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損小利大はトレードの真理か?
トレードの世界では、損小利大が真理のように語られる。
曰く 損は、出来るだけ小さく切り、利は出来るだけ伸ばせ!
曰く トレードで勝つには損小利大しかない!
もっとものように聞こえるが、はたしてそうだろうか?
例えば、以下の画像は、9月27日の 6552 GAMEWITH の日足、5分足、1分足チャートである。
![](https://assets.st-note.com/img/1729920452-sMU0mAw5xul1JzB7vi9WRnYP.png?width=1200)
前々日がストップ高で、前日が陰線、この日足フォーメーションは、多くのトレーダーが注目するパターンである。
当日はギャップダウンから始まって、横横に推移しているので、底固い。
エントリー価格 220円
ただし、入る前に、利確、損切りの位置を決めないといけない。
損切りは直近安値213円の数ティック下 損切り幅10円で
損切り価格 210円
利確は?
リスクリワード1:2で、利幅20円
220円で入り、240円で利確となると利益率9%でちょっと取りすぎかな?
でも、一昨日のS高でボラが拡大しているから、まあいいか。
利確価格 240円
よっしゃー、エントリーをIFDOで事前にセット
数分後に指値約定の約定音♪♪
頼むから、上がってくれよー!!
ほどなくして、利確の約定音が♪♪
よっしキター、利確デキタ!!━━━━(゚∀゚)━━━━!!
1000株 22万円ロットで入って、20円の利確 実現利益 2万
9%の利益率、どんなもんだい!立派なもんだ!
やったね。!(^^)!
その後他のトレードしていて、ちょっと気になったのでGAMEWITHをのぞいてみる。
わーお!! わーお!! わーお!! なんてこったい!!
ストップ高いっちゃってるよ!S高まで持っていれば308円で、利益幅88円 利益8.8万円
利益率40%だった。(取らぬ狸の皮算用)
つらいなー、俺は握力が無い。才能が無い。また、チキンしてしまった。もっと握力を付けなければ。
今後は出来るだけ、長く持つようにするぞ。
こんな光景が、デートレードの現場で毎日のように起こっている。
私は分足システムトレーダーなので、リスクリワード1:2とか、直近安値数ティック下に損切り設定とかしませんが、ここで、もしS高までホールドして大利を得て蜜の味を覚えてしまうと、その後のトレードが、ガタガタになるかもしれません。
以下は、直近ボラのあった銘柄に、ある逆張りモデルを作り検証したものです。
建値はみな同じ、ロットは30万円、
手仕舞いは以下の通りです。
事例1、利確S高 損切り5%
事例2、利確10% 損切り3%
事例3、利確2% 損切り10%
事例1 利確S高 損切り5%
今回の GAMEWITHのように、S高に到達する確率は2.4%です。
しかし、このように稀な事象でもインパクトのあるものは、記憶に強くのこり、後々のトレードの判断に影響を与えます。
損小利大で利を伸ばそう伸ばそうとすれば、伸びないものが圧倒的に多いので、全体のパフォーマンスが落ちます。
また、利を伸ばせば、伸ばすほど、保有時間が増えるし、急落する恐怖で精神的ストレスが増大するデメリットもあります。
期待値は0.29%で資産曲線はガタガタです。
![](https://assets.st-note.com/img/1729926549-0K3bIGTPpsxQcdkoYL25vtMy.png?width=1200)
事例2 利確10% 損切り3%
S高まではいかずとも、損小利大で設定しました。
損を小さくしているので、ノイズに引っかかり、損切りが40.4%に及んでいます。利確10%まで達するのは12.7%のみです。
トレード全体の勝率も39%です。ただし、ペイオフレシオ(PR)が1.9あるので、ペイオフレシオで稼ぐタイプです。
期待値は0.49%です。
![](https://assets.st-note.com/img/1729926244-5gDV3kE14Wxb9IMquYvehawC.png?width=1200)
事例3 利確2% 損切り10%
損小利大の反対、損大利小です。
通常コツコツドカンタイプです。
勝率は83%で、損切りは1.7%です。逆張りで、そこから10%も下がるのは少ないことがわかります。そして、利確が79.1%もあります。
これだけ利確率が高いと、約定音が鳴り響き心地よいです。
期待値は1.04%です。
ルールを守ってのコツコツドカンは悪いことではありません。悪いのは、ルールもなく、損切りができずに、ずるずると損を拡大させてしまうことです。
![](https://assets.st-note.com/img/1729926305-t7ManVxbOZToYGWmHfiswPNu.png?width=1200)
これからわかることは、今回のGAMEWITHのケースは、稀であり、そこを基準にトレードすると、トレードがガタガタになるということです。
よく、一時期ドカンと勝ったが、すぐにまたマイナスに戻ったなどになるのは、期待値や資産曲線の検証が十分でなく、過去の成功体験から手法を作っているケースが考えられます。
私は、トレードの構造から全体を見るようにしているので、手仕舞いした後に急騰しても、含み益が含み損になって、損切りになっても、その後の自分のトレードに影響を与えることはありません。
このように、検証を十分にし、実トレードでも同じような結果になっていけば、決済後急騰しても、悔しいとか、握力が弱いとか思うことはありません。
まとめ
損小利大をプロフィットファクター(勝ちトレード合計/負けトレード合計)的観点からとらえれば、当然トレードは損小利大でなければ物理的に勝てない。
しかし、利確、損切り位置としては、それぞれの手法において異なる。
損小利大を真理と思い、利を出来るだけ伸ばそうとしても、相手は相場なので、自分の思い通りには動かない。
なので、手法として適切な、利確、損切り位置を決めることになる。
今回の記事は、あくまで株のデイトレーダーとしての、私の考察です。
これが正しいとかいうものではありません。
トレードは勝っている人が正しいし、手法もトレードに対する考え方も、人それぞれ千差万別、自分にあったトレードスタイルを作っていく必要があるということです。
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