初めてミーグリを経験した話
この世には「みーぐり」なるものが存在するらしい。
どうやら、金銭を支払うことでアイドルとお話ができるとか。
は。馬鹿も休み休み言え。そんな都合のいい話あるわけないだろうが。
なーんて子供じみたことを考えたことはない。
ないが、信じてはいなかった。
いつもライブや雑誌、テレビ番組などでキラキラ輝いている乃木坂ちゃん達。次元の違う場所に存在している乃木坂ちゃん。いや、存在しているかどうか、ライブ会場で見たって疑わしい。
ましてやそんな乃木坂ちゃん達とお話ができる?そんなことあっていいはずがない。俺には縁遠い話なのだ。関わることは一生ないだろう。
ミーグリに対してはそれくらいの距離感だった。
しかし、Twitterを眺めていると「ミーグリレポ」なるものを見かける機会がある。
アイドルとお話をしてきたという妄想をつらつらと恥ずかしげもなく垂れ流す謎の宗教行為である。
そのはずだったが、なぜかやけにその数が多い。
もしかして自分はマイノリティ側の人間なのか?
それとも日本はもう終わってしまったのか?
不安は募るばかり。
俺がおかしいんじゃない。お前らがおかしいんじゃないか!そう思わなければ途端に膝から崩れ落ちてしまいそうな状態だった。
という話は半分冗談半分本気として、
今回は今までずっと避けてきた(目を背けてきた)ミーグリ(オンライン)に初めて挑んだ話だ。
すでに体験済みの人はそんなに肩肘張るもんでも無いだろとお思いだろう。いつもミーグリを楽しんでいる人が読んだらかなりムカつく内容だと思われる。
結果から言えばその通りだ。
少なくとも俺はそう感じた。
なんだ、こんくらいのものか。と。
でも、誰にでも初めてはあるものだ。
メッシだって初めてのバルサでのデビュー戦は恐怖で脚が震えていたに違いない。
彼はデビュー戦からゴールするまでに7ヶ月もかかっている。
そして、まだミーグリ行ったことないという人にはこの気持ちとてもよく伝わるんじゃないかろうか。
これを書く前はミーグリのマイナス点ばかりを書いてやろうと思っていたんだが、そんなことをしても意味がない。この世界にはなにも貢献できていないことに気付いてしまったので、基本ネガティブな話はしない。
では前置きはこれくらいにして俺が挑んだ、2024年10月20日のミーグリに至るまで、そして当日、それから現在までの話をするとしよう。
と言いつつ、至るまでの経緯ってどこから始めればいいんだと早速詰みそうになったので、いきなり今年の10月から始めようかな。
とりあえず、今回の乃木坂46 36thSGアンダーライブだ。俺は福岡公演2日間に参加したんだが、乃木坂ちゃんのパフォーマンスをこんなに近くで見たのは初めてで、今までの乃木坂ライブ体験とは一線を画していた。(正確に言えば全ツ大阪でのロマいかのあーやと自惚れビーチの久保ちゃんはさらに近かったんだが、推しメンではないため前の文章を訂正しよう)
"推しメン"のパフォーマンスをこんなに近くで見たのは初めてのことだった。
その時の様子を描写するには俺の語彙が足りなさすぎるのでまったく伝えきれないのだが、とにかく一瞬も目が離せない。
ステージの逆側にいようが、後ろを向いていようが、他の人がMCをしてようがずっと推しメンだけを見ていた。しかも双眼鏡ではなく肉眼でだ。
本当に推しメンはこの世に存在する。
その時ようやく確信が持てた。(遅すぎるだろ)
溢れんばかりのこの感情、このトキメキ、この感謝、推しに直接伝えたい。
初めてそう思えた瞬間かもしれない。
そのライブの2日後かな、ミーグリの13次抽選で5期生が全完売になったのを知ったのは。
その時の俺は非常に複雑な気持ちだった。
全完売。たしかにめでたい。
とんでもないことだと思う。
5期生お前らどんだけすごいんだ。
それに対して、売れ残っているメンバーはどうだ?
みんなとても魅力的だ。
特に俺の推しは間違いなく世界一魅力がある。
なのになぜ?
