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突然やってきた離婚届

「離婚して欲しい。」

は?
頭が真っ白になり思考回路が停止した。
ここで言う?
私たち夕飯食べてます。

ちょっと待って。

「とりあえず子どもが寝てから話そう。」

と、何事もなかったかのように夕飯を食べ終え、
食べたかどうかも、味もほとんど覚えていない。
食洗機に食器を入れ、子どもとお風呂に入っていった。

怒りがこみ上げてくる気持ちと、悲しいやら、情けないやら・・・
複雑が感情にのみ込まれ、体が重たくなる。
今までとは、明らかに違う。
今までは浮気していても、家庭を大事にしてくれていた。
優柔不断のあの人が、「離婚」というフレーズを出す事は初めてだったし、今まで、それだけは回避したいと願っていたのは向こうだった。

「おやすみ。ママは一緒に寝んの?」
「ママはね、お洗濯してから寝るから先に寝ててね。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
ギュッと抱きしめ、重い足を地につけ、階段を降りた。

リビングに座っている旦那と向かい合い、
「どうしたの?」
と聞くと、

「離婚してほしい。」
と、離婚届を出してきた。

「いやいやいや、待って。急すぎん?なんでなん?
 落ち着いて話そうよ。何かあったん?」

「・・・」
沈黙3分が、10~20分に感じる、せっかちな私。
「なんも言わんとわからんよ。」
キィッと睨まれた。やってしまった。
「そうやって、人を追い込むような言い方も聞くのも嫌だ。
 もう嫌な所しか、見えなくなった。
 一緒に住んで、同じ空気を吸うのも嫌だ。見たくもない。」

そこまで!?
言葉がでなかった。
一時の感情と思ったが、そこまで思い詰めていたのか、
もしくは、すり込まれたか・・・
100%背後に女がいることはわかっていた。
じゃないと、優柔不断である旦那が、ここまではっきりと
意思表示するわけがない。

新築を購入し、新車も購入した。
全てローンだし、私の給料がなければ生活していけないのは
目に見えてる。
それなのに、ここまで離婚を強く主張してきたには、
次となる女がいるからに違いなかった。

私はとりあえず、お互いにクールダウンが必要と考え、
「これから、話し合っていこう。
 子どものことも、家にしても、今後のことにしても、今すぐに
 返事ができることではないよね。
 私は離婚するつもりはないから、あなたが私の何が嫌で、
 改善できるとこは治したいと思う。
 どういうところに我慢できないか教えて欲しい。」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

今度は時計の針とにらめっこして耐えた。
30分経過しようとして、
「もう無理。どうにもならん。」
話し合いたいんだが・・・
「それじゃわからんよ。」
ぼそっと
「・・・むり。」
「今日はここまでにして、明日話そ。」 
とりあえず、今日はここまで。

じゃないと、めっちゃ責め立てそうで。
普段大人しく口数が少ない旦那は、喧嘩になると黙る。
どう思っているのか聞いても、「わからん。」
自分の気持ちを正直に話すという行動が極端に苦手なのは昔から。
義母にも喧嘩しても、この子何考えてるか分からない子だったと
言われる位だから筋金入りだ。

さぁて、何から始めるかなー。


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