヤに美しい人物像や石碑が多い理由だと思うのですが、どうでしょう。
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この地点でマヤ文明の姿が私の中で形になってきた……かな?
・マヤ文明は他の文明と関わり、お互いに干渉し合い発展している。
・大規模な国家を形成せず、都市国家の姿をとった。中央と農村。
・戦国時代と同じような社会情勢。
・王権のカリスマ性が絶対条件。戦に儀式に踊りを行う。着飾り、石碑に功績を刻み、王権への求心力とした。
・精緻な土偶や細密な石碑、鮮やかでのびやかな壁画、陶器など文化的に成熟した発展をしている。
要するに、マヤはひとりじゃなかった。
マヤと呼ばれる一枚岩じゃなくて、ひとつひとつが模様の違う輝石のようにマヤ地域に点在している。
更に他の文化から影響を受けつつ、それぞれに磨かれ発展している。
うーん。そうか~~~
素人の付け焼き刃じゃここまでしか理解できませんでしたが、マヤの解像度が自分の中で上がった気がします。
創作に活かせるように練っていこう……(そこかよ)
次はアステカです。こちらもちょっとした発見がありました。