みんな頭おかしいんじゃないか?さもなくばこの世がどうかしてるのだ。
と、ミーグリに行ったことないくせに偉そうに思った。
そんな俺の現実と、本物の現実とのギャップが襲いかかってくる。
今まで目を背けてきた、もしくは考えないようにしてきたミーグリ完売表なるものを眺めて心が痛くなってくる。
ふざけんな。
と、なにも貢献していないにも関わらずそう思った。
いや、こう思うのは割と普通の感情な気もする。
でもそれはミーグリに対してなのか、そう思っているにも関わらずなにもしていない自分に対してなのかもはやわからなかった。
おそらく両方だったんじゃないかと思う。
とりあえずそんな自家撞着した感情渦巻く10月11日(木)の夜だった。
そして次の日の昼前、目が覚める。
いつものようにだらだらベッドでTwitterを眺めていると、「ミーグリ14次募集中」の文字をやたらとよく見る。
正直すでにかなりなびいていた。
誰かに背中をちょんって押されたらおそらくそのまま応募してしまうだろう。勝手に崖っぷちである。
しかし、いけないのだ。弱い俺には土台無理な話だ。
そうこうしている中、おそらくO氏のこのリプがトリガーだった。
とても気にした。
というか、ぶっ刺さった。抜けない釘が。
あの子のエネルギーの0.000000000001%にでもなれればそれでいいじゃないか。
ここで腹を括った。
1歩前に進む時なのだ。
やるかやらないかの瀬戸際で”やる”を選んだ。
そして
ついに決めた。
一瞬だった気がしてたけどこの間に30分も経っている。
なにがあった?笑
気を失ってたのかもしれん。
まあ、とにもかくにもやっちゃったわけだ。
これで退路は断たれた。
このツイートをしたら瞬時にK氏からリプが来た。
なんで彼は俺が応募したことがわかったんだろうと思っていたら、どうやら彼もほとんど同じタイミングで初めてのミーグリを応募していたらしい。笑
ちなみにこのK氏とはこの10/11から現在10/30までずっとDMが続いている。
もはや気持ち悪い。
しかし、肩寄せて 支え合って ひと塊になればいい、だ。
同じ推しを愛する同士として、いつもありがとう。
おそらくこの文章を読んじゃいないと思うのでお礼を伝えておく。
そして、どこか今までとは違う風を感じたこの日はOKAMOTO'Sのライブに参加する日でもあった。
後半に披露された「この愛に敵うもんはない」に俺は思わず泣いてしまった。
有名な曲を何往復かしただけのニワカだったが、1番後ろでハマスカタオルを掲げて、知っているパートは一緒に歌い、挙句の果てに泣いてしまったのだから大満足もいいところである。
そのライブが終わったあとスマホを見てみたらミーグリの当落が届いていた。
正確に言うと、ライブの30分前には届いていたのだが、あまりにもバタバタしていて気付いていなかった。
結果は
全当選。
………
まあこいつ、3枚分しか応募してないのだがね。
心の奥底では、同じ想いの人達がたくさんいて一気に完売になって俺の分は落選になってくれて全然かまわない。くらいに考えていたのだが、そうは問屋が卸さなかった。
これは正直嬉しさ半分悲しさ半分だった。
この後も結局完売が増えることはなかったことを考えると悲しさが勝るとも言える。
ここからの9日間はK君と傷を舐め合いながら、躁、鬱、躁、鬱、鬱、鬱、躁、鬱くらいの精神状態だった。
まあ、正直この辺りはもうあまり記憶にない。
覚えているのは来たる日の前夜に「絶対寝坊してやる」と意気込み起きていたことだ。
もちろん目覚ましはかけない。
寝坊したら仕方ないよな。
ゴミのような根性をしているがこれが俺だ。
ちなみに、申し込んだのは1部。
9:30受付開始、11:15最終受付
これに寝坊すればおっけーだ。
明日楽しみ、寝坊してやるを何度も繰り返したが、眠気の限界がやって来て4:00にとうとう寝てしまった。
そして、次の日目が覚めた。
「うお!ガチで寝坊したかも!(焦り&喜び)」
時計を見る。
「6:30」
なんなんだ俺は……。
昔から次の日が楽しみだと寝れない人間なのだ。
俺は楽しみだったのか。今書きながら気付いた。
そこからは30分ごとに寝て起きて寝て起きてを繰り返した。
その度に夢でまつおさんとミーグリをしていた気がする。
人間の脳は事前に夢で予行練習をすることで現実の負担を軽減するようにできているらしい。
防衛本能がバリバリに働きまくっていた。
優秀だ。
予行練習を繰り返してついに起き上がる決心をした。
布団から出て、髪を濡らしてジェルでセットする。寝癖がとんでもないことになってたので予想外に時間を使う羽目になり少し焦った。
マウスウォッシュをして歯磨きをして無駄にデンタルフロスまでした。
画面の向こうの推しメンに臭いが届いてはいけないのだ。ミーグリは未だ未知。どんな機能がついてるかわかったものではない。 万が一があっちゃいけない。
心も体も万全になったところでいよいよforTUNE meetsアプリを開く。持っているアマゾンタブレットは性能が低すぎるので会社で一切使っていないiPadを数日前から拝借させてもらっていた。なのでスクショは一切していない。泣
開くと、各メンバーが何人待ちで何分待ちなのかが表示されていた。
ふむふむ。和ちゃんは58人待ちか。さすが人気者だ。
まつおさんはどうだ、
ふ、ふーん、3人待ち、ね。
こんなにも格差があるのかと正直狼狽えた。
他のメンバーを見てみても差は歴然だったのだが、意外なメンバーが全然並んでなかったりしたのでこれはそういうものなんだろうと自分を納得させた。
で、松尾美佑待機列に並ぶ。
自分の映像と音声を確認するように促される。
映像は問題ない。前日に必死で背景が綺麗になるように片付けたのだが、ほぼ自分の顔しか映ってなかった。まあ、万が一があっちゃいけない。
音声は問題があった。声を出すと大きめの声にはバーが反応するのだが、普通の声だとバーは微動だにしない。
「俺、こんな大声で喋らなきゃいけないのか?」
何度か確認してみたが結果は変わらなかったので、始まったら聴こえてるか本人に聞いてみるしかない。そう考えた。
今思えば本番の音声確認の会話で5秒は使ったので非常にもったいない気がするが、あれが唯一の会話らしい会話だったし、まあ、万が一があっちゃ(略
次は運転免許証の画像をアップして、ユーザー名を登録するように指示が出る。
予習していた通りだったのでここはすんなりできた。
順番がどの順だったかこの辺は曖昧だ。
全ての準備が整うと、「本人確認をしています。しばらくお待ちください。」の表示が出る。
この待ち時間で心を整えさせてもらおう。
そう思っていたのだが速攻で、
「次はあなたの番です。5、4、3、」
と表示が出た。
待て、待て、待て、待て、3人待ちはどこに行った?
