オーダースーツの話
スーツってものは存外、その人の考え方が出ている気がする。というのは、スーツの柄やデザイン・サイズ感等を通じて、スーツってものに対し、どこまでの関心を持っているのかで、なんとなく分かるようになってからそう思うようになった。
そこまで関心ない人は見た目スーツの様なものを着ているし、逆にちゃんとしている人は細部までしっかりしている。神は細部にこそ宿るとは良くいったもんだと思う。
私はほんのちょっと前まで、ユニクロの感動スーツで良くね?屈伸できるし!ってタイプだったが、意識改革が起こった。
きっかけは、2022年にスーツをオーダーしてからだ(パターンオーダーです)。それまで、スーツについて堅苦しく暑苦しいという印象しかなかったが、前回の革靴の話に続き、紳士・・・というか大人らしさってものへの憧れが芽生えていたのかもしれない。
前回の流れから革靴に傾倒していた時期に、新宿を歩いていると、視界にスーツ屋「銀座グローバルスタイル」が目に入った。
これまでの私だったら、お店の見た目の敷居が高く、絶対入らない場所であったが、革靴の専門店で敷居の高そうな店の雰囲気に慣れたからか、問題なく入れた。
店内の見た目はスーツ生地を取り扱っているユザワヤといった感じか、スーツ生地がやたら敷き詰められた棚がずらっと並んでいる。
そこから好きな生地を選んで、型が決まっているデザインに対し、袖の長さや丈の長さ、肩幅などのサイズを調整出来るようになっている。
細かいところだが、裏地、ボタン、ベント(ケツのスリットのこと)も選べるようだ。
ここで、妻と一緒にスーツをオーダーしてみた。
私はグレーの面白みの欠けたスーツをオーダーし、妻は玉虫色(といっても落ち着いたトーンの色味)のスーツをオーダーした。
出来上がりを着てみるとサイズが自分に合うように作られているため、ビシッと決まっている感じがした。
これが大人の階段ってやつか。
そこから、スーツを買わないときも市場視察の様な感じで、土日でもスーツを着て(オフの日だけど)、散歩がてらスーツ屋に行くようになった。
そこで、「銀座グローバルスタイル」にも行くことがあるわけだ。
一応、銀座グローバルスタイルでオーダーしたスーツだし、話題の一つでもなるかなと期待して入店したが、スタッフからスーツについて「購入ありがとうございますっ」といったことは無かった・・・・
横を見ると、妻に対して「玉虫色のスーツいいですね!この生地って絶対恰好良くなるって思ってました。」って言われてた。
俺のは生地の特徴も無いし、既製品と思われたんかも知れない。
次はネイビーのスーツが欲しいと思う(王道か)。
スーツ屋行って、話題にされたい・・・でも、また普通の生地でいいや。
まだまだ、私の細部に神は宿らない。