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【旅行記】キンタマーニ高原へバイクで行ってきた!

バリ島に移住して早3か月。
観光らしいことはペニダ島観光に続いて2度目となる。
(一体何をしにバリ島しかもウブドに来たのか、自分でもわからなくなってきている今日この頃だ・・・)

今年の雨季は例年以上に雨が続いているので、最近はウブドに引きこもりがちだ。
こんな雨続きの雨季に、久しぶりの晴れ間となった。
そろそろ外にでてどこかへ行きたい、前回は南のペニダ島に行ったから今回は北側にいってみよう。
前回のペニダ島に引き続き今回も予定通り無計画で思い付き、冒険心で北を目指してみることにした。

まず向かったのは、ガイドブックやインターネットで見かけたPenglipuran(プンリプラン)村。
この村は石畳のメインストリートを南北に貫き、その両脇にこの地域特有の伝統的な家々が建ち並ぶ。
しかも環境保護が盛んで国連世界観光機関で54っ国の中からきれいな村として1位となった村だ。
時期になると石畳の通りの両脇にペンジョールが立つすごく素敵なむらで、現地の人々の暮らしを見ることができる。

朝から久しぶりの晴れ間となったウブドを出発し、まずはプンリプラン村を目指した。
ウブドからティルタウンプル方面へ行き、さらに東側に行く。
バリ島は川が多いく渓谷を上り下り、橋を渡ったりと縦に横に縦横無尽に蛇行した道を進む。
果物の時期だったので、道の脇では果物を売る屋台が点在していた。
マンゴスチンの芳醇な香りが鼻をくすぐる一方で、ドリアンの独特な臭いに顔をしかめる。
こうして1時間弱のドライブを経て、プンリプラン村へ到着した。

プンリプラン村の入り口には広大な竹林があり、それを抜けるとバスの駐車場があった。
バイクで侵入しようとすると係員に「駐車場はここではない」とバイクの駐車場へと誘導される(バイクはここから100mぐらい先のエリアで、ナビもさらに先を指示していた)。
無事にバイクを駐車すると、その先にチケット売り場があった。
入村料は1人50000ルピアとバイクの駐車場代が1台2000ルピア。
※入村料が日本円で約500円とバリ島では少し高めだが、きれいで整備している街並みを見て納得。観光に関わるスタッフも従業員として雇い、入村料から給与が支払いがされているそう。他にも入村料を取っている村はあるが、収益を全く違うところに使い全く整備しなところが多々。他の村もこの村の様になってほしい。

村は山の中腹にあり、北側が山頂側で通りは緩やかな下り坂になっている。
入り口は南北にある通りの北側(バスの駐車場)、中央(バイクと乗用車)、南側(石畳の遠いの入り口。離れた場所に乗用車の駐車場もある模様)にある。

プンリプラン村の北側にある寺院から
北側にある寺院から

手入れの行き届いた石畳、整然と並ぶ家々、そして青々と茂る木々の間にプルメリア花々が咲いている。
その一方で、ガイドブックで見た華やかなペンジョールは、時期ではないため飾られていなかった。
しかし、それがかえってシンプルで静謐な美しさを際立たせているように感じられた。

すごくきれいな道
道はゴミ一つ落ちていなくてきれい

道の両脇の家に入ることができ、庭ではお土産物や果物が販売がされていた。
さらにその奥に行くと竹を巧みに編んで作られた伝統的な建築に目を奪われた。
骨組みは木で、壁や屋根は竹を編んで作られており、色が違う竹を使い分けて編んでいる。

竹でできた家
竹の家。通気性も良さそう。

村の名産「loloh cem-cem」というドリンクも販売されており、味わうことができた。
飲んでみたところ味は、ほぼ”飲みやすくしたゴーヤジュース”に似ていて、苦みの中にココナッツと柑橘の味や香りとブラウンシュガーの甘みがある。
飲みなれてくると美味しく感じてくるところもゴーヤーに似ている。

1時間ほど散策して、プンリプラン村を後にし北への旅路を続けることにした。
目的地はキンタマーニ高原。
プンリプラン村でて少し東に進んだところにある、Nusantra通りのひたすら続く上り坂をバイクでゆっくり進む。

