見出し画像

椅子取りゲームからの解放

出世競争ではない。文字どおりの椅子取りゲーム。通勤電車の座席争いのこと。

現在、奇跡的に自宅から徒歩圏内の職場にいる。徒歩圏内といっても早歩きで約40分。バス通勤も許可されているのだが、特に冬の間は天気もいいし汗もほとんどかかないので、朝の澄み切った空気を感じながら歩いて出勤している。

というわけで、電車通勤から解放された。電車通勤の時は最寄り駅までバス、そこから当駅始発を狙ってホームに並ぶのだが、これが苦手。電車のドアが開くと同時にみんなササッと席を取りに行く。全員が座れるわけではないので必然的にビミョーな駆け引きが生まれる。狙った席で他の人とバッティングすると一瞬躊躇する。すかさず相手は席をゲット。自分は他の席を探すが時すでに遅し。自分の視線が所在無げに空を見つめ、失意のうちにテキトーな吊革につかまる。席を得た客は我関せずと寝に入るなりスマホを取り出すなり瞬時に自分の世界に没入する。

貪欲に席とりにいそしむのは大の大人として恥ずかしいという思いもありつつ、席を逃すと何か損した気分になる。我ながらなんともさもしいかぎり。

席に座れた時でも、通勤時間帯ににつかわしくない年配の女性が目の前に立つと、内心「優先席に行ってくれ~。」と思いながら席を譲る。おばあちゃんが立ってる前でのんきに座っているほど堕ちてないぞと言い聞かせて自分を励ます。

そんな喧騒を離れて徒歩出勤。おそらく春には異動だろうけれど、今はこの清々しさを目一杯味わおう!

いいなと思ったら応援しよう!