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国家試験から学ぶ!臨床検査技師の仕事-血糖コントロールを診よう!の巻-
こんにちは!
臨床検査技師のあきまるです!
国家試験から学ぶ!シリーズ!
今回の問題は
第69回臨床検査技師国家試験問題の29問目
です!
2桁目の記事になりますね。今回からナンバリングをやめます。
前回の問題から大きく飛びました。心電図検査や超音波検査といった生理機能検査は大の苦手で…。あと、微生物や病理細胞、公衆衛生に医用電子工学もダメです…。
得意分野に限って進めていきます。
それではLet's Go!
問題
グリコアルブミン〈GA〉について正しいのはどれか。
1.鉄欠乏性貧血で高値になる。
2.基準範囲は 6.2%以下である。
3.約 2 か月間の血糖値の平均を反映する。
4.バリンに安定的に糖が結合したものである。
5.透析患者の血糖コントロールの指標に適している。
簡単な解説
GAは簡単に言うと、アルブミンとブドウ糖が合体した糖化蛋白質です。2~4週間前までの血糖コントロールを評価する指標として用いられます。基準値は11~16%です。
また、アルブミンとブドウ糖は鉄欠乏性貧血には関係なさそうですよね。
解答
正答は
5.透析患者の血糖コントロールの指標に適している。
です。
裏解答
血糖コントロールマーカーの特徴を把握しておこうね!という問題です。
血液検査で測定する血糖コントロールマーカーとそれぞれの特徴を示します。
グルコース(Glu)
Gluは最も利用されるマーカーです。シンプルにいわゆる血糖値を測定します。大きく分けて3通りの採血タイミングがポイントになります。
随時
自由なタイミングで採血して測定します。食事や運動の影響を受けて変動する可能性があります。空腹時
8時間絶飲食してから採血します。そのため食事の影響を受けません。健康診断で食事しないように言われるのは、このためですね。
基準範囲は 73〜109 mg/dL です。持続血糖モニタリング
平たいシールみたいな専用装置を身体に貼って、絶え間なく測定します。2週間程度24時間のデータをグラフで確認できます。
他にも砂糖水を飲んで血糖値の変化を診る検査もあります。
検査値は比較的リアルタイムに動きます。また透析などの体液交換で値が変動します。
HbA1c(グリコヘモグロビン)
赤血球ヘモグロビンのうち、グルコースが結合したものの割合をみます。基準範囲は4.9〜6.2 % です。過去2ヶ月程度の血糖値の平均状況を表します。赤血球の寿命120日(4か月)を反映した数字ですね。
赤血球が関わってくるため、貧血や溶血で低くなってしまいます。透析は赤血球の寿命を短くします。溶血と同じことが起こるのです。つまり透析患者の血糖コントロールには不向きですよね。
GA(グリコアルブミン)
簡単な解説参照です。加えて透析患者においてHbA1cより信頼性があります。透析患者のコントロールに適しています。
1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)
食事中に含まれる糖類の一つです。基準範囲は 14〜40 µg/mL です。血糖値が高いと尿に多く出ていくため、低くなります。1〜2週間の血糖コントロールを反映し、食後高血糖の指標として用いられます。腎機能低下により1,5-AGは尿に漏れていくため、透析患者の評価には不向きです。
それぞれの項目の特徴を把握できましたでしょうか?
似たようなアルファベットが並んでてこんがらがっちゃいますよね。略称よりか片仮名の名称で覚えておくと項目の特徴をつかめます。こんがらがらなくて良いです!
余談
ひとくちに血糖コントロールといってもいくつかの検査項目があります。それぞれの特徴を鑑みて評価する必要がありますね。
検査について私が体験したことを紹介します。
持続型血糖モニタリング
以前メーカーさんが営業(?)にきたときに、実際に使用させてもらいました。
測定用のセンサーを専用機器で上腕三頭筋に貼り付けるのですが・・・その時にまあまあ迫力のあるガチャコン!!と凄い音がするのでビビります(笑)それでも貼り付け自体は簡単で、スマホで管理できるので便利です。とある1日の私のデータがこちらになります。
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確か当直明けの日のデータです。ベースが100 mg/dL程度ですが、明け方と朝そして夜に山がありますね。当直中の仮眠後と帰宅直後にとった食事の影響が出てますね。ちなみに20時のエグい上がりは、寝起きにミスタードーナツを爆食いしたためです(笑)一気に糖分をとったので、そりゃ高くなろうってもんです。
食べ過ぎ注意ですね。
というわけで今回はここまで。
最後までご覧下さりありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう!
臨床検査技師のあきまるでしたノシ