私のカルテ
「疲れたー。」
今日も残業かぁ。子どもたちは早く寝ただろうか。
そんなことを考えながら、自転車を漕いでいた。
深夜4時、まだ暗く、聞こえてくるのは、朝刊を配るバイクの音。
まっ暗な家の鍵を開け、ソファーにダイブしたい衝動を抑えた。
ここで寝てしまうと起きる自信なんてない。
私は、シャワーを浴びて、朝食の準備を始めた。
窓を見ると外が、うっすら明るくなってきている。
散らかったおもちゃを片付けながら、時間が過ぎるのを待ち、子どもと旦那を起こした。
「ママおはよー。おかえり。」
と、階段から飛びついてくる可愛い娘。
癒やしだわーこれが夜勤明けでなければ。
朝食を皆で食べていると、
「昨日は夕飯何食べたの?冷蔵庫の中変わってないし。」
と私が聞くと、娘が、
「ドライブにいってお姉ちゃんとお肉食べたよー。」
旦那の顔が引きつったのを見逃さなかった。
「お姉ちゃんって誰?」
と平静を装い、聞いてみた。
「実習に来てる子が貧乏でまともにご飯食べてないって言うから、可哀想になってさ。」
「今までそんなこと、したことないじゃんー。このご時世何言われるか分からないから気をつけなよ。無理に付き合わされたとか、セクハラ、パワハラとか大変だよー。」
「気をつける。もう行かないから。」
はい、女の勘が作動しましたって脳内警告鳴ってるよ。
「いってらっしゃい。」
子ども達を笑顔で見送り、振り返ってシャワーを浴びてる旦那の携帯を探したが、ダイニング、カバン、ないのよ。
すると、シャワー浴びて携帯つつきながらでてきた。
これはクロだな。
ホントこの人学習せんのかな?
これで何回目?
朝からニヤニヤしながらLINEしてるー。
とりあえず、限界、寝よ。
「おやすみ、いってらっしゃい。」