全く準備も覚悟もできてやしない。
カウントダウンが怖すぎる。
富士急ハイランドの「ドドンパ」のカウントダウンくらい怖い。
ちなみにドドンパは発射1.56秒で時速180kmに到達する恐ろしいアトラクションである。
調べたら今年の6月に廃止されていた。
かなりショック。
閑話休題。
ここからようやくミーグリレポが始まります。
ここまで読んでくれたみなさんお疲れ様です。
素晴らしいあなたはきっといい人生を歩むでしょう。
保証します。
補償はできませんが。
「3.2.1.」
パッと画面が明るくなる。
そこには愛し、恋焦がれる推しメンがいた。
ほんとにいた。
いや、ぶっちゃけAIでもわかんないかもしれない気がするが。
顔が見えた瞬間にあまりの嬉しさに思わず両手を振ってしまった。
ぬ「聞こえてますかー!?✋✋」
ま「聞こえてますよ〜^_^」
やったぁ!聞こえている!
こんなやり取りに時間を使うのは素人丸出しだろう。
でも大丈夫。
ユーザー名を「ぬこうち@今日が初ミーグリです!」にしたから。
暖かい目で見守ってくれているだろう。
ぬ「この前の福岡のアンダーライブに2日間参加させてもらって」
ま「おー!うんうん」
ぬ「今までまつおさんを推し続けていてほんとに良かったなと思えて涙」
ま「ええー!」
ぬ「まつおさんパートはほんっっと最高で、○○○○もすごい楽しかったし、おうたも良かったし。」
ま「うんうん。」
ここで右端に「まもなく終了です」の文字が表示されて焦る。
ぬ「あと!ミーグリのお花も出させていただきm(フェードアウト)」
ぬ「ああー!!!終わっちゃった!!!!!」
とまあ、こんなもんです。
冷静な感想反省を言えば、
①終了した後も映像と声は少し届いているというのは情報として知っていたので、ちゃんと最後まで言い切るべきだったんだが焦りすぎて忘れていた。
②予想よりも短かった。
③向こうも映像を見ているので、お互いの目が合うことがない。これは致命的だと思った。リアルミーグリに絶対勝てないだろう。
④調べたらイヤホン必須と書いてあったけど、よく考えたら向こうはイヤホンなんて付けてないのだから必須なわけなくね?と思った。
⑤終わったあと部屋で1人になる虚しさ、それはなかった。冷静ではあったけども。
こんなところですかねぇ。
とにかく初めてお話できたというのはとっても嬉しかったです。思っていたより緊張しなかったし、思っていたより感動したわけでもない。と思ったけど当時の俺はこんな感じだったみたい
この日から今までずっと考えているのは、次どうするべ、ってことだ。
もういいかな
次もやりたい!
やっぱいいや
やっぱりやるっしょ
これをずっと繰り返している。
今のところは「ちょっとだけやろうかな」
2つだけ確実に言えるのは、
もう1人の推しメンの和ちゃんのも行かないといけんだろってのと、
これは考える必要は無いが、なにかの節目には必ず行こう。ってこと。
今までの乃木オタ人生ではミーグリのことを考える必要はなかったんだが、良くも悪くも悩みの種が増えてしまった。
そうこうしている間にも次のシングルの発売日が発表されちゃったしさ。
いつでも言いたいことができたタイミングで行ければいいのに。
終わり方がわからないからこの辺で終わっときます笑
ありがとうございました。