途中、インドマートでお昼ごはん(カップラーメン)を食べていると、大きな観光バスが止まり、乗客の観光客たちが下りてくる。
彼らがコンビニで買い物をしている最中にバスから「バーーーン!!ブシューーーー!!」と大きな音がした後に、車体の下から湯気がモクモクと出る。
どうやら、長い上り坂でエンジンに負荷がかかりオーバーヒートしてしまった様だ。
僕たちの小さなバイクは僕と妻の2人乗り。こんな長い坂をよく頑張ってくれた・・・。
しばらく見ていましたが、運転手は途方に暮れていて、ガイドは代わりの車を手配しているのかひっきりなしに電話をしている。
だが、僕たちが食事を終えて出発するころに代わりに手配した乗用車が1台到着して乗客たちは再び旅へと出発したようだ。

写真は食事の後に散歩したときに撮ったミカン(オレンジ?)畑。
キンタマーニはコーヒーの他にオレンジの産地になっている模様。
確かに近所のスーパーマーケットで売っていたので、今度食べてみよう。
(味はいまいちという噂・・・)

ミカン畑。まるで伊豆のような景色だ。

まだ、中間地点ぐらいでしたがグッと気温が下がり寒さを感じたのでジャケットを着てコンビニを出発。

そこからさらに進み、途中にコーヒー農園が集まる道を通りキンタマーニ高原の展望台に到着。
休憩を除いて1時間半ぐらい走っただろうか。
着いた瞬間に思ったことは「さむーーーーい!」高原の寒さが身を包む。
スマホの天気アプリの気温だと14度。風もあり薄手ではなくてちょっと厚めのジャケットが欲しいくらいに寒かった・・・。
景色は雨季なので雲はおおかったですが、雲の間から青空や太陽が見えて美しいバトゥール湖を眺めることができたのが嬉しい。

バトゥール湖の展望台から

ついに辿り着いたバトゥール湖。展望台から見える青と緑のコントラストが広がるその光景は、言葉では言い表せない美しさだった。
しばらく景色を眺めていたらインド人らしきカップルが近くにいたので写真をお願いした。
僕らを撮っているインド人カップルの彼が「近づいて~」とか「腕をからめて~」と言われてそれに合わせてポーズをとって写真を撮ってもらっていたら、「向き合ってー」と言われて向き合った瞬間になぜか爆笑してしまった(笑)

景色を堪能して「そろそろ出発」と思ったら突然の雨。
キンタマーニ高原も標高1000m以上の場所の高地、山の天気はやっぱり変わりやすい。
ちなみに日本で標高1000mぐらいの場所は、軽井沢あたりになるそうだ。
雰囲気は何となく似ている。
急いでカッパを着て出発、展望台からバイクで下ってバトゥール湖の湖畔に向かう。

展望台から湖畔までの道は曲がりくねっている。
まるで距離を短くしたいろは坂だ。ゆっくり下っていく。
それにしてもダンプカーが多い。以前、現地の人からチャングーあたりもダンプカーが多いと聞いたのでなぜか聞いてみたところ、開発で砂が必要なのでこの辺の土砂を積んで持って行っているそうだ。
こんな世界遺産になったところでも開発の影響を受けているとは・・・。

湖畔についたころには雨も止み、コンビニの駐車場に入りカッパを脱いで再び走る。
バリ島といえばヤシの木だが、ここにはヤシの木が無い。
やはり高原なのか、代わりに白樺のような木々が立ち並ぶ。まるで軽井沢の様で、日本と同じように高地と言えば白樺になっているのに驚く。
途中、寺院や船着き場らしき場所がありバイクを停めて景色を眺めようとするが、有料の駐車場らしく料金を徴収する人が近づいてくる。
こういった駐車場が異様に多い。どこも2000~5000ルピア(日本円で20~50円)ぐらい。
とりあえず、船着き場なのか養殖場なのかわからないがバイクを停めて少し景色を眺めてみる。

浮いているのは何か養殖しているのだろうか
浮いているのは何か養殖しているのだろうか

非常にきれいな湖で、木々の緑もきれいだ。
ただ、ハエが異様に多い。立ち止まっているとどこからか集まってくる。
あまりにもハエが集まってきたので、早々に立ち去ることにした。
途中、溶岩石の斜面がありバイクを停めて雄大な景色を眺める。
(ちょっと浅間山のようだと思ってしまった)。
さっきは湖、その前は白樺の並木道、次は溶岩石に囲まれ道を走り、さらに進むと寺院があり、さらにさらにバンガローやゲストハウス、カフェが並ぶ道も通る。
バラエティーに富んだ道でとても楽しい。

溶岩石がゴロゴロ転がっている。

さらに北に進むと白樺の並木道の中に「Batur Natural Hot Spring」の看板に妻が気づく。
僕は気づかずにそのまま通り過ぎたが、温泉があったといわれて引き返してみてみることに。
僕たちは事前にYoutubeや口コミを調べていたら、ぬるい、きたないなどの書き込みが多かったので水着は持ってきていなかった。

ガタガタ道の駐車場に入り、駐車場にいるブレスレット売りのおばちゃんに話しかけられる。
「ブレスレットを買わない?」と話しかけてきたおばちゃんだが、温泉の事を聞いてみたら丁寧に教えてくれた。
水着の着用が必要で、手前が温度がぬるいプールだが奥には42~43度くらいの熱いお風呂があるようだ。
隙間から見た感じだと設備は古そうだけど掃除はきれいにしていそう。
ただ、料金は1人400000ルピア(約4000円)と高い。完全に観光客価格だ。

こんな良い温泉があるとは思ってもいなかっったのでとても残念・・・。

温泉を入り口まで見学させてもらって、駐車場に戻ると土砂降りの雨。
急いでカッパを着て再び出発。
さらに北に向かう。が、出発して2~3分で止んでしまった。
しばらく走っていると、おしゃれなカフェがあったので休憩しようとしたがこの時点ですでに16時半。
カッパをとりあえず脱いで先を急ぐことに。

さらに進んでバトゥール湖の北側に到着。
このあたりの道は泥だらけ。
両脇に流木もあり、湖の氾濫にでもあったのだろうか・・・?
とにかく泥がすごい状態で、泥が飛び散りハンドルが取られてとても運転がしにくい。
砂が乾いているところもあり砂埃ですごいことになっている。
サングラスとマスクをしていてよかった。
あとで調べてみたところ、この地域で一番低いところで湖面から3mぐらいしか高くなっていない様だ。
今年の雨季は雨が多いので氾濫して道まで水が流れ込んでしまったのだろう。
あまりにも泥がすごく飛び散ってくるので、脱いだカッパを再び着ることにした(脱いだり着たりとても忙しい・・・)。

足は泥だらけ。なかなかの悪路だ
足は泥だらけ、なかなかの悪路だ。

この辺にきたら時刻は17時半近くになっていたので、引き返すことに。
バトゥール山の北側を通り、さらに山の西側を南に下って山を一周するようにして帰ろうと思っていたのだが、想像した以上に道が狭くて外灯も無くて暗い。
まだ、今きた湖畔の道を戻った方が安全に帰れそうなので、潔く引き返して帰ることに。

泥だらけの道を抜けたところで、再びカッパを脱ぐ(とにかく蒸れるので何もなければとっとと脱ぎたい)。
脱いだと思ったら、10分もたたないうちに今度はいきなりバケツをひっくり返したような雨が降り、急いでバイクを停めてカッパを着る。
今度の雨はすごい勢いの土砂降りで、コンビニの駐車場に避難。

お腹が空いてきたのでコンビニに入り菓子パンを買って、外で食べていると恐ろしい数のハエが集まってくる・・・。
とにかくキンタマーニ高原はハエが多くて驚く。。。
手を停めているとあっという間に集まってくるので、手を振りながら食べる。

雨宿りをしていると、多くの学生(中学か高校生ぐらい)が乗ったトラックが目の前に止まる。
荷台に10~15人くらいだろうか、立って乗っている。
2~3人の学生が下りて土砂降りの雨の中を走っていく。
学生を送迎しているトラックなのだろうか。
雨を物ともしない自然と調和して暮らしているであろう彼らから、美しいバリ島の景色を感じる。

20分くらい待っただろうか、小雨になってきた。
周囲は夜を迎える直前、薄暗くなってきている。
完全に止むことはないだろうと思い、カッパを着こんで出発することに。

再び溶岩石や白樺並木を通って、カーブまみれの上り坂を通り展望台まで戻る。
途中、あまりの重さに登れなくなったダンプカーを追い抜かして上へと目指す。
展望台に到着したころにはすっかり暗くなっていて湖畔の景色はぽつぽつと光が見えるくらいだった。

外灯も無い真っ暗な道をひたすら進む。
雨が降っていて外灯が無い道を走るのは本当に怖い。真っ暗な道の中から突然カーブが現れるのだ。
しかも路面はガタガタで轍が多い。
とにかくゆっくり焦らずに走る。

外灯の無い長い下り坂を走っている最中、ポツンとJFC(フライドチキンのチェーン店)が現れた。
周りに何もない、休憩するチャンスだ。
僕はとにかく集中力を使って疲れた。妻も雨で体が冷えていた。
JFCにバイクを停めて軒先でヘルメットやカッパを脱いでいる最中、また突然バケツをひっくり返したような土砂降りの雨が降ってきた。
間一髪、この状態で走っていたら全身びしょ濡れになっていたかもしれない。

疲れや冷えがあったので、温かいお茶が欲しいとお願いしたら温めてくれた。
冷たいお茶しかないようだったので、本当にありがたい。
冷えた体に温かいお茶が染みる。
しばらくの間、土砂降りが続いていたので雨宿りがてら休憩させてもらった。

出発したバトゥール湖の展望台からこのJFCまでの距離は、とてつもなく長く感じていた。
この文を書いている今、距離をを確認したら4㎞しかなかったことに驚きである。

30分くらい経って雨が小降りになってきた。
天気予報を見ても当分の間は雨が続きそうだったので、出発することにした。
バリ島で暮らしていると1時間ごとの天気予報や、アメダスレーダーが必須である。
バトゥール湖の辺りからスマホのバッテリーが無くなったので写真が撮れなくなったのでGoProで動画を取ってみることに。
(現在、公開に向けて編集中)

暗闇の雨の中をバイクで進む。
途中、暗闇の中から突然現れた轍に落ちたり、ハンドルを取られそうになったり。
現代の日本では経験できないようなドライブである。
しばらく走って、やっと住宅街にでてきた。
相変わらず路面は荒れているが、電気の明るい光が見えてきたのでホッとする。
だが、この住宅街もあっという間に終わってしまい、また暗闇になってしまった。
これが何回続いただろうか・・・。
さらにしばらく走り、やっとスバトゥ寺院に入る交差点が見えてきた。
やっと見たことがある道に出てきた。
見たことがある所に来ると距離感や路面の状況もわかるので、ものすごく安心する。
引き続きひたすら走り、今度はテガラランだ。
道の両脇が泥ですごい状態になっていた。
ライステラスを通り過ぎるときに脇目で見るが、売店とホテルの明かりぐらいしか見えない。
テガラランの市場の前を通り、さらに先を通ってアンドン通りに入る。
ここまで来ると、もう見慣れたウブドはもうすぐだ。
アンドン通りの長い直線を走って、アルジュナ像をみたら見慣れたウブドだ。
ここからすぐに我が家に到着。
雨の中を長い距離走っていたので、カッパを着ていたとはいえずぶ濡れになってしまった。

帰りはずっと雨だったが、日中は小雨が降ったり止んだりの日だったのでしっかり観光することができた。
今日は1日バラエティに富んだ景色を見て、晴れたりどしゃぶりの雨が降ったりいろんな体験をすることができた。
まるで大冒険をした気分で楽しい1日を過ごすことができた。

バリ島でバイクの旅は本当に楽しい。
だが、道路や交通状態などは日本以上に危険が多い。
もし、される場合は細心の注意や準備を忘れずに行ってください。

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