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【廃線】岡山軽便鉄道の雄 下津井電鉄を走る その2

北前船の寄港地、金比羅参拝の丸亀航路で古くから栄えた下津井港も、1910(M43)年に宇野築港が開港(宇高航路・宇野線開通)すると急激に衰退してゆく。これに危機感を覚えた地元の有力者達によって敷設されたのが下津井軽便鉄道。同じく岡山の「三蟠軽便鉄道」も同じ時代に「町おこし」が鉄道敷設のモチベーションとなっている。実に興味深い。
撮影日:2023.5


まずは児島駅を堪能

児島周辺の繊維産業を支えた下津井電鉄も
モータリゼーションの煽りを受け1972(S47)年に
茶屋町〜児島間を部分廃止する。
紫線・軌道敷
赤丸・部分廃止前の旧児島駅
青丸・移転した新児島駅
児島駅跡
なにやら異形な建物
観光に注力した形跡がうかがえる
中は鉄道遺構の展示もあり
ホームもそのまま
鉄道時計はまだ動いています
ここから下津井まで6kmの軌道敷も
遊歩道として整備されている

軌道敷で下津井港を目指す

トラスタイプの単線架線柱が沢山残っています
1949(S24)年の全線電化時に「下津井電鉄」に改名
資材の少ない時期ならではの三角ビーム
架線柱がいっぱい!
連写!
この遺し方は素晴らしい
備前赤崎駅跡
阿津駅跡
鉄道柵もよい雰囲気

鷲羽山超えの25‰区間へ

海が見えてきました
上は本四備讃線 この辺りから25‰の勾配です
琴海駅跡
構内が広いのはスイッチバック駅だったらしい
岡山県立図書館より
25‰区間の中間にあったのが琴海駅
平面図 岡山県立図書館より
琴海駅は交換駅だった
貨物側線あたりがスイッチバック線の名残か
山越えももう一踏ん張り
難工事区間の鷲羽山駅
少し歩くと瀬戸大橋の真上に立てます
東下津井駅跡
これはレール跡ですね
軌間762mm
冷んやりとした緑のトンネルが気持ち良い
「オメガカーブ」と呼ばれた有名撮影地

聖地・下津井駅の保存車両

下津井駅に到着!
軽便鉄道にしては広い構内
クハ24
金太郎塗りが愛らしい
モハ1001
晩年は落書きフリーの「赤いクレパス号」だった車輌
クハ5
このデッキに鮮魚を積んだらしい
ホジ3
井笠鉄道から購入した車輌
転車台か?
古い時代にはあったようですがこれは「花壇」のようです
下津井駅平面図(岡山県立図書館より)
配線図にも転車台はない
古い街並みと瀬戸大橋
鷲羽山ホテルで保存してあるクハ24
シンプルな運転台
ホカフ9
車掌室付き有蓋車
岡山はどこも車輛を大切に残してある
児島〜下津井6.3kmの営業区間となりすぐに行き詰まると思われたが
スタッフを10名まで減らすなどの徹底した緊縮運営で経営は一時は好転した
瀬戸大橋工場用道路の転用などで周辺道路が整備されると僻地輸送の需要も失い
1990(H2)年に惜しまれつつ全線廃止となる。
鉄道用地は倉敷市に有償貸与、遊歩道「風の道」として整備された。

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村上伸(Murakami_SHIN